平成28年4月に熊本地震が発生したとき、熊本を取り巻く人々から聞かれたのは、「まさか熊本でこんなに大きな地震が起きるなんて」という驚きの声でした。しかし、地震をきっかけに知られざる歴史に光が当たり、熊本でも過去に大きな地震が起きていたことが知られるようになりました。ここでは、江戸時代と明治時代、熊本城に大打撃を与えた地震についてご紹介します。
平成28年4月、熊本県を東日本大震災以来の震度7を観測する2度の大地震が襲い、県内各地で多数の文化財が被災しました。地震の起こる以前には存在が知られていなかった文化財も多く、救出にあたって人員の手配、費用の確保など多くの困難が伴いました。文化庁は阪神・淡路大震災、東日本大震災以来3度目となる文化財レスキュー事業を発動、九州国立博物館はその一翼を担い、熊本県及び九州・山口各県と協働して事業に参加しました。
熊本地震は文化財に大きな被害を与えましたが、一方で地震をきっかけに今まで知られていなかった文化財の存在が明らかになり、それらを守り伝えることの大切さを考える機会となりました。ここでは、人々はどのようにして文化財を守ってきたのか、そして、守られた文化財によって明らかになった、知られざる歴史をご紹介します。
作品名称 | 作者 | 時代 | 員数 | 所蔵者 |
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熊本城石垣の石 | 江戸時代 | 1点 | 熊本城調査研究センター | |
万覚書 | 江戸時代 | 1冊 | 公益財団法人 永青文庫 (熊本大学附属図書館寄託) |
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部分御旧記 災変部 | 江戸時代 | 1冊 | 公益財団法人 永青文庫 (熊本大学附属図書館寄託) |
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明治廿二年熊本県大震始末附録往復書纂 | 明治時代 | 1冊 | 熊本県立図書館 | |
明治22年日乗(平川日記) | 明治時代 | 1冊 | 熊本県立図書館 | |
日誌 明治二十有二季七月以降(江藤日記) | 明治時代 | 1冊 | 熊本県立図書館 | |
熊本明治震災日記 | 水島貫之編著 | 明治時代 | 1冊 | 熊本県立図書館 |
震災ニ関スル諸報告 第六師団軍医部(熊本)/明治22年 | 明治時代 | 1冊 | 宮内庁書陵部宮内公文書館 | |
レスキュー道具 | 現代 | 1組 | 九州救援対策本部 | |
富嶽之図 | 藤原勝遠筆 | 江戸時代 | 1巻 | 熊本・個人 |
文書箱と古文書 | 江戸時代 | 1箱 | 熊本・個人 | |
リキュールグラス | 江戸時代 | 4口 | 公益財団法人 永青文庫 (熊本県立美術館保管) |
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青貝微塵秋草蒔絵提重 | 江戸時代 | 1組 | 公益財団法人 永青文庫 (熊本県立美術館保管) |
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黒革紺糸威胴丸 | 江戸時代 | 1領 | 熊本・個人 | |
「宣紀一番」具足御預りの證書 | 明治時代 | 1点 | 公益財団法人 永青文庫 (熊本大学附属図書館寄託) |