会期:

令和3年1月1日(金・祝)~1月24日(日)

展示場所:

文化交流展示室 第11室

概要:

 徳川美術館に所蔵される国宝「初音の調度」は、徳川三代将軍家光の長女である千代姫が、寛永一六年(一六三九)、尾張徳川家二代光友に嫁ぐ折に制作された婚礼調度です。
 「初音」という名称は、この調度を飾る文様が、『源氏物語』「初音」帖に題材を得ていることに由来します。金銀を贅沢に使い、高度な蒔絵技術を尽くして制作された豪華な調度は、わが国の漆芸史上、白眉として名高いものです。
 今回は、この国宝「初音の調度」のうち、貝桶かいおけ昆布箱こんぶばこ楊枝箱ようじばこの三件を展示し、婚礼行列を描いた絵巻や大揃いの婚礼調度も合わせてご紹介いたします。
 新春を飾るにふさわしい華麗なる婚礼調度。皆様どうぞゆっくりとお楽しみください。



主な展示作品
初音蒔絵貝桶

徳川美術館所蔵ⓒ徳川美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

国宝 初音蒔絵貝桶はつねまきえかいおけ
江戸時代・寛永16年(1639)
徳川美術館

婦女の貞節ていせつの象徴である合貝あわせがいを収める一対の桶。婚礼調度の中では最も重要な意味を持ち、婚礼行列の先頭を飾る。

初音蒔絵昆布箱

徳川美術館所蔵ⓒ徳川美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

国宝 初音蒔絵昆布箱はつねまきえこんぶばこ
江戸時代・寛永16年(1639)
徳川美術館

婚礼の祝物いわいものの昆布熨斗のしを収める。お歯黒のあとに、渋い後口あとくちを良くするために昆布を口にすることもあった。

初音蒔絵楊枝箱

徳川美術館所蔵ⓒ徳川美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

国宝 初音蒔絵楊枝箱はつねまきえようじばこ
江戸時代・寛永16年(1639)
徳川美術館

楊柳ようりゅうの枝の先端を細かく割り裂いて、総状ふさじょうにした楊枝ようじを収める。楊枝は歯を清潔にする用具で、現代の歯ブラシに相当する。

関連イベント

ミュージアムトーク「国宝 初音の調度について」【先着17名】

日時:

令和3年1月13日(水) 15時00分~15時30分

会場:

九州国立博物館4階スーパーハイビジョンシアター

講師:

川畑憲子(当館企画課特別展室長)

聴講料:

無料(ただし文化交流展の観覧料は必要です)