(たち めいらいくにみつ)
分類:刀剣 時代:鎌倉時代・14世紀
品質:鎬(しのぎ)造 法量:長80.7cm
山城国(京都)の刀鍛冶(かたなかじ)来国光がきたえた太刀。国宝2点、重要文化財22点を数える名工・国光の代表作です。本太刀にみる、まっ直ぐにすうっと流れる白い刃文は、来国光の得意とする表現です。刀身はまん中あたりで反り、幅はやや広めで、堂々とした気分がみなぎっています。
徳川家康の養子となった江戸時代初期の大名・松平下総守忠明(まつだいらしもうさのかみただあきら)が入手して以後、同家に代々伝えられました。明治時代に入って山県有朋(やまがたありとも)の持ち物となりましたが、明治18年(1885)の山県邸行幸(ぎょうこう)の際に献上され、明治天皇のお手元に置かれました。
(くじゃくそうきんきょうばこ)1合
分野:漆工 時代:中国 元時代・1315(延祐2)年
品質:木製漆塗 法量:縦23.3×横40.0×高25.7cm
中国浙江省杭州で元朝・延祐2(1315)年に製作された経箱で、仏教経典(元代一切経など)の刊本を納めたものです。同時期の類品(重要文化財)3点が福岡・誓願寺(せいがんじ)などに伝世しています。室町時代に流行した沈金の漆芸技法は、中国の鎗金技術を学んで発達したものであり、本品はその点からも中世・日中交流史上、貴重な工芸品です。
(しほんぼくがほていず)1幅
分野:絵画 時代:中国 南宋〜元時代・13世紀
品質:紙本墨画 法量:縦96.5×横41.3cm
中国の僧侶画家・牧谿(13世紀活躍)の作品として伝来した中国絵画で、日本では室町時代以降、足利将軍家や徳川将軍家など権力者の傍らにあって大変に珍重されました。描かれた布袋は、弥勒の化身として信仰を集めた約千年前の実在の人物です。中国人僧侶・簡翁居敬(13世紀活躍)による布袋の逸話を記した賛文の下方には、太鼓腹を出して笑う豚鼻の丸顔が描かれます。