平戸松浦家伝来の伊能図
チラシ
会期:
平成30年10月30日(火)〜12月23日(日・祝)
展示場所:
文化交流展示室 関連第11室
主催:
九州国立博物館・福岡県
特別協力:
公益財団法人 松浦史料博物館、公益財団法人 九州国立博物館振興財団
概要
今年は、日本全国を初めて測量し、極めて精度の高い全国地図、いわゆる「伊能図」を製作した伊能忠敬いのうただたか(1745〜1818)没後200年にあたります。このたび、忠敬の功績を記念して九州ゆかりの「伊能図」をご紹介致します。 第9代平戸藩主の松浦きよし静山せいざん)と忠敬、清の子のひろむ、忠敬の弟子たちとの交流があった松浦家には、長崎や平戸周辺を描いた「大図だいず」5点、瀬戸内海沿岸部から長崎、対馬、朝鮮を描いた「中図ちゅうず」3点、九州全体を描いた「小図しょうず」1点、計9点の「伊能図」が伝わっています。いずれも描画が丁寧で完成度が高く、明治時代に焼失した「伊能図」の正本しょうほん(「大日本沿海輿地全図だいにほんえんかいよちぜんず」)の面影を伝える貴重なものです。 本展を通じて、松浦家に伝来した正確で美しくもある「伊能図」をご覧いただくとともに、平戸藩主と忠敬たちとの交流の様相を感じ取っていただけましたら幸いに存じます。

展示構成と主な展示作品

第1章 日本のかたち

「伊能図」が製作される以前、日本列島のかたちはどのようなものであったかを振り返ります。中世以来、日本六十六箇国一つ一つを団子にしてつなげたような形の日本図「行基図(ぎょうきず)」が、伝統的に使用され続けてきましたが、安土桃山時代にヨーロッパの人々が日本に来航し始めると、地球儀や世界図、航海図が日本にもたらされ、徐々に地理認識が変化するきっかけとなりました。

第2章 忠敬の平戸測量

伊能忠敬ら測量隊は寛政12年(1800)の蝦夷地測量を皮切りに、日本全国へ測量の旅に出ました。主に九州北部を測量した第8次測量(文化8年(1811)〜同11年)時に、忠敬らは平戸を訪れました。平戸島北端の白岳での測量には、藩主の熈も立ち会い、どのように測量が行われるのか、興味津々であったことがうかがえます。その後、測量隊は平戸藩領の沿岸部や離島、そして壱岐の測量を終え、文化10年3月28日に対馬に渡り、平戸藩領での測量が完了しました。

第3章 松浦家伝来の伊能図

熈の父で、学芸大名として知られる清(静山)が著した『甲子夜話』には、測量終了後、測量地図を忠敬から貰い受ける約束を取り交わしていることが記されています。しかし、忠敬はその約束を果たすことなく、文政元年(1818)に亡くなってしまいます。ただ、忠敬の没後も、弟子たちは平戸藩に譲る地図の製作を続け、長崎周辺の「大図」と九州全体の「小図」を松浦家に献呈し、忠敬の弟子の保木敬蔵(ほぎけいぞう)が自宅で製作した瀬戸内海沿岸の「中図」も献呈しています。忠敬と静山との約束は弟子達に引き継がれたことで、完成度の高い「伊能図」が松浦家に伝来することになったのです。

「行基図」をあらわした伊万里焼

染付日本地図角皿

染付日本地図角皿

江戸時代・天保年間(1830〜44)
田中丸コレクション

工夫がたくさん詰まった方位磁針

彎窠羅針

彎窠羅針わんからしん

大野規行作
江戸時代 19世紀
松浦史料博物館

忠敬遺弟が献呈した「伊能図」の優品

九州一円之図

九州一円之図

下河辺政五郎等作
江戸時代 文政4年(1821)
松浦史料博物館
展示期間:前期(10月30日〜11月25日)

平戸島を正確に描いた「大図」

実測地図(小佐々・鹿町・田平・平戸)

実測地図(小佐々・鹿町・田平・平戸)

下河辺政五郎等作
江戸時代 文政4年(1821)
松浦史料博物館
展示期間:後期(11月27日〜12月23日)

関連イベント


ミュージアムトーク

日時:
・第1弾「平戸藩と伊能図」平成30年11月4日(日)14時00分〜15時00分
・第2弾「忠敬君のすごい地図」(伊能図の魅力)平成30年12月8日(土)18時00分〜19時00分
担当学芸員:
松浦晃佑(九州国立博物館企画課)
会場:
九州国立博物館4階 文化交流展示室 第11室
聴講料:
無料(ただし文化交流展の観覧料は必要です)

NPO法人「歩かんね太宰府」主催ウォーキング
「伊能忠敬 太宰府測量の足あと」

文化9年(1812)に伊能忠敬が太宰府を測量したときの足跡を辿ります。測量ミニ体験もあります。

日時:
第1回:平成30年11月3日(土・祝)13時00分〜16時30分
第2回:平成30年11月10日(土)9時30分〜13時00分
お問い合わせ・参加申し込み:
「歩かんね太宰府」
080-6446-3905
FAX 092-918-3644
受付 平日10時30分〜13時30分
休業日 土日・祝日、毎月最終水曜日
開催日3日前までにお電話・FAXで必ずご予約ください。

出品リスト

指定 作品名称 員数 作者・制作地等 時代 年代世紀 所蔵 展示期間
  日本図 1枚 ルイス・テイシェイラ作 ベルギー・アントウェルペン 1595年 九州国立博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  日本の位置に関する正しい海図 1枚 フランソワ・カロン作 ヨーロッパ 1663年 九州国立博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  日本誌 1冊(2冊のうち) エンゲルベルト・ケンペル著 フランス 1729年 九州国立博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  染付日本地図角皿 1枚 伊万里(有田) 江戸時代 天保年間(1830〜1844) 田中丸コレクション 10/30(火)〜12/23(日)
  増訂大日本国郡輿地路程全図 1舗 鈴木驥園増訂(原図:長久保赤水作) 江戸時代 嘉永5年(1852)刊 九州国立博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  伊能忠敬像(複製) 1幅 青木勝次郎筆 久保木清淵賛 (原本)江戸時代 (原本)19世紀 伊能忠敬記念館 10/30(火)〜12/23(日)
  慶長肥前国絵図控 1幅   江戸時代 17世紀 松浦史料博物館 10/30(火)〜11/25(日)
  松浦壱岐守領分絵図 1幅   江戸時代 元禄12年(1699) 松浦史料博物館 11/27(火)〜12/23(日)
国宝 忠敬先生日記 三十九 1冊(50冊のうち)   江戸時代 文化10年(1813) 伊能忠敬記念館 10/30(火)〜11/25(日)
国宝 測量日記 二十一 1冊(28冊のうち)   江戸時代 文化10年(1813) 伊能忠敬記念館 11/27(火)〜12/23(日)
呉市有形文化財 浦島測量之図 1巻   江戸時代 文化3年(1806) 個人蔵(宮尾昌弘氏所蔵)、呉市入船山記念館寄託 10/30(火)〜12/23(日)
  彎窠羅鍼 1式 大野規行作 江戸時代 19世紀 松浦史料博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  小象眼儀 1点 大野規行作 江戸時代 19世紀 松浦史料博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  三勇像 1幅 内藤業昌筆 佐藤一斎賛 江戸時代 天保10年(1839) 松浦史料博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  甲子夜話 巻二十八 1冊 松浦清(静山)著 江戸時代 文政4年(1821)〜天保12年(1841) 松浦史料博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  御絵図副書 1点   江戸時代 文政5年(1822) 松浦史料博物館 10/30(火)〜12/23(日)
  実測地図(小佐々・鹿町・田平・平戸) 1幅 下河辺政五郎等作 江戸時代 文政4年(1821) 松浦史料博物館 11/27(火)〜12/23(日)
  実測地図(佐世保・吉井・江迎・松浦) 1幅 下河辺政五郎等作 江戸時代 文政4年(1821) 松浦史料博物館 10/30(火)〜11/25(日)
  実測地図(長崎) 1幅 下河辺政五郎等作 江戸時代 文政4年(1821) 松浦史料博物館 11/27(火)〜12/23(日)
  実測地図(五島・小値賀) 1幅 下河辺政五郎等作 江戸時代 文政4年(1821) 松浦史料博物館 10/30(火)〜11/25(日)
  実測地図(壱岐) 1幅 下河辺政五郎等作 江戸時代 文政4年(1821) 松浦史料博物館 11/27(火)〜12/23(日)
  西国海路図一(摂津より備後) 1幅 保木敬蔵作 江戸時代 文政5年(1822) 松浦史料博物館 10/30(火)〜11/25(日)
  西国海路図二(安芸より筑前) 1幅 保木敬蔵作 江戸時代 文政5年(1822) 松浦史料博物館 11/27(火)〜12/23(日)
  西国海路図三(肥前より対馬、朝鮮) 1幅 保木敬蔵作 江戸時代 文政5年(1822) 松浦史料博物館 11/27(火)〜12/23(日)
  九州一円之図 1幅 下河辺政五郎等作 江戸時代 文政4年(1821) 松浦史料博物館 10/30(火)〜11/25(日)
  平戸領並近国見取絵図 1幅   江戸時代 文久3年(1863) 松浦史料博物館 10/30(火)〜11/25(日)
  平戸島瀬戸筋之図 1幅   江戸時代 文久3年(1863) 松浦史料博物館 11/27(火)〜12/23(日)