収蔵品ギャラリー

ギャラリー【3】

ティセラ 日本図:歴史資料 1枚

ティセラ 日本図:歴史資料 1枚

ルイス=ティセラ作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1595年頃
品質:紙本銅版手彩 法量:縦41.3×横53.3cm

ヨーロッパ製の地図のなかで、日本を単体で描いた最初の地図です。オルテリウス編『世界の舞台』(1595年、アントウェルペン)に収載されました。恐らく、1579年に来日したイエズス会士・アレサンドロ=ヴァリニヤーノが持ち帰った、当時の日本地図(いわゆる行基図)をもとに描かれたと考えられます。

ホンディウス 日本図

ホンディウス 日本図

ホドカス=ホンディウス作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1606年
品質:紙本銅版手彩 法量:縦39.0×横48.8cm

アムステルダムの有名な地図作家ホンディウスが、メルカトルの地図の銅版を引き取って作成したものです。明らかに、オルテリウス・ティセラ日本図の後継版です。ホンディウスの『新地図帳』(1606年、アムステルダム)に収載されました。
北海道を除く日本列島、朝鮮半島、中国大陸沿岸部の一部を描き、日本海に船1艘、中国海に船1艘と海獣1匹を描きます。石見銀山の記載もあります。

ケーレ 日本図

ケーレ 日本図

ピエトル=ヴァン-デン=ケーレ作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1628年頃
品質:紙本銅版手彩

アムステルダム出身でイギリスで活躍した地理学者・地図業者のケーレが、1628年頃、ヤンソンの銅版をもとに製作した、日本図です。ティセラ・ヤンソン系日本図の系譜を引き、またいまだに朝鮮を半島でなく島として描いています。なお、ケーレは著名な地図作家ホンディウスの義理の兄にあたります。

マルティーニ 日本図:歴史資料 1枚

マルティーニ 日本図:歴史資料 1枚

マルティーノ=マルティーニ作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1655年
品質:紙本銅版手彩 法量:縦51.3×横62.6cm

イタリア・トレント出身の宣教師マルティーニがつくった日本図であり、ブラウ編『新中国地図帳』(1655年、アムステルダム)に収められました。
日本列島は南西から北東にかけて、比較的正しい方向に伸びています。東北地方の海岸線も、それまでのオルテリウス・ティセラ型日本図と大きく異なって正確です。能登半島・紀伊半島・房総半島なども正確に描かれ、蝦夷島の位置もほぼ正しいものです。朝鮮も島でなく半島として描いており、正確な最新の地理情報が盛り込まれています。
マルティーニは、都合10年近く中国に滞在していたので、羅洪先作の『広輿図』(16世紀後半)を手に入れ、これを情報源としてこの地図を作ったのだと考えられています。

ヤンソン 新精確日本・蝦夷図:歴史資料 1枚

ヤンソン 新精確日本・蝦夷図:歴史資料 1枚

(しんせいかくにほん・えぞず)
ヤン=ヤンソン作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1658年
品質:紙本銅版手彩 法量:縦50.3×横60.3cm

アムステルダムの地図作者ヤンソンがつくった日本・蝦夷図の代表的な作品。ヤンソン編著『新地図帳』(1658年、アムステルダム)に収載されました。
フリースの蝦夷探検の成果を忠実に生かしたために、樺太を北海道の一部だと勘違いし、ウルップ島も地図の右端にかかる巨大な陸地(「カンパニースランド」)となってしまいました。また、旧地図帳よりも縮尺を大きくしたため、地名の誤謬や書込み箇所のずれなどが目立ちます。朝鮮も半島でなく島として描いており、17世紀半ばのヨーロッパのアジア地理認識の限界を示す資料でもあります。

カロン 日本の位置に関する正しい海図:歴史資料 1枚

カロン 日本の位置に関する正しい海図:歴史資料 1枚

フランソワ=カロン作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1663年

カロンが1661年にオランダで刊行したものをドイツ語訳したものです。カロン及びショートン著『強大な王国日本とシャムに関する真実の記録』(1663年、ニュルンベルク)及び、カロン著『日本大王国志』(1663年、ニュルンベルク)に収載されました。
フランスのユグノー派出身のカロンは、オランダ人の料理人助手として断続的に日本で20年以上を過ごし、最終的にオランダ商館長にもなった、かなりの日本通&アジア通。この地図を制作したそもそもの動機は、本州や蝦夷島が島かどうかを示すことにあったのですが、結局誤った情報を示すことになってしまいました。

ボーウェン 新精確日本帝国図:歴史資料 1枚

ボーウェン 新精確日本帝国図:歴史資料 1枚

(しんせいかくにほんていこくず)
イマニュエル=ボーウェン作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1744年
品質:紙本銅版手彩 法量:縦41.3×横52.3cm

ボーエンが作成しました。『完全地理体系(A Complete System of Geography)』(1744年、ロンドン)に収載のものです。ベランの日本図を模したと註記されています。 東北地方が北方にそびえたち、西日本は東西にまっすぐ伸びる代わりにやや南西に傾くなど、特徴的な形をとります。日本海を「The Sea of Korea」と書いているのが興味深いところです。

ベラン 長崎の港と市街図:歴史資料 1枚

ベラン 長崎の港と市街図:歴史資料 1枚

J・S・ベラン作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1763年
品質:紙本銅版手彩 法量:縦28.5×横38.0cm

フランスの地図製作者ベランによる長崎地図。『小フランス地図帳』第3巻(1763年、パリ)に収められました。 ケンペルの『日本誌』の長崎図を原図としつつも、大きく簡略化しています。南を上にして描く点は、ヨーロッパ製長崎図の特徴で、北を上にする日本の長崎地図とは異なります。この方向が、ヨーロッパ人には馴染みになったようで、たとえば、アムステルダム海事博物館所蔵の日本製長崎地図は、南を北にして展示されています。

オルテリウス 韃靼図:歴史資料 1枚

オルテリウス 韃靼図:歴史資料 1枚

(だったんず)
アブラハム=オルテリウス作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1598年頃
品質:紙本銅版手彩 法量:縦45.0×横57.5cm

アントウェルペン(アントワープ)の地図作者オルテリウスがつくったタルタリア(韃靼)図です。初版は1570年ですが、本図は1598年頃のオルテリウス地図帳(アントウェルペン刊)に収載されたものと考えられます。
日本の形が、オルテリウスのアジア新図のなかのそれに比べ、東西に伸びているのが特徴。また、北アメリカ大陸の一部が図中の右上端に顔をのぞかせた、最初の地図とされています。

オルテリウス 韃靼図:歴史資料 1枚

オルテリウス アジア新図:歴史資料 1枚

アブラハム=オルテリウス作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・17世紀初頭
品質:紙本銅版手彩 法量:縦41.6×横54.4cm

アントウェルペン(アントワープ)の地図作者オルテリウスが作ったアジア図です。1610年代頃の地図帳に収載されたものでしょう。
日本・朝鮮および東南アジアがユニークな姿で描かれています。ポルトガル人地図作家ヴェリュの日本図にのっとって、日本を楕円形に描いています。もちろん蝦夷地(北海道)はありません。 ちなみに、朝鮮は欠片も描かれていない状況です。
ただし、琉球は「Lequiho Grande」(大琉球)として描かれています。西から東へ向かってきたヨーロッパ人にとっては、日本よりも、まず独立国琉球王国の存在の方が身近だったからでしょう。海中に帆船が2艘描かれています。

ホンディウス 中国図

ホンディウス 中国図

ホドカス=ホンディウス作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1606年
品質:紙本銅版手彩 法量:縦44.4×横54.4cm

アントウェルペン(アントワープ)の地図業者ホンディウスが、メルカトールの銅版を引き継いで作成したヨーロッパ製銅版中国図です。1606年刊行の地図帳に収載されました。
中国のみならず、日本・朝鮮を包括的に描く初期の地図として貴重です。日本・朝鮮のかたちはおおむねオルテリウス系のそれを踏襲しています。海上には、ヨーロッパ船やジャンク船が描かれ、中国にはマルコポーロの記述を参考にしてか帆で走る車を描いています。朝鮮は島のように描かれますが、そこには「半島であるかもしれない」という注意書きが見えます。イエズス会宣教師が処刑されている図もあり、当時のヨーロッパでは、アジアが野蛮な地域としてイメージされていたことが良く分かります。

ホンディウス アジア新図:歴史資料 1枚

ホンディウス アジア新図:歴史資料 1枚

ホドカス=ホンディウス作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1623年
品質:紙本銅版手彩 法量:縦44.5×横55.8cm

アントウェルペン(アントワープ)の地図作者ホンディウスが作成しました。メルカトール・ホンディウス編の地図帳(1623年、アントウェルペン)に収載。
蝦夷地(北海道)こそないものの、日本や東南アジアを比較的正確に描いていますが、朝鮮は半島でなく島として描かれ、形もティセラ型です。琉球は「Lequio Grande」(大琉球)として描かれています。ニューギニアは島として描かれていません。海中にガレオン船やダウ船などの帆船が4艘と、海獣が5匹描かれています。

ホンディウス アジア図および都市・民族図:歴史資料 1枚

ホンディウス アジア図および都市・民族図:歴史資料 1枚

ホドカス=ホンディウス作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1659年
品質:紙本銅版手彩 縦46.5×横60.1cm

アントウェルペン(アントワープ)の地図作者ホンディウスが制作した、アジア図です。1659年の地図帳に収載されました。 地図の上部にアジアの諸都市の鳥瞰図を配し、両側には諸民族の衣装図を男女ペアで載せるなど、いわゆる都市図の要素が多いことが特徴です。地図中には帆船や海獣類などを描き、東南アジア方面は実に記載が緻密です。蝦夷地(北海道)を記しませんが、朝鮮を半島として描いているのは注目されます。

コロネリ 日本・朝鮮図:歴史資料 1枚

コロネリ 日本・朝鮮図:歴史資料 1枚

ヴィンチェンゾ=マリア=コロネリ作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1694年頃
品質:紙本銅版彩色 法量:縦49.5×横68.6cm

この地図を作ったのは、ヴェネツィア共和国の公式地理学者コロネリです。タイトルを書いた箱にイエズス会のマークがあり、本地図がイエズス会に献呈されたものであることが書かれています。『世界地誌』(1694年頃、ヴェネツィア)に収載。
蝦夷(北海道)の南端に「ユピの韃靼」と記され、松前藩の存在を認識していたことも分かります。石見銀山を描き、佐渡金銀山も描いています。日本海に船1艘。モンタヌスの描いた船から取材したデザインそのままの日本船です。朝鮮は、島ではなく、半島としてしっかり描かれています。

コロネリ 東中国図:歴史資料 1枚

コロネリ 東中国図:歴史資料 1枚

ヴィンチェンゾ=マリア=コロネリ作
分野:絵画 時代:ヨーロッパ・1690年頃
品質:紙本銅版手彩色 法量:縦68.7×横50.7cm

ヴェネツィア共和国の公式地理学者コロネリによって作成された、ヨーロッパ製銅版の東中国図です。1690年頃、ヴェネツィアで刊行されました。
中国東部、朝鮮半島から台湾、琉球列島、九州、山口までを描いており、万里の長城も描かれています。朝鮮が島でなく半島として描かれている点も注目されるところです。竹島、対馬の記載に混乱がみられ、画面右上と下に製図用具を描いています。中国海「MARE DELLA CHINA」の記載のみ見えます。

デ-ヴィット 韃靼図:歴史資料 1枚

デ-ヴィット 韃靼図:歴史資料 1枚

(だったんず)
フレデリック=デ-ヴィット作
分野:絵画ヨーロッパ・1730年頃
品質:紙本銅版手彩 法量:縦51.5×横60.4cm

アムステルダムの地図作家デ-ヴィットによって作成され、コウヴェン&モルティエ編の地図帳(1730年頃、アムステルダム)に収載されました。
蝦夷地(北海道)が沿海州と地続きのように描かれている点が特徴です。また、日本海が「Mare Septen trionale Iaponiae」(北日本海)と書かれている点も注目されます。

坤輿全図:歴史資料 6枚

坤輿全図:歴史資料 6枚

(こんよぜんず)
南懐仁(なんかいじん:フェルディナンド=フェルビースト)作
分野:絵画 時代:中国 清代・1674年
品質:紙本木版墨刷 法量:〔1〕157.5×58、〔2〕157.5×58、〔3〕154.5×58、〔4〕157.5×58、〔5〕159.0×5、〔6〕158.5×58cm

康煕13(1674)年、イエズス会士フェルビーストにより刊行された、大型の両半球世界地図です。北京で制作されました。ヨーロッパ製の地図を漢訳したものですが、東半球図にはフリースの探検航海(1643年)により判明した北海道の一部を描くなど、最新の地理情報も加味されています。中国・朝鮮で人気を博し、19世紀になっても再刊行されました。本作品はもともと8幅1組なのですが、右端・左端の欠いており、九博本は、6幅のみで構成されています。

収蔵品ギャラリー『国宝・重要文化財』 ギャラリー【1】 ギャラリー【2】 ギャラリー【3】 収蔵品『針聞書』