収蔵品ギャラリー

『針聞書』

「蟯虫と血積」

「蟯虫と血積」

「奥書」

「奥書」

*平成28年3月1日(火)〜4月3日(日)まで4階文化交流展示室で原本を展示しております。
読み方と大きさ:
「はりききがき」 寸法は縦24.3センチ × 21.4センチ、76丁、152頁
いつ書かれたか:

永禄11年10月11日、西暦1568年です。 (織田信長が京都に入った後、関西の諸国を攻めていきますが、摂津の国を攻めたのがこの「針聞書」がかかれた9日前の10月2日です)

誰が書いたのか:

摂津の国、今の大阪府にすんでいた元行という人です。どういう人かわかりませんが茨木二介とあり、現在の大阪府茨木市周辺の出身と思われます。

何が書かれているのか:

以下の4部で構成されています。
1 針の基本的な打ち方、病気別の針の打ち方などを記した聞書、2 灸や針を体のどこに打つか示した図、3 体の中にいる虫の図とその治療法(針灸や漢方薬)、4 臓器や体内の解剖図で構成されています。

  1. 聞書部分 病気の治療、針を打つ場所の詳細など320箇条、貞享2(1685)年に刊行された意三流の「龍珠世宝」と同様の内容であり、近世の鍼灸流派に影響を与えています。
  2. 鍼灸図 9点、中風、脚気、目病など各病気別の鍼灸の箇所を示したものです。
  3. 虫の図 63点、五積、六聚など病気を起こすと考えられた想像上の虫が上段に描かれ、下段には虫の特徴、治療法が記されています。
  4. 臓器や体内図 人体の側面から描いた図、五臓六腑のみ描いた図、鍼灸の経絡図などいくつかの系統がありますが、いずれとも違う画像で、道教の影響や、実際の解剖に基づいて描かれた可能性があります。
九博との関係:

アジアやヨーロッパとの関係から日本文化を紹介することをテーマにした九博では、この資料は東洋医学の代表的なものです。東洋医学は中国で作られ、古くから日本に輸入されていきました。現在の漢方薬や針灸、あんまなどがその部類です。その中で針灸が日本で発展したことをしめす貴重な資料です。
また虫の図は当時の人々の病気に対する考え方などがわかる貴重な資料です。これだけ多くの虫が描かれている資料は、日本でもほとんど確認されていません。


「臓の連成体と五臓」

「臓の連成体と五臓」

「解剖図」

「解剖図」

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