観音堂の本尊です。おおらかな面もちで、頭上に10の小面をいただき、42本の腕を持っています。1本の腕で25の願いをかなえるとされ、本来の合掌する2本の腕に加えて40本の腕で千手を象徴しています。にぎやかな透かし彫りの光背が全身を包んでおり、像の荘厳さをいっそう引き立てています。
激しい怒りの表情をみせる4つの顔に8本の腕を持つ奇怪な姿です。胸の前で小指を組んだ独特な印を結び、他の手には武器を持ち、仏敵を武力によって降伏させようとしています。足下には、煩悩と欲望の象徴である大自在天(シヴァ神)とその妃・烏摩を踏みつけています。
不動明王は、密教の中心的な教主である大日如来の化身とされています。両目を見開いていますが、上の歯をむき出して下唇をぐっと噛みしめており、怒りを内に秘めているかのようです。
千手観音菩薩に従い、仏教の教えとその信者を守る善神たちです。甲冑を着けた武将像のほか、異国風の装束を着けた女神像、動物を背負う像、楽器を持つ像、仙人姿の像などが含まれており、バラエティに富んでいます。像容は京都・妙法院蓮華王院三十三間堂の国宝二十八部衆像(鎌倉時代)にならっています。
いずれもインドの古い神話に起源をもつ護法神で、自然現象の災いを除く神とされています。千手観音菩薩の従者として風神・雷神が二十八部衆に加えられるのも、妙法院蓮華王院三十三間堂にならっています。