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図録の紹介
興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展
税込価格:2500円
発行日:2009年3月31日
編集:東京国立博物館・九州国立博物館・法相宗大本山興福寺・朝日新聞社
発行:朝日新聞社
総頁数:304頁(カラー図版:256ページ)
サイズ:A4変形版
九州国立博物館で好評開催中の「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」。この展覧会の図録では、ほとんど全ての展示品について、新規に写真撮影が行われました。阿修羅像に代表される天平時代の乾漆群像をはじめ、さまざまな角度から捉えられた尊像のカラー・イメージは見応えがあり、永久保存版ともいえる画期的な図録となっています。
なお展示会場スペース等の都合上、九州国立博物館には出陳されていない作品も掲載されていますことをご了承ください。
*購入方法*
(完売)
*9月19日(土)から9月27日(日)の閉幕まで、開館時間を1時間延長し、閉館時間が午後6時になります。
「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」の見どころ
九州初
日本でもっとも有名な仏像の一つである阿修羅像。奈良を離れるのは今回が2度目、もちろん、九州で展観されるのは初めてのことです。「小顔でスリム」なプロポーションを誇る古典美の名作・阿修羅像は現代流行の美少年のイメージとも重なり、仏像ファンだけではなく幅広い層を魅了することでしょう。
空前絶後
興福寺には、阿修羅像とともに一具像として造られた脱活乾漆造り(だっかつかんしつつくり)の八部衆像と十大弟子像が合計14体大切に守り伝えられてきました。このうち9体が一堂にそろいます。興福寺境内の外でこれだけそろって展示されるのは、今世紀最後の機会となるでしょう。
ガラスケースなし
阿修羅像を含む八部衆像と十大弟子像は、興福寺では通常、壁面のガラスケースの中で展示されており、とくに背面などは見ることが出来ません。本展覧会では、すべての彫像をガラスケースなしの露出展示を行ない、360度から全容をご覧いただけます(小像はのぞきます)。
バーチャルリアリティ(VR)映像展示
最新の高精細デジタル映像技術を駆使し、阿修羅像の魅力の新たな一面に迫ります。新しく建立される中金堂の外観をいち早くご紹介します。
会期
平成21年7月14日(火)〜9月27日(日)
休館日
月曜休館
*(ただし、7月20日・9月21日は開館)
会場
九州国立博物館 3階 特別展示室
(〒818ー0118 福岡県太宰府市石坂4ー7ー2)
開館時間
午前9時30分〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
*9月19日(土)から9月27日(日)の閉幕まで、開館時間を1時間延長し、閉館時間が午後6時になります。
観覧料
一 般 1,300円(1,100円)
大学生 1,000円(800円)
高校生 800円(600円)
小中生 600円(400円)
*上記金額で当館「文化交流展示」もご覧いただけます。
*( )内は前売り、20名以上の団体料金です。
団体の前売りはございません。
*障がい者等とその介護者1名は無料です。
入館の際に障害者手帳等をご提示ください。
*満65歳以上の方は( )内料金でご入場いただけます。
入館の際に年齢の分かるもの(健康保険証、運転免許証など)をご提示ください。
*キャンパスメンバーズの方は団体料金でご入場いただけます。
会員証、学生証等をご提示ください。
入場待ち時間をケータイサイトで案内します。[別サイトリンク]
左のQRコードを読み込むか、
URL(http://m.asahi.com/go/ashura)を入力してご覧ください。
(*パソコンからは確認できません。)
主催
九州国立博物館、福岡県、法相宗大本山興福寺、朝日新聞社、九州朝日放送
後援
文化庁、平城遷都1300年記念事業協会、(財)九州国立博物館振興財団
協賛
竹中工務店、三菱商事、TOPPAN、九州旅客鉄道株式会社
お問い合わせ
050-5542-8600(NTTハローダイヤル午前8時〜午後10時)
ごあいさつ
平成21年3月からの東京国立博物館に引き続き、7月14日(火)から9月27日(日)にかけて、九州国立博物館におきましても「興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展」を開催いたします。
本展覧会は、興福寺の中金堂再建事業にあわせて計画されました。天平伽藍の復興を目指す興福寺の貴重な文化財の中から、阿修羅像をはじめとする八部衆像、十大弟子像、中金堂基壇から発見された数々の鎮壇具、再建される中金堂に安置される仏像など、約60件を一挙に展覧いたします。
わが国でもっとも親しまれている仏像の一つである阿修羅像が東京に出陳されるのはほぼ半世紀ぶり、九州では初めてです。天平6年(734)、光明皇后の母の菩提を弔うために造像された阿修羅像は、戦乱や大火など幾つもの災難を乗り越え、大切に守り伝えられてきました。像に込められた古代の人々の心は、現代の私たちの胸の中にも入ってくるように感じられます。
このまたとない機会に、より多くの方に立ち会っていただけますよう、みなさまのご協力を賜りたくお願い申し上げます。
平成21年4月
主催者
興福寺創建1300年に向けて
平成22年、興福寺は創建1300年を迎えます。この大きな節目をいっそう意義深いものにするため、私たちはその前後の10年、つまり、20年間を創建1300年記念事業期間と定め、さまざまな事業を企画・展開しています。
その主たる事業は、世界遺産にも登録されている境内の史跡整備(天平の文化空間の再構成」)で、その眼目は、18世紀に焼失した中金堂の再建です。現在、平成22年10月16日の立柱を鋭意目指しています。
また、この機会に、興福寺の重厚な歴史・文化を多くの皆さまに再認識していただくため、「興福寺国宝展」の全国各地での開催(2004〜05年)、また、寺内の宗教空間の特別公開を毎年継続して行っております。
今回の「国宝 阿修羅展」もその一環で、天平文化の結晶といわれ門外不出の特別寺宝・阿修羅像を、東京および九州にて展観し、その真善美を通して、私どもが現在進めております「天平の文化空間の再構成」への理解・関心を深めていただければ幸いであります。
平成21年4月
法相宗大本山興福寺貫首
多川 俊映
展覧会構成
*画像はクリックすると拡大します。
第1章「興福寺創建と中金堂鎮壇具」
明治7年(1874)、中金堂基壇中から、創建時に地鎮のために埋納されたと考えられる金・銀・真珠・水晶・琥珀・瑠璃(るり)・瑪瑙(めのう)などで作られた各種製品と銅鏡、刀剣など、1400点あまりの鎮壇具が出土しました。さらに、明治17年(1884)にも同じ場所から銀鋺、水晶玉など21点が出土しました。これほど大量の鎮壇具が出土するのは稀であり、いずれも優れた工芸品であることから国宝に指定されて、現在、前者は東京国立博物館に、後者は興福寺に収蔵されています。また、最近の中金堂の発掘調査でも、創建時の鎮壇具と考えられる遺物が出土しています。今回は、東京国立博物館所蔵品、興福寺所蔵品、最近の発掘調査での出土品を一堂に集め、中金堂創建にかかわる鎮壇具の全容が初めて明らかになります。
主な作品
国宝 中金堂鎮壇具(ちゅうこんどうちんだんぐ)
奈良時代-唐時代 8世紀 東京国立博物館蔵
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国宝 中金堂鎮壇具(ちゅうこんどうちんだんぐ)
奈良時代-唐時代 8世紀 東京国立博物館蔵
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第2章 国宝 阿修羅とその世界
光明皇后は、母の橘三千代(たちばなみちよ)が天平5年(733)に亡くなると、一周忌の供養のため興福寺に西金堂(さいこんどう)を建立し、釈迦如来、釈迦の十大弟子、四天王、八部衆像などの28体の像、また菩提樹や金鼓(こんく)などの荘厳具を安置しました。釈迦の浄土を立体的に表したものです。この章では、そのうち現在まで伝わる、十大弟子と八部衆、金鼓(こんく)(華原磬(かげんけい))を展示します。八部衆の少年のような清々しさ、十大弟子の醸す静寂さは、天平彫刻の特徴である写実表現の中でも最も優れた作品群です。
主な作品
国宝 華原磬(かげんけい)
銅鋳造鍍金(どうちゅうぞうときん)、奈良時代 8世紀 奈良・興福寺蔵
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国宝 華原磬(かげんけい)
銅鋳造鍍金(どうちゅうぞうときん)、奈良時代 8世紀 奈良・興福寺蔵
磬とは、字が示すように本来は石製で、古代中国の楽器だったものです。ある時期に仏教の儀式の中で打ちならす道具として定着し、材質も金属製が主流となりました。華原というのは、中国の華原地方(現在の陝西省(せんせいしょう)の一地域)のことで、名石を算出するところとして有名でした。この名称にも磬が、もとは石で造られていた名残があります。すでに華原磬は、天平6年(734)創建の興福寺西金堂(さいこんどう)に安置されていたことがわかっており、当時は「金鼓(こんく)」と呼ばれていました。「華原磬」の名で呼ばれるようになったのは、室町時代以来のことと考えられています。
全体は銅で造られ、所々に鍍金(金メッキ)の跡が残っています。従来から、一部が奈良時代の作ではなく、後の鎌倉時代に補われたものではないかという説があり、また日本製か中国製かという議論もあって、決着をみていませんが、いずれにせよ堂々とした獅子の体、からみあう龍の細かな表現、4匹の龍が鼓を支える造りなど、技術の高さ、迫力のある表現、優れた意匠は群を抜いています。
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国宝 阿修羅立像(あしゅらりゅうぞう)(八部衆のうち) 1軀
脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
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国宝 阿修羅立像(あしゅらりゅうぞう)(八部衆のうち) 1軀
脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
阿修羅像はもと興福寺西金堂(さいこんどう)に釈迦三尊、梵天・帝釈天、四天王、十大弟子像などとともに安置されていた八部衆のうちの1体です。この堂は光明皇后が前年の1月に亡くなった母橘三千代の一周忌に間に合うように創建したものです。
3つの顔と6本の腕をもつ少年のような可憐な像ですが、胴体も腕もとても細く、憂いのある敬虔な表情が脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)の技法でとてもリアルに表現されています。阿修羅はインド神話では軍の神で、激しい怒りを表すのが一般的ですが、興福寺の阿修羅像に激しさはどこにも見られません。
阿修羅像は、当時、唐からもたらされた『金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)』をもとに作られたと考えられますが、そこには、これまでの罪を懺悔して、釈迦に帰依することが説かれています。阿修羅の表情は静かに自分の心を見つめ懺悔する姿を表したものと考えられます。
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国宝 迦楼羅(かるら)立像
脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
迦楼羅立像
国宝 沙羯羅(さから)立像
脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
沙羯羅立像
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国宝 八部衆像(はちぶしゅうぞう) 8軀のうち
脱活乾漆造(だっかつかんしつづくり)、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
八部衆は仏の眷属(けんぞく)として取り入れられたインドの神々で、6本の腕や鳥の顔といった異形の姿で表されます。これらの像は、異形の中に少年の姿をかさね、清純な表現をつくりだしています。憂いや、瞑想、凝視など目の表現がすばらしい像です。九州会場では、8軀のうち沙羯羅 (さから)、迦楼羅(かるら)、阿修羅(あしゅら)、乾闥婆(けんだつば)、緊那羅(きんなら)の5軀が展示されます。
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国宝 富楼那(ふるな)立像
脱活乾漆造、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
富楼那立像
国宝 須菩提(すぼだい)立像
脱活乾漆造、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
須菩提立像
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国宝 十大弟子像 6軀のうち
脱活乾漆造、彩色 奈良時代 天平6年(734) 奈良・興福寺蔵
釈迦の十人の主だった弟子の像。若年、壮年、老年の相を、顔の皺、眼や口の形状などによって表現しています。そこには自信や強い意志、落ち着きや、悟りといったそれぞれの経歴に由来する内面性がみごとに表されています。九州会場では、6軀のうち富楼那(ふるな)、舎利弗(しゃりほつ)、目犍連(もくけんれん)、須菩提(すぼだい)の4軀が展示されます。
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第3章 中金堂再建と仏像
享保2年(1717)の火災後、文政2年(1819)には仮金堂(かりこんどう)が建てられました。この堂は近年解体されましたが、昭和49年(1974)に講堂跡に再び建立された仮金堂には、本尊の釈迦如来坐像、薬王(やくおう)・薬上菩薩(やくじょうぼさつ)立像、四天王像が安置されています。
現在、興福寺では平成22年に中金堂再建の立柱を予定しており、完成後に、いまの仮金堂安置の諸仏が移されることになっています。このうち展示される四天王像は興福寺の鎌倉復興期の造立されたもので、仏師(仏像作家)は康慶(こうけい)(仏師運慶(うんけい)の父)とその一門と考えられています。このほか注目の出品作品として、焼失した西金堂(さいこんどう)の旧本尊釈迦如来像の頭部と、その光背に付けられた化仏(けぶつ)、飛天等があります。これらは最近見出された信頼のおける史料から、仏師運慶の作と考えられるものです。
主な作品
重要文化財 釈迦如来像頭部(しゃかにょらいぞうとうぶ) 運慶(うんけい)作
木造、漆箔(しっぱく) 鎌倉時代 文治2年(1186) 奈良・興福寺蔵
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重要文化財 釈迦如来像頭部(しゃかにょらいぞうとうぶ) 運慶(うんけい)作
木造、漆箔(しっぱく) 鎌倉時代 文治2年(1186) 奈良・興福寺蔵
西金堂の本尊だった釈迦如来像の頭部。最近紹介された『類聚世要抄(るいじゅうせようしょう)』という鎌倉時代に編纂された興福寺に関する史料の、文治2年(1186)西金堂(さいこんどう)本尊に関する記事に大仏師として運慶(うんけい)の名が登場します。運慶研究に新たな展開を迫る注目作です。
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重要文化財 持国天立像(じこくてんりゅうぞう)(四天王のうち) 康慶(こうけい)作
木造、彩色、截金(きりがね) 鎌倉時代 文治5年(1189)奈良・興福寺蔵
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重要文化財 持国天立像(じこくてんりゅうぞう)(四天王のうち) 康慶(こうけい)作
木造、彩色、截金(きりがね) 鎌倉時代 文治5年(1189)奈良・興福寺蔵
四天王像は腕の構えや、持ち物の違い、兜を被る者、髻を結う者など、さまざまな形に造られていますが、この四天王像は中世の絵画資料との比較から、本来南円堂に安置されていたことが判明しました。南円堂諸像は康慶工房が、文治4年(1188)から翌5年にかけて造営したことが知られています。
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第4章 バーチャルリアリティ映像 「よみがえる興福寺中金堂」「阿修羅像」
凸版印刷株式会社と朝日新聞社は、本展覧会の開催にあわせてバーチャルリアリティ作品を共同制作しました。
VR作品「よみがえる興福寺中金堂」では、実際の再建事業に先駆けて中金堂をいち早くVR映像で再現しています。今回の事業では再建されない創建当時の回廊や中門も再現しています。現存しないものを再現し、可視化することが出来るVRの特長を活かして、臨場感あふれる天平の文化空間をよみがえらせます。
VR作品「阿修羅像」では、国宝・阿修羅像の姿を、三次元計測・色彩計測技術によって取得したデジタルアーカイブ情報と超高精細な撮影により、その美しい姿を余すところなく再現しています。これにより、迫力ある大画面で、あらゆる方向から至近距離で阿修羅像を鑑賞することができます。
総監修:法相宗大本山興福寺
監修:金子啓明、鈴木嘉吉
製作・著作:朝日新聞社、凸版印刷株式会社
VRにより再現された中金堂(「よみがえる興福寺中金堂」より) *右下にさらに拡大するボタンがあります
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VRにより再現された阿修羅像(「阿修羅像」より)
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