過去の展示情報

トピック展示 :

九州国立博物館開館5周年・滋賀県立琵琶湖文化館開館50周年記念
―最澄がつないだ近江と太宰府―
 湖の国の名宝展


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展示期間:

平成22年6月11日(金)〜9月5日(日)期間中展示替えあり

展示場所:

文化交流展示室 関連第9室・11室

概要:

 滋賀県は琵琶湖を中心に広がる豊かな地域で、古代から文化・経済の先進地域でした。琵琶湖のほとりに聳える比叡山からは、日本仏教の主要な宗派の開祖たちが巣立ち、我が国の仏教文化の中心でもありました。このため、滋賀県には仏教美術を中心に数多くの文化財が伝えられ、国指定文化財件数では全国4位(全国の6%)にのぼります。滋賀県立琵琶湖文化館は、県民から多くの寄附を得て昭和36年(1961)3月に広く滋賀県の文化を紹介する施設として開館し、以後、多くの人々に親しまれてきました。
 また、県内の国指定文化財の10%、県指定文化財の25%が寄託され、文化財保存にも大きな役割を果たしてきました。平成22年は、開館50周年という節目の時となります。これを記念して、遠く太宰府の地においても、湖の国の文化に間近に触れていただける絶好の機会となることを企図して展覧会を開催します。

展示作品の紹介
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*会期中、展示替えを行います。

六道絵

国宝 六道絵(ろくどうえ)のうち人道生老病死四苦相(じんどうしょうろうびょうししくそう)
鎌倉時代
聖衆来迎寺所蔵
【展示期間:6月11日〜7月25日】

国宝 六道絵(ろくどうえ)のうち人道生老病死四苦相(じんどうしょうろうびょうししくそう)
鎌倉時代
聖衆来迎寺所蔵
【展示期間:6月11日〜7月25日】

六道とは地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天の諸道を指します。ここでは人が生きていく上で受ける苦しみ「四苦八苦」のうち、生(出産)・老・病・死の4つが表現されています。

如意輪観音像

重要文化財 如意輪観音像(にょいりんかんのんぞう)
鎌倉時代
法蔵寺所蔵
【展示期間:7月27日〜9月5日】

重要文化財 如意輪観音像(にょいりんかんのんぞう)
鎌倉時代
法蔵寺所蔵
【展示期間:7月27日〜9月5日】

苦悩する衆生を救い財宝をもたらす如意輪観音は、多様に姿を変化させる観音のなかでもあつく信仰されました。丸顔の穏やかな容貌や着衣の伸びやかな輪郭線など、優美で大らかな表現が魅力的な鎌倉時代初期の優品です。

淳祐内供筆聖教

国宝 淳祐内供筆聖教(薫聖教) (しゅんにゅうないくひつしょうぎょう)(においのしょうぎょう)
平安時代 10世紀
石山寺所蔵
【展示期間:6月11日〜7月25日】

国宝 淳祐内供筆聖教(薫聖教) (しゅんにゅうないくひつしょうぎょう)(においのしょうぎょう)
平安時代 10世紀
石山寺所蔵
【展示期間:6月11日〜7月25日】

石山寺第三代座主(ざす)で当時、第一級の学僧であった淳祐(890−953)は、菅原道真の孫にあたります。内供とは、宮中で天皇の看病や仏事にあたった高僧です。
この聖教は、石山寺座主以外は容易に見ることが許されなかった秘奥の書なのです。

華籠

国宝 華籠(けこ) 平安〜鎌倉時代
神照寺所蔵

国宝 華籠(けこ) 平安〜鎌倉時代
神照寺所蔵

華籠は、寺院で行う法会において、仏前で散華供養(さんげくよう)するために花を盛る籠のことです。銅の円盤に宝相華唐草文(ほうそうげからくさもん)を透かし彫りしてから、金銀鍍金してあります。我が国を代表する精緻で華麗な金工の優品です。

地蔵菩薩立像

重要文化財 地蔵菩薩立像(じぞうぼさつりゅうぞう)
平安時代 10世紀
東南寺所蔵

重要文化財 地蔵菩薩立像(じぞうぼさつりゅうぞう)
平安時代 10世紀
東南寺所蔵

像高は70センチに満ちませんが、量感あふれる姿から実寸よりもはるかに大きい印象を受けます。穏やかな表情のとても美しいお像です。

展示品目録:

PDF[102KB]

主な展示作品
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担当研究員のコメント

比叡山のお膝元で培われた仏教美術の精華を中心とする、ほとんどが国と県の指定文化財という優品揃いの展覧会です。

藤田励夫(博物館科学課)


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トピック展示『湖の国の名宝』関連イベント

トピック展示「湖の国の名宝展」
ミュージアムトーク&ギャラリートーク

 九州国立博物館(九博)では、6月11日から文化交流展示室にて開催中の九州国立博物館開館5周年・滋賀県立琵琶湖文化館開館50周年記念 ―最澄がつないだ近江と太宰府― 「湖の国の名宝展」に関連して、ミュージアムトーク及びギャラリートークを実施します。

日時・場所:

平成22年8月21日(土)
【第1部】10:30〜12:00 1階「ミュージアムホール」
【第2部】13:30〜14:00 4階「文化交流展示室」湖の国の名宝展会場

【第1部】

「館長と滋賀県知事によるミュージアムトーク」(10:30〜12:00)

九州国立博物館館長三輪嘉六と嘉田由紀子滋賀県知事とが「地域の文化を守る・活かす・つなぐ」をテーマに対談を行います。
(コーディネーター:九州国立博物館藤田保存修復室長)

滋賀のおすすめ地場産品抽選会(11:35〜12:00)

ミュージアムトーク参加者の中から、抽選で「滋賀のおすすめ地場産品」を贈呈します。

【地場産品抽選会の方法】
受付で引替え券を配布し、嘉田由紀子知事が抽選箱から番号を引き、当選者にその場で地場産品を進呈します。

【地場産品の内容】(予定)
1.近江米(秋の詩5kg)とエコバッグ 2名様
2.近江の茶セット 1名様
3.湖魚佃煮セット 2〜3名様
4.信楽焼 文字の浮き出るビアカップ 10名様
5.近江の麻ハンカチ 10名様

近江米「秋の詩」

近江米「秋の詩」

湖魚佃煮

湖魚佃煮

【第2部】

「ギャラリートーク 嘉田知事の一日学芸員」(13:30〜14:00)

嘉田由紀子滋賀県知事が展示会場で「湖の国の名宝展」ギャラリートークを行います。

プロフィール写真

嘉田由紀子(かだ ゆきこ)

1981年滋賀県庁に入庁し、琵琶湖研究所研究員、琵琶湖博物館総括学芸員を経て、2000年京都精華大学人文学部教授および琵琶湖博物館研究顧問となる。過去30年以上にわたり県内各地を歩き、人びとの暮らしと琵琶湖とのつながりを学ぶ。2006年7月滋賀県知事就任。2010年7月再選。琵琶湖の保全・再生、次世代育成型社会の実現や地域の魅力の再発見などに取り組む。
環境社会学会会長、水と文化研究会代表、子どもと川とまちのフォーラム代表などを務めた。「水をめぐる人と自然」「水辺くらしの環境学」など著書多数。

*終了したイベント

講演会1

日時:

平成22年7月4日(日)
13:30〜16:15 

場所:

九州国立博物館 1階ミュージアムホール

料金:

無料(当日参加受付)

内容:

テーマ:【最澄がつないだ近江と太宰府】

比叡山で長年にわたって宝物の保存に力を尽くされている誉田玄光氏と、近江と九州を代表する仏教美術の研究者による、近江と太宰府を深く知ることのできる絶好の機会です。

講師:
「最澄と比叡山」(13:35〜14:25)
誉田玄光比叡山延暦寺副執行(管理部長)

「太宰府と近江の仏教美術―彫刻を中心にー(14:35〜15:25)
八尋和泉元別府大学文学部教授

「比叡山をめぐる仏教美術-近江路の彫像を中心に-(15:25〜16:15)
宮本忠雄元滋賀県立琵琶湖文化館長

講演会2

日時:

平成22年7月10日(土)
13:30〜16:25 

場所:

九州国立博物館 1階ミュージアムホール

料金:

無料(当日参加受付)

内容:

テーマ:【近江の仏教美術】

近江で長く文化財保護に関わってきた研究者による、近江の仏教美術全般にわたる講演会です。

講師:

土井通弘(就実大学教授)

上野良信(滋賀県立琵琶湖文化館)

井上ひろ美(滋賀県立琵琶湖文化館)

藤田励夫(九州国立博物館)

写真展 「水と仏の近江」

近江の自然とほとけの世界を撮り続けてきた寿福滋氏の作品を展示します。

催し物イメージ

日時:

平成22年6月20日(日)〜7月3日(土)

場所:

九州国立博物館 1階ミュージアムホール

料金:

無料

滋賀県観光パネル展
「浅井三姉妹『江』のふるさと」

2011年大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」関連のパネル展。

催し物イメージ
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日時:

平成22年6月20(日)〜7月4日(日)

場所:

九州国立博物館 1階エントランスホール

料金:

無料