過去の展示情報

トピック展示 :

九州大学百年の宝物


(*画像はクリックで拡大)

展示期間:

平成23年11月15日(火)〜12月18日(日)

展示場所:

文化交流展示室 関連第11室
1階ミュージアムホール・エントランス

概要:

九州大学は1911年に創立され、今年で百周年を迎えました。この百年の間に九州大学では740万余点に及ぶ学術的資料を収集してきました。これは全国の大学のなかでも最大規模のコレクションといえます。中には、今では絶滅してしまった生物の標本や失われてしまった遺跡の出土品など、二度と収集できない貴重なものが含まれています。
今回は、この膨大なコレクションの中から、博多にゆかりの深い仙厓和尚の書画、江戸時代の鉱山職人の秘伝の書、絶滅危惧種ヒクイドリやライオンの骨格標本、巨大なアンモナイトの化石など、選りすぐりの逸品を一堂に集め、皆様に御紹介いたします。 「百年の宝物」の魅力を十分御堪能ください。


(*画像はクリックで拡大)

主な展示作品:

名称 作者 員数 時代 年代世紀 所属
アジア新図 オルテリウス作 1 アムステルダム 16世紀 九州大学
福岡城下絵図 不明 1 江戸時代 17世紀 九州大学
NIPPON シーボルト作 江戸時代 19世紀 九州大学
日本山海名物図会 平瀬徹斉作 1 江戸時代 19世紀 九州大学
からくり訓蒙鑑草 多賀谷環中仙 1 江戸時代 18世紀 九州大学
金銀銅鈆山見分秘伝書 不明 2 江戸時代 九州大学
仙厓和尚絵図(いぬの年祝ふた) 仙厓義梵 1 江戸時代 19世紀 九州大学
仙厓和尚絵図(猫の恋図) 仙厓義梵 1 江戸時代 19世紀 九州大学
仙厓和尚絵図(群蛙図) 仙厓義梵 1 江戸時代 19世紀 九州大学
展示作品の紹介
*画像はクリックすると拡大します
アンモナイト

アンモナイト
中生代白亜紀チューロニアン(約9,200万年前)
最大径65㎝

アンモナイト
中生代白亜紀チューロニアン(約9,200万年前)
最大径65㎝

アンモナイトは、軟体動物頭足類(タコやイカの仲間)に属し、「生きた化石」といわれるオウムガイに近縁である。

アジア新図

アジア新図
A.オルテリウス作
1567頃 アムステルダム

アジア新図
A.オルテリウス作
1567頃 アムステルダム

オランダの地図製作者オルテリウス(1527〜98)によるもので、右上方に日本が描かれている。Osaquo・Meaco・Bungoなどがある本州、Tonsaがある四国、Cagoxumaがある九州などの島が、北東から南西に並んでいる。

「オタクサ(楠本お滝)」『NIPPON』(部分)

「オタクサ(楠本お滝)」『NIPPON』(部分)
フランツ・フォン・シーベルト著
江戸時代

「オタクサ(楠本お滝)」『NIPPON』(部分)
フランツ・フォン・シーベルト著
江戸時代

シーボルトは最初の来日時、楠本滝と結ばれ、いねという娘を授かった。日本で発見したアジサイの1種にHydrangea otaksaと命名したのは滝の名にちなむ。

「最上徳内」『NIPPON』(部分)

「最上徳内」『NIPPON』(部分)
フランツ・フォン・シーベルト著
江戸時代

「最上徳内」『NIPPON』(部分)
フランツ・フォン・シーベルト著
江戸時代

最上徳内(1755〜1836)は北方探検家。農家の生まれだが学問を志し、幕府巡検隊の一員として蝦夷地に赴き、生涯で9回蝦夷地を訪れた。シーボルトの信頼厚く、「18世紀における最も卓越した日本の探検家」と賞賛された。

金銀銅鈆山見分秘伝

金銀銅鈆山見分秘伝書
乾・坤
江戸時代

金銀銅鈆山見分秘伝書
乾・坤
江戸時代

山師が山相を見たてる時の方法とそれぞれの山相の特徴について、図と本文で詳細に解説している。山師の間に広く流布した内容のもので、山師はこのような秘伝書等に基づいて山相を見定めていたと思われる。

猫の恋図

猫の恋図
仙厓義梵作
江戸時代

猫の恋図
仙厓義梵作
江戸時代

絹本墨画。仙厓(1750〜1837)は、恋する猫の鳴き声に「南無妙法蓮華経」と唱え仏に祈るさまを見たらしい。題目が猫の台詞に見えるように、字句の配置が工夫されている。

担当研究員のコメント

これまで九州大学の関係者以外、ほとんど見ることの出来なかった貴重なコレクション群が九州国立博物館に初登場です。 じっくりと「宝物」をご覧になり、その背景にある学問の奥深い世界を覗いてみて下さい。

進村真之(展示課主任研究員)

 初日、11月15日(火)は ミュージアムトーク を開催します!

4階トピック展示会場内において、担当学芸員による展示解説を開催します。ご希望の方は当日、時間までにお集まりください。

○ 時間  :15:00〜(30分程度)

○ 聴講料:無料(ただし文化交流展の観覧料は必要)


(*画像はクリックで拡大)