展示情報

トピック展示 :
視覚革命!異国と出会った江戸絵画 - 神戸市立博物館名品展 -
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展示期間:
平成25年7月17日(水)〜9月23日(月・祝)
*期間中展示替えがございますのでご了承ください。
【前期】7月17日(水)〜8月18日(日)
【後期】8月20日(火)〜9月23日(月・祝)

展示場所:
文化交流展示室 関連第11室

主催:
九州国立博物館、神戸市立博物館

概要:
江戸時代と聞いて、皆さんは何を連想しますか。ペリー?ちょんまげ?徳川幕府?
もしかすると「鎖国」という言葉を思い浮かべた方も少なからずいることでしょう。
ところが、この時代には、実は中国やオランダの船が、最先端の知識や珍しい舶来品をのせて毎年のように長崎に来ていたのです。
異国の目新しいものは、またたく間に将軍も大名も庶民も魅了し、それまでの伝統的な絵画とは異なる斬新で個性豊かな美術が生み出されました。
本展覧会では、世界有数の南蛮・紅毛美術コレクションを誇る神戸市立博物館の所蔵品から、外国の文化を積極的に取り入れた近世美術の名品全五十四件を厳選してご紹介します。

展示目録:

展示作品の紹介 *作品はすべて神戸市立博物館の所蔵品です。
*画像はクリックすると拡大します
のぞいてみよう!レンズの向こうの驚きの世界
「婦人相学拾躰かはゆらしき相」

「婦人相学拾躰かはゆらしき相」喜多川歌麿 筆
(ふじんそうがくじっていかはゆらしきそう)(きたがわうたまろ ひつ)
江戸時代 1792-1793年(寛政4〜5)
展示期間:【後期】8月20日(火)〜9月23日(月・祝)

「婦人相学拾躰かはゆらしき相」喜多川歌麿 筆
(ふじんそうがくじっていかはゆらしきそう)(きたがわうたまろ ひつ)
江戸時代 1792-1793年(寛政4〜5)
展示期間:【後期】8月20日(火)〜9月23日(月・祝)

櫛(くし)やかんざしで髪を飾った少女。左上には、「見かけよりも実は幼いのだが、すでに色気があって、とても可愛い女性」という意味の説明書きがある。彼女がのぞき込んでいるのは、小型の「のぞきからくり」である。箱のなかには、小さな木版画の「浮絵」が仕込まれているのであろう。女性の上半身をクローズアップした、喜多川歌麿による大首絵(おおくびえ)。

謎の画家が咲かせた、大輪の花
「風牡丹図」鄭培 筆

「風牡丹図」鄭培 筆
(かぜぼたんず)(ていばい ひつ)
中国・清時代 18世紀
展示期間:【後期】8月20日(火)〜9月23日(月・祝)

「風牡丹図」鄭培 筆
(かぜぼたんず)(ていばい ひつ)
中国・清時代 18世紀
展示期間:【後期】8月20日(火)〜9月23日(月・祝)

風に揺れる大輪の牡丹。幾重にも重なる花びらの柔らかな質感がとりわけ見事で、輪郭(りんかく)線は用いず、微妙な濃淡がつけられている。葉の乱れるさまも巧みにとらえられている。
「富貴花(ふうきか)」の異名をもつ牡丹は、富貴を象徴する花として人気が高く、特に本作品は多くの画家によって写されるほど極めて価値の高い名品である。

奇才・源内が描いた唯一の油彩画
「西洋婦人図」平賀源内 筆

「西洋婦人図」平賀源内 筆
(せいようふじんず)(ひらがげんない ひつ)
江戸時代 18世紀後期
展示期間:【前期】7月17日(水)〜8月18日(日)

「西洋婦人図」平賀源内 筆
(せいようふじんず)(ひらがげんない ひつ)
江戸時代 18世紀後期
展示期間:【前期】7月17日(水)〜8月18日(日)

火浣布(かかんぷ)(石綿)、エレキテル、金唐革紙(きんからかわかみ)などをつくる一方、浄瑠璃・戯作を著すなど、実に博識多才な平賀源内。彼はまた、西洋製の銅版画の優れた写実性にいち早く着目した。本作品は、源内唯一の油彩画として知られており、襟(えり)や頭飾りの葉に、当時極めて希少だった輸入顔料が使われている。

どこまでも広がる海と空。江戸っ子を魅了した洋風絵馬の貴重な現存例。
「重要文化財 相州鎌倉七里浜図屏風」(部分)

重要文化財 相州鎌倉七里浜図屏風」(部分)司馬江漢 筆
(そうしゅうかまくらしちりがはまずびょうぶ)(しばこうかん ひつ)
江戸時代 1796年(寛政8)
展示期間:【後期】8月20日(火)〜9月23日(月・祝)

重要文化財 相州鎌倉七里浜図屏風」(部分)司馬江漢 筆
(そうしゅうかまくらしちりがはまずびょうぶ)(しばこうかん ひつ)
江戸時代 1796年(寛政8)
展示期間:【後期】8月20日(火)〜9月23日(月・祝)

本図は、もともと江戸の愛宕(あたご)神社(現在東京都港区)に掲げられていた大画面の絵馬である。鎌倉七里浜から江ノ島越しに富士山を遠望する風景は、江漢が得意とする画題のひとつだった。富士山まで視線を誘う広大な空間など、当時としては斬新な表現が盛り込まれている。画面両端には「西洋画士 東都 江漢司馬峻 描寫 S:a.Kookan/Ao:18.」「寛政丙辰夏六月二十四日」と記されている。

担当者からのひとこと

江戸時代の日本には、中国やヨーロッパから様々な絵画や書籍、あるいは生きた画家まで渡ってきました。もしこの展開がなかったら、江戸美術は今私たちが知るものよりも、ずっと貧しいものになっていたでしょう。本展覧会では、異国との交流を通して華咲いた、近世絵画の多彩で斬新な魅力をご紹介します。

鷲頭 桂(企画課研究員)


関連催事

記念講演会

「奥行きの発見 18〜19世紀の日本の洋風表現」

岡泰正氏(神戸市立博物館 展示企画部長・学芸員)

日時:
平成25年8月4日(日)
13:30〜15:00(開場13:00)

場所:
九州国立博物館 1階 研修室

聴講料:
無料、事前申込不要

ミュージアムトーク・特別編!

「舶載蘭書と洋風画」

勝盛典子氏(神戸市立博物館 学芸員)

日時:
平成25年8月20日(火)
15:00〜16:00(開場14:30)

場所:
九州国立博物館1階研修室および文化交流展示室関連第11室
(1階研修室にお集まり下さい。)

聴講料:
無料、事前申込不要(ただし、文化交流展の観覧券を事前にお買い求めください)

九博研究員によるミュージアムトーク

日時:
平成25年
7月30日(火)15:00〜15:30
8月6日(火)15:00〜15:30

場所:
文化交流展示室関連第11室

聴講料:
無料 (ただし、文化交流展の観覧料は必要です)


本展に関連する図書のご紹介
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