台北 國立故宮博物院 - 神品至宝 -

アジア初!〈奇跡〉の展覧会


九州会場限定!東京では公開されない逸品が多数


空前のスケールで体感する中国文化の『本流』

特別展のご紹介 1分25秒

会期:

平成26年10月7日(火)〜 11月30日(日)

休館日:

10月27日(月)、11月4日(火)、11月10日(月)、17日(月)

開館時間:

午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

出品目録:

観覧料:

一 般 1,600円(1,400円)

高大生 900円(700円)

小中生 400円(200円)

*(  )内は前売りおよび団体料金(有料の方が20名以上の場合)。
*上記料金で九州国立博物館「文化交流展(平常展)」もご覧いただけます。
*障害者手帳等をご持参の方とその介護者1名は無料です。展示室入口にて障害者手帳等(*)をご提示ください。
(*)身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証
*満65歳以上の方は前売り一般料金でご購入いただけます。券売所にて生年月日がわかるもの(健康保険証・運転免許証等)をご提示ください。
*キャンパスメンバーズの方は団体料金でご購入いただけます。券売所にて学生証、教職員証等をご提示ください。
*チケット販売窓口では下記電子マネーがご利用いただけます。
注)ご利用いただけるのは当日券のみです。団体券・割引券等にはご利用になれません。
電子マネー
(WAON、nanaco、iD、Edy、Kitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、nimoca、はやかけん、SUGOCA)
電子マネーアイコン

お問い合わせ:

050-5542-8600(NTTハローダイヤル午前8時〜午後10時/年中無休)

台北 國立故宮博物院-神品至宝- 記念図録

台北 國立故宮博物院-神品至宝- 記念図録
販売価格:2,500円(税込)
中国歴代の優れた文物を数多く収蔵する台北の國立故宮博物院。その約70万件もの所蔵品のなかから、とくに厳選した本展覧会の展示作品を全て収録した公式カタログです。
そのコレクションを抜きにしては、悠久の中国文明を理解することが出来ないとまで言われる台北故宮の「神品」の数々を、豊富なカラー図版、最新の研究を反映した解説でお楽しみください。
特別後援:
日華議員懇談会
主催:
九州国立博物館・福岡県、東京国立博物館、國立故宮博物院、西日本新聞社、NHK福岡放送局、NHKプラネット九州、読売新聞社、産経新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、RKB毎日放送、TVQ九州放送
共催:
(公財)九州国立博物館振興財団
特別協力:
九州朝日放送、FBS福岡放送、テレビ西日本
太宰府天満宮
協力:
チャイナ エアライン(中華航空)
後援:
佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、九州・沖縄各県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、北九州市、北九州市教育委員会、太宰府市、太宰府市教育委員会、西日本リビング新聞社、FMFUKUOKA、cross fm、LOVEFM、西日本鉄道、九州旅客鉄道、一般社団法人日本自動車連盟福岡支部、NEXCO西日本九州支社、一般社団法人福岡県タクシー協会、一般社団法人福岡市タクシー協会、福岡商工会議所、太宰府市商工会、太宰府観光協会、一般社団法人日本旅行業協会、九州経済連合会

ごあいさつ

台北の國立故宮博物院は、中国の歴代にわたる優れた70万件近くもの文物を収蔵することで知られた世界的な博物館です。そのコレクションは歴史的にきわめて重要なものばかりで、これらを抜きにしては中国文明の『本質』を理解することはできません。本展覧会では、その所蔵品のなかからとくに110件を厳選し、中国の文化と歴史を語るうえで欠くことのできない『神品』の数々を公開します。皇帝たちが収集し、権力を象徴するものと位置づけた文物を通じて、中国文明の神髄をひろくご紹介します。最後になりましたが、本展覧会は、日華議員懇談会をはじめ、多くの方々のご努力によって開催が実現しました。また、貴重な所蔵品をご出品くださいました國立故宮博物院ならびに多大なご支援とご協力を賜りました関係各位に厚くお礼申し上げます。

2014年7月 主催者


展覧会構成


年間400万人が故宮へ見に来る、門外不出の「神品」を公開!

皇帝をも癒すこの笑顔

展示期間10月21日(火)〜11月30日(日)


人と熊

人と熊 ひととくま

清時代・18〜19世紀

天然の玉材の色をそのまま活かし、白い部分に人物を、黒い部分に熊を彫り分ける。その愛らしい体つきや語りかけてくるような笑顔から、いかに中国の玉器が豊かな個性をもったかを実感できる。「白菜」「肉」に続くこの故宮の人気者も、かつて養心殿に伝来した。きっと皇帝の心を和ませていたに違いない。

14日間限定公開!展示期間10月7日(火)〜10月20日(月)

展示は終了しました


肉形石

肉形石 にくがたいし

清時代・18〜19世紀

石材の縞目を活かして肉の赤身と脂身に見立て、染色技法を駆使してタレが染みた角煮の皮を表現する。選び抜いた素材と職人の高い技術が融合した、究極の「神品」である。北宋時代の文人・蘇軾 そしょく (蘇東坡 そとうば )の名を冠して「東坡肉」とも呼ばれるこの豚の角煮は、皇帝が居住して日常の政務を執り行う紫禁城 しきんじょう の養心殿 ようしんでん で鑑賞されていた。


第一章 中国士大夫の精神

第一章の解説を読む

官吏登用の選抜試験として隋・唐時代から「科挙 かきょ 」を採用した中国では、豊かな教養をもった支配階級の士大夫 したいふ が、政治・経済だけでなく文化の指導者としても活躍した。さらに彼らの上に君臨する皇帝も、学問や芸術の新たな潮流を積極的に作り上げてゆく。本章では、このような知識人が愛した、陶磁器の最高峰である北宋時代の汝窯 じょよう の青磁、宋・元時代に表現の極みに達した書画の優品、そして彼らが憧れを寄せた古代の権力の象徴ともいえる青銅器を展示し、皇帝や士大夫の美意識にせまる。

主な作品

銘文が古代への憧憬を駆り立てる


散氏盤

散氏盤 さんしばん

西周時代・前9〜前8世紀

水を入れる手洗いの容器の形をした青銅器である。内側の銘文に、西周時代に起きた散という小国の領地争いの顛末を記した、政治的な意味あいをもつ公文書のような器物である。北宋時代以降、士大夫たちは理想的な統治が行われた中国古代の王朝につよい憧れを抱き、この時代の青銅器を珍重した。本品は故宮の青銅器のなかでもっとも有名なものの一つで、丸みある篆書 てんしょ の字形に特徴があることから、日本では書道の教科書にも掲載される重要な文物である。

書聖・王羲之 おうぎし の最高傑作


定武蘭亭序巻

定武蘭亭序巻 ていぶらんていじょかん

王羲之 おうぎし

[原本]東晋時代・永和9年(353)

永和9年に「曲水きょくすい の宴」で詠まれた数々の詩の序文を、かの書聖・王羲之が執筆したもの。原本は、唐の太宗 たいそう 皇帝の陵墓に副葬され伝説と化した。 その臨書や拓本のなかでも、唐時代の大家・欧陽詢 おうようじゅん の臨書本にもとづくと伝えられた拓本・定武本は、原本の品格をよく留める随一の名品である。

徽宗 きそう 皇帝が慈しんだ至高の青磁


青磁輪花碗

青磁輪花碗 せいじりんかわん

汝窯 じょよう

北宋時代・11〜12世紀

北宋の宮廷のためだけ制作されたと考えられている汝窯の名品。南宋時代にはすでに入手困難とされた汝窯は、今日でも約70点しか現存しないが、本品はそのもっとも優れた作品の一つである。その穏やかで大らかな姿形や、柔らかく深みのある釉薬の色調には、この時代の皇帝の美意識が反映されている。

皇后が愛した宮廷絵画の最高峰

展示期間10月21日(火)〜11月30日(日)


華燈侍宴図軸

華燈侍宴図軸 けとうじえんずじく

馬遠 ばえん

南宋時代・12〜13世紀

旧暦一月十五日の元宵節 げんしょうせつ に天帝をまつる宮中の「華燈 けとう 」の儀式を描く。微かな燈火、沈みゆく夕日、そして柔らかく輝く満月が交錯する、黄昏どきの微妙な光線のドラマを鋭敏な感覚で表わす。作者の馬遠は南宋宮廷絵画の第一人者であり、本図はその最も優れた作品である。上方には彼のパトロンであった楊よう妹子 まいし (寧宗皇帝の皇后)が賛をよせる。

知識人が憧れた高潔な精神世界


容膝斎図軸

容膝斎図軸 ようしつさいずじく

倪瓚 げいさん

明時代・洪武5年(1372)

高名な文人画家「元末四大家」の一人である倪瓚は、筆のかすれを生かして静まり返った水辺の情景を描く山水図を得意とした。それは元末明初の動乱で故郷を失い放浪生活を送った彼が、ながらく想い続けた理想の風景でもある。知識人の美と精神性に対するこだわりを結晶化した中国絵画を代表する名品である。


第二章 天と人との競合

第二章の解説を読む

中国では、古くから権力を象徴する目的で多彩な器物が作られた。たとえば古代の玉 ぎょく や青銅器は、統治者が執り行う祭祀に欠かせない礼器であるため、歴代の皇帝が王位の正統性を示す神聖な器物として熱心に収集した。また陶磁・漆工などの分野では、官営の工房を中心に精緻で高雅な名品が制作された。本章では、古玉器・青銅器から明時代の工芸まで、美しく巧みに作り上げられた器物の世界を展示する。

主な作品

太古の玉器にいにしえを偲ぶ


鷹文玉圭

鷹文玉圭 ようもんぎょくけい

新石器時代(山東龍山文化)・前2500〜前1900年

圭は、貴族の身分を示す礼器である。形が斧に由来するため片刃があるが(図版左では下方)、本来は刃を上にするのが正しい配置である。中央の浅い浮き彫りは、正面(上)には鷹のような猛禽を、別面(左)には神面文を表わす。のちに清の乾隆帝 けんりゅうてい が御製詩 ぎょせいし と璽文 じもん を彫らせ、自らがいにしえの文物を収集する動機を記し、五世代にわたる子孫繁栄を表わす「五福五代」の印を刻んで、古代への憧れを表明している。

度量衡を定める器は権力の象徴


新嘉量

新嘉量 しんかりょう

新時代・始建国元年(九)

中央と左右に五つのマスをもつ青銅器。それぞれが度量衡の単位の基準となる。天命を受けて「新」の皇帝となった王莽が、度量衡を広めるために作らせた量器である。銘文によれば、王莽 おうもう はその基準を漢民族の祖とされる伝説の帝王・黄帝 こうていに 求めたため、その王権はいにしえの制度を受け継ぐ正統性をもつと理解された。

丹念に仕上げられた明代堆朱の優品


松竹梅鹿堆朱長方箱

松竹梅鹿堆朱長方箱
しょうちくばいしかついしゅちょうほうばこ

倪瓚 げいさん

明時代・16〜17世紀

50頭の鹿の群れを松梅竹や太湖石 たいこせき などとともに表わす。鹿は長寿の仙獣であり、また音が「禄」に通じて仕官を意味することから、一族の繁栄を願うお目出度いテーマとして好まれた。塗り重ねた朱漆を彫り込む堆朱の技法を用いて、細部まで丁寧に文様を表わす本品は、明時代の技術の高さをよく示している。

中華秩序を再建した永楽帝の文化事業


永楽大典

永楽大典 えいらくたいてん

明時代・嘉靖〜隆慶年間(1522〜1572)

明時代に永楽帝 えいらくてい がプロデュースした巨大な百科全書で、古代からの多彩な分野の重要な図書文献が収められている。永楽帝は都を北京に遷し、鄭和 ていわ に南海への大航海を命じるなど、世界帝国の建設を目指して内外につよい指導力を発揮した。本書は、その皇帝が編纂させた文化の記念碑である。

東西の交流が生んだ逸品


松竹梅鹿堆朱長方箱

青花龍文大瓶 せいかりゅうもんたいへい

景徳鎮窯 けいとくちんよう

明時代・15世紀

左右に張り出した丸い胴と長い頸が特徴で、この大瓶の形は天球瓶 てんきゅうへい とも呼ばれる。力が漲るような溌剌とした姿がじつに魅力的な景徳鎮官窯の逸品である。素地の白さに映える濃厚な青色には、イスラムからもたらされた上質の顔料が用いられる。鄭和 ていわ の大航海に象徴される明時代の国際交流が生み出した逸品である。


第三章 中国歴史文化の再編

第三章の解説を読む

満州族が建てた清王朝は、康煕帝 こうきてい ・雍正帝 ようせいてい ・乾隆帝 けんりゅうてい の治世にもっとも国力を充実させた。少数の異民族に過ぎなかった彼らは、漢民族が培ってきた伝統を積極的に学び、西洋の文化をも取り込んで多文化を融合していった。なかでも乾隆帝は伝統的な文化を深く理解し、中国の歴史や文化そのものを再編してゆく。本章では皇帝が主導した文化事業とともに、官営の工房で制作された超絶技巧の精緻な陶磁などを紹介する。

主な作品

中華文明を手中におさめる乾隆帝の一大叢書


四庫全書

四庫全書 しこぜんしょ

清時代・乾隆年間(1736〜1795)

乾隆帝の勅命により三百数十名もの学者を動員して集成された中国最大の叢書。当時現存していた古今の重要な書物をほとんど全て網羅する壮大なスケールをほこる。経・史・子・集の「四庫」に分類して保管したのが名称の由来である。中国の歴史と文化そのものを編纂しようとする乾隆帝の強い意志が感じられる文化事業である。

皇帝が愉しんだミニチュアの宝箱


紫檀多宝格

紫檀多宝格 したんたほうかく

清時代・乾隆年間(1736〜1795)

多宝格とは、皇帝が手元に置いて鑑賞した宝箱である。箱の内部には小さな陳列棚があり、そこにフィギュアのような小さな玉器や磁器などが隙間なく整然と収められている。この可愛いミニチュアのなかには、なんと古代の青銅器から清時代の象牙彫刻までもが含まれている。その器物の時代とジャンルの幅広さは、さながら皇帝コレクションの縮図である。本品には乾隆帝が愛玩したとの説がある。

窓のなかの金魚がまわる、技巧の極み


藍地描金粉彩游魚文回転瓶

藍地描金粉彩游魚文回転瓶
らんじびょうきんふんさいゆうぎょもんかいてんへい

景徳鎮窯 けいとくちんよう

清時代・乾隆年間(1736〜1795)

四つの部位からなる複雑な構造の瓶である。頸 くび と連結された内側の部分が回転すると、胴部の窓から水中に泳ぐ愛らしい金魚が現れる仕組みになっている。このような回転瓶は、皇帝の命を受けた官吏が景徳鎮官窯で苦心して作り上げた成果である。この趣向を凝らした超絶技巧の器にも、乾隆帝の美に対するつよい意向を読み取ることができる。

景徳鎮の頂点


粉彩透彫雲龍文冠架

粉彩透彫雲龍文冠架 ふんさいすかしぼりうんりゅうもんかんか

景徳鎮窯 けいとくちんよう

清時代・乾隆年間(1736〜1795)

雲を背にして自由に泳ぎまわる龍をデザインした華やかな色づかいの磁器である。その全体は、四つの部位、すなわち上から球体、軸柱、透彫りの部分と底部を組み合わせている。その装飾も、透彫りや、「粉彩」と呼ばれる七宝の技術にもとづく美しい絵付け、金彩などを駆使する。想像を絶する手間ひまをかけた景徳鎮官窯の逸品である。

想像を超える透彫りの超絶技巧


透彫花卉文玉香薫

透彫花卉文玉香薫
すかしぼりかきもんぎょくこうくん

清時代・18世紀

お香や草花を入れて芳香を楽しむために用いる香道具である。淡い灰色の玉を用いた蓋付きの器で、両耳の立体的な浮き彫りをはじめとして、全体に牡丹の文様が精巧な透かし彫りで表わされる。本品は后妃の住居である紫禁城の永寿宮 えいじゅきゅう に伝来した。


國立故宮博物院とは?


國立故宮博物院とは

かつて中国の皇帝が所蔵していた文物を数多く収める世界的な博物館です。所蔵品はおよそ70万件、年間の来場者数は約400万人を数えます。2015年には台湾南部の嘉義県に分院が開院される予定です。故宮博物院は、1925年、清王朝のラストエンぺラー・溥儀が退去した後の紫禁城に誕生しました。その後、文物は国際情勢の変化や内戦のあおりを受けて移動を余儀なくされ、最終的にその一部は台湾に渡りました。1965年、台北市郊外に展示施設が建設されて以降は、特別展を中心とした多彩な活動が全世界の注目を集めています。その所蔵品は、中国の歴代皇帝たちが選び抜いた、まさに文明の精華です。皇帝の至宝を受け継ぐ故宮のコレクションは、まさに中国文明の"神髄"そのものであると評することができるのです。