会 期:
10月2日(火)〜 12月9日(日)
休館日:
毎週月曜日
ただし10月8日(月・祝)は開館。10月9日(火)は休館
開館時間:
日曜日・火曜〜木曜日
9時30分〜17時00分(入館は16時30分まで)
金曜日・土曜日【夜間開館
9時30分〜20時00分(入館は19時30分まで)
観覧料:
一 般 1,500円(1,300円)
高大生 1,000円(800円)
小中生 600円(400円)
【夜間割引料金】
一 般 1,300円
高大生 800円
小中生 400円
*夜間開館当日17時以降に当館券売所で販売。夜間割引料金で購入されたチケットで17時以前に入場することはできません。
*( )内は前売りおよび団体料金(有料の方が20名以上の場合)。
*上記料金で九州国立博物館4階「文化交流展(平常展)」もご観覧いただけます。
*障害者手帳等をご持参の方とその介護者1名は無料です。展示室入口にて障害者手帳等(*)をご提示ください。
(*)身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証
*満65歳以上の方は前売り一般料金でご購入いただけます。券売所にて生年月日がわかるもの(健康保険証・運転免許証等)をご提示ください。
*小中生、高大生は学生証等をご提示ください。
*キャンパスメンバーズの方は団体料金でご購入いただけます。券売所にて学生証、教職員証等をご提示ください。
*チケット販売窓口では下記の電子マネー及びクレジットカードがご利用いただけます。
電子マネー(WAON、nanaco、iD、Edy、Kitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、nimoca、はやかけん、SUGOCA、QUICPay)
*「nanaco」は、株式会社セブン・カードサービスの登録商標です。
*「iD」ロゴは株式会社NTTドコモの登録商標です。
*「楽天Edy(ラクテンエディ)」は、楽天グループのプリペイド型電子マネーサービスです。
電子マネーアイコン
クレジットカードVISA、MasterCard、JCB、ダイナースクラブ、AMEX、ディスカバー、銀聯カード、新韓カード*一括払いのみ。
クレジットカードアイコン
前売券発売所:
チケットは、ローソンチケット(Lコード83117)、チケットぴあ(Pコード769-129)、セブン-イレブン、イープラス・ファミリーマートほか主要プレイガイドにて6月30日(土)から発売開始。
*会期中の電子チケットは当日料金での販売となります。
*電子チケットは購入の際に各プレイガイドによって各種手数料がかかる場合があります。
*博物館では、1階ミュージアムショップにて前売券を販売しております。
お問い合わせ:
NTTハローダイヤル 050-5542-8600(8時00分〜22時00分/年中無休)
主催:
九州国立博物館・福岡県、西日本新聞社、TVQ九州放送
共催:
(公財)九州国立博物館振興財団
協賛:
ライブアートブックス、YKK AP
助成:
(公財)福岡文化財団
特別協力:
(公財)大倉文化財団・大倉集古館、太宰府天満宮
協力:
ホテルオークラ福岡
後援:
佐賀県、熊本県、長崎県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、九州・沖縄各県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、北九州市、北九州市教育委員会、太宰府市、太宰府市教育委員会、西日本リビング新聞社、FM FUKUOKA、cross fm、LOVE FM、西日本鉄道、九州旅客鉃道、日本自動車連盟福岡支部、NEXCO西日本九州支社、福岡市タクシー協会、福岡県タクシー協会、福岡商工会議所、太宰府市商工会、太宰府観光協会、日本旅行業協会、西日本文化サークル連合、西日本新聞TNC文化サークル

ごあいさつ

大実業家父子による偉大なコレクション

 九州国立博物館では、平安時代から近代までの日本美術を中心とする一流コレクション、オークラ(大倉)コレクションを紹介する展覧会を企画しました。
 明治維新による激動の時代、日本の近代化に貢献し、美術文化の保護・発展に寄与した実業家がいました。大倉喜八郎(1837〜1928)は、その最も重要な人物のひとりです。喜八郎は、さまざまな近代事業を展開した大実業家で、廃仏毀釈による寺院の荒廃、仏教美術品の散逸や海外流出を憂い、みずから日本・東洋の古美術を収集し、大正6年(1917)、わが国初の私立美術館、大倉集古館を設立しました。喜八郎の長男で、ホテル・オークラの創業者としても有名な大倉喜七郎(1882〜1963)は、その意志を継ぎ、近代日本画を中心に収集して世界へ紹介するなど、日本文化の海外発信に尽力しました。父子が精力的に収集したコレクションは、高い美術的価値と同時に、当時の社会情勢を反映した重要な歴史的意義を有しているのです。
 本展では、膨大な大倉コレクションを今日に伝え、開館100周年を迎えた大倉集古館の所蔵品から、厳選の名品を一堂に公開します。そして、これらの名品を通し、大倉喜八郎が行なった文化財保護の志、アジア諸国にわたる多様な収集、喜七郎による海外への日本文化発信といった歴史的意義を紹介します。明治維新から150年目の節目に開催される本展は、近代の幕開け以後の日本と海外の交流の歴史をとらえる絶好の機会となるでしょう。
*本展出品の所蔵者は、すべて東京・大倉集古館です。

大倉喜八郎
大倉喜八郎(1837〜1928)
大倉喜七郎
大倉喜七郎(1882〜1963)

日本美術の王道


大倉父子収集品を核とした大倉集古館の日本美術、その幅の広さと質の高さには驚くべきものがあります。時代は平安・鎌倉から近代まで、分野は絵画・書跡・彫刻・各種工芸と多岐にわたり、作品は国宝3件・重要文化財6件・重要美術品15件はじめ粒揃いです。日本美術の歴史をも辿れる王道の作品群を、次の6つのコーナーに分けてご紹介します。

1.祈りのかたち(仏教絵画)
2.国宝の輝き
3.やまと絵から琳派りんぱ
4.室町水墨から狩野派かのうは
5.多彩な近世絵画(若冲じゃくちゅう四条派しじょうは文人画ぶんじんがなど)
6.日本工芸の美

「生きとし生けるもの」の出典「仮名序かなじょ」最古級の遺品


古今和歌集序

国宝 古今和歌集序こきんわかしゅうじょ(部分)

平安時代・12世紀

展示期間10月2日〜11月4日

平安時代10世紀初に勅撰ちょくせん和歌集として最初に編纂された『古今和歌集』20巻は、仮名の和文で書かれた「仮名序」と漢文で書かれた「真名序まなじょ」の二つの序文を持つ。本作品は、紀貫之きのつらゆき作の「仮名序」を平安後期に書写した名品として知られ、国宝に指定されている。多彩で華麗な料紙りょうしも見どころ。筆者は、藤原行成ゆきなりの曽孫、藤原定実さだざね(11〜12世紀、生没年不詳)と推考されている。

王朝の美意識をしめす平安彫刻の最高峰


普賢菩薩騎象像

国宝 普賢菩薩騎象像ふげんぼさつきぞうぞう

平安時代・12世紀

展示期間10月2日〜10月21日

象に乗る普賢菩薩像は、9世紀半ばに唐から請来された新しい図像によって、合掌がっしょうする姿で表わされるようになり、女性の救済を説く法華経の普及とともに、主に平安貴族の女性たちからの信仰を集める。その普賢菩薩像の代表作であり、優美な顔立ちや肩のラインなど、平安時代後期12世紀、和様わようの仏像彫刻の名作として知られる。彩色や截金きりかねがあざやかに残る、大倉コレクション仏教美術の白眉はくび

似顔絵のルーツ「似絵にせえ」の代表作


随身庭騎絵巻

国宝 随身庭騎絵巻ずいじんていきえまき(部分)

鎌倉時代・13世紀

展示期間11月6日〜12月9日

天皇や高級貴族の警護役「随身」を描いた絵巻物で、描かれているのは平安末期および鎌倉初期の後嵯峨上皇ごさがじょうこうに仕えた随身たち。「似絵」の代表作であり、似絵の名手藤原信実のぶざねの画風を伝える作品として、国宝に指定されている。顔や体格の特徴が実によくとらえられており、軽快で躍動感あふれる描写が見事。特徴を露骨あるいは誇張してとらえる「似絵」に描かれることを、当時の人々は嫌がったという。

闇と光の祝祭描く狩野派の名品


鵜飼図屏風

重要文化財 鵜飼図屏風うかいずびょうぶ 狩野探幽かのうたんゆう

江戸時代・17世紀

展示期間10月2日〜11月4日

夏の闇の中にかがり火を焚いて、鵜匠たちが鵜を操って鮎をとる。そのドラマティックな夜景を、動感ゆたかに表現。かがり火は、渋い赤色で炎を、墨のぼかしで煙を表わす。日本の風景にふさわしく、丸っこい緑色の山並みが画面を支配する。漢画の伝統を引き継ぐ狩野派は、江戸時代に入ると柔軟なやまと絵風を採用するが、その先駆的な作品で、幕府御用絵師ごようえしとして活躍した狩野探幽の風俗画の名品として、早くから評価されてきた。

京都の町人たちが求めた宗達ブランドの名品


扇面流図屏風

重要美術品 扇面流図屏風せんめんながしずびょうぶ 宗達派そうたつは

江戸時代・17世紀

展示期間11月6日〜12月9日

急流に、無数の扇子せんすが流される。流れは右から左へ。白い波頭は、まるで生き物のように爪を立てる。左に行くほど扇子は乱れ、密度は濃く、吹き溜まっていく。扇子に描かれた種々の草花、その表現も豊かですばらしい。俵屋宗達が主宰する工房で描かれた力動感あふれる屏風であり、京都の町衆の熱いエネルギーを体現した名品として知られる。

これぞ「松皮肌 」、則重入魂の一刀!


短刀

重要文化財 短刀たんとう 銘 則重のりしげ

鎌倉時代・14世紀


則重は、鎌倉時代末期に越中国の婦負ねい呉服ごふく郷(現富山県富山市五福)に住んだと伝わる刀工で、略して郷則重ごうのりしげとも呼ばれる。相州刀工の祖、新藤五國光しんとうごくにみつの弟子とされ、また名工として名高い正宗まさむねと同門であった。特に地金じがねの鍛えを得意とし、硬軟の鉄を巧みに組み合わせて板目が肌立ち渦巻くような肌をまじえる「松皮肌まつかわはだ」(則重肌のりしげはだ)で知られる。越後新発田しばた藩の溝口家に伝来。

尾形光琳・乾山兄弟が創ったみやこの器


銹絵寿老図六角皿

江戸時代・18世紀


六角皿に白化粧を施し、見込に鉄絵具で大きく寿老人をあらわす。それを囲むように一本の区画線を施し、縁の内外側面には雲気文をめぐらす。本作品は、尾形光琳・乾山兄弟の合作。銹絵を描いた作品は角皿がよく知られるが、六角皿は類例が極めて少なく貴重である。
尾形兄弟は、京都の高級呉服商・雁金屋かりがねやに生まれ、幼い頃より最先端の意匠に触れ、古典文学など様々な素養を身に付けた。軽妙洒脱な筆致の絵と六角形があいまって、京らしい洗練された雰囲気を湛える。

アジアに開いた眼


大倉集古館には、幅広い東洋美術のコレクションがあります。近代の幕開けと同時に実業家として日本から朝鮮、中国へと進出した大倉喜八郎は、中国国内の混乱で流出した美術品をまとめて購入したほか、朝鮮やタイ、インドの仏像なども多数収集しました。これらの作品は、近代日本における外国美術の受容のありかたを示す点からも評価されています。

1.中国
2.朝鮮
3.タイ、ミャンマー、インド

清涼感のある青緑色が美しい龍泉窯青磁


青磁三足香炉

重要美術品 青磁三足香炉せいじみつあしこうろ

中国・龍泉窯 南宋〜元時代・13〜14世紀


筒形で、胴部に3段の筋をめぐらし、高台を付け、さらに三足を付けた大型の青磁香炉。南宋から元時代にかけて、中国・龍泉窯では、澄んだ青緑色の上質な青磁が作られた。日本では鎌倉や京都を中心に日本の寺院等に伝来している。類品に如意形の三足が付いた、本作品よりは小振りのものがあり、宋時代の銀製香炉を模倣したものと云われる。
本作品は黒漆塗の蓋を伴っており、水指としても用いられたようである。「千鳥」の銘を持つが、三足が地に着かず浮いて見えるためであろう。

荘厳された仏陀 輝く王の姿


宝冠仏立像

宝冠仏立像ほうかんぶつりゅうぞう
タイ・ラタナコーシン時代・19世紀


口元に笑みを浮かべた柔和な表情、装身具を身につけた姿は光輝いている。荘厳された仏像は、タイでは特に17世紀のアユタヤー時代後期に流行し、ラタナコーシン朝にも引き継がれ、その冠や装身具は王族のものをかたどり一層豪華になっていった。こうした荘厳仏しょうごんぶつは、特に王族の菩提ぼだいを弔うために造仏され、王室寺院に安置されたことが知られている。

春の祝祭を活写 中国風俗画の優品


清明上河図巻

清明上河図巻せいめいじょうかずかん(部分) 「仇英きゅうえいかん
中国・明時代・16世紀

展示期間10月2日〜11月4日

「清明上河図」は、旧暦3月、春分から15日目の清明節を祝い賑わう北宋の首都開封かいほうの風物を描くテーマで、古く北宋時代から見られ、以降、くりかえし描き継がれていった。その明代の作として知られる優品。安土桃山時代から江戸初期の日本で盛行した「洛中洛外図」の原形のひとつとも目される画題である。

日本から世界へ - 珠玉の近代絵画(ローマ日本美術展)


昭和5年(1930)イタリアで開かれた「ローマ日本美術展」は、すべての経費を大倉喜七郎が負担。代表の横山大観よこやまたいかんをはじめ下村観山しもむらかんざん前田青邨まえださいそん川合玉堂かわいぎょくどう竹内栖鳳たけうちせいほう速水御舟はやみぎょしゅうといった錚々そうそうたる日本画家80名が最新の力作を出品し、日本美術の魅力を欧州の人々に問う野心的な試みでした。その一部を再現的に展示し、お楽しみいただきます。

頼朝と家来たちの心理劇、その見事な絵画化


洞窟の頼朝前田青邨筆
©Y.MAEDA & JASPAR,Tokyo,2018
C2198

重要文化財 洞窟どうくつ頼朝よりとも 前田青邨まえだせいそん

昭和4年(1929)

展示期間10月2日〜11月4日

源平の合戦、石橋山いしばしやまの合戦で平家に破れ、洞窟に隠れて再起の機会をうかがう源頼朝。頼朝のまわりを円環状に取り囲んで守る家来6人。視線の先に洞窟の入口。歴史の名場面を描くにあたって、人物をクローズアップし、不安と緊張と決意、その心理劇を描き出す。武具甲冑かっちゅうの精密な描写は、時代考証に詳しい作者ならではのもの。近代日本の歴史画の代表作であり、制作の翌年に創設された朝日賞の第1回に受賞作として選ばれた。

東の巨匠描く 静寂にして幻想的な夜景


洞窟の頼朝前田青邨筆

夜桜よざくら 横山大観よこやまたいかん
昭和4年(1929)

展示期間11月6日〜12月9日

横山大観は、「ローマ日本美術展」出品画家80名の代表だった。その大観が、日本画の面目をか け、この展覧会のために制作した意欲作。宵闇よいやみの中、かがり火に照らされて輝く満開の桜。無風状態の静寂のなか、かがり火の煙が垂直に立ち上り、桜の花びらがはらはらと垂直に落ちる。季節は春、時は夜。やまと絵のあでやかな色彩と水墨の調和を見事に達成した名品で、華やかさと静けさが同居する。横山大観の画業中、最重要作のひとつ。

西の巨匠、竹内栖鳳による写生の真骨頂


蹴合

蹴合けあい 竹内栖鳳たけうちせいほう
昭和4年(1929)

展示期間10月2日〜11月4日

栖鳳は、地面にしゃがみこんで常に対象と同じ目線で写生をすることにこだわっていたという。闘鶏とうけいの緊張の一瞬をとらえたこの作品も、徹底した観察に基づく写生により、躍動感あふれる画面を実現している。金と緑の美しい配色による背景に、力強い鶏の姿が浮かび上がる。東京画壇をリードした横山大観とならび称される西の竹内栖鳳は、円山四条派まるやましじょうはの伝統を受け継いで京都画壇をリード。その代表作の一つとされる。

京の風物描く 荻邨の出世作


宝冠仏立像

よど水車すいしゃ 宇田荻邨うだてきそん
大正15年(1926)

展示期間11月6日〜12月9日

京都の南、淀の風物を現地で取材し、制作した作品。ススキなびく晩夏から初秋の景で、水車がはねあげる水しぶきの描写や、水車の回転に連動する土手やあし、サギなど図形的な画面構成が近代的。純度の高い絵の具で彩られた緑色、群青色があざやかで、サギの白がまばゆく輝く。