展示期間:
平成29年8月8日(火)〜9月18日(月・祝)
展示場所:
文化交流展示室 第11室
主催:
九州国立博物館、対馬市
特別協力:
長崎県立対馬歴史民俗資料館
概要:
九州の北西、朝鮮半島までおよそ50kmの海上に浮かぶ対馬。日本列島で最も大陸に近いこの島は、およそ7000年前から、列島と朝鮮半島、あるいは中国大陸の人々や文物が行き交い、交流し、相互の文化が混在する特色ある歴史を歩んできました。そのような歴史は、遺跡から発掘された出土品や、現在まで守り伝えられてきた信仰にまつわる品々、また古文書など、対馬に所在する、あるいはかつて所在した文化財から窺い知ることができます。本展では、原始・古代から近世にかけて、対馬における交流が育んだ日本列島でも稀有な歴史と文化について、対馬島内、そして島外に所在するゆかりの文化財を通じて紹介いたします。
展示の紹介
第1章「対馬国のなりたち - 原始・古代 - 」
対馬における最も古い人類の足跡は、今から7000年以上前に遡ります。この時から対馬では、朝鮮半島と日本列島を通じた多様な文化が行き交い、特色ある文化が育まれてきました。やがて古墳時代以降、東アジアで国家形成が進むなかで、対馬は“国境の島”となりますが、交流の窓口として引き続き重要な役割を担っていきます。
重要文化財 佐保シゲノダン遺跡出土品
弥生時代 1世紀
千葉・国立歴史民俗博物館
銅剣と剣の柄 つか 飾りです。どれも朝鮮半島から渡ってきた舶載品と考えられます。特に龍のような動物を象 かたど った柄飾りは装飾性が豊かで、北方騎馬民族の流れを汲むものです。
第2章「島の祈り - 宗教美術 - 」
対馬には、その文化交流の歴史を反映した多くの渡来品が伝えられています。信仰にまつわる文物も同様で、古代から中世にかけて朝鮮半島から多くの仏像や仏具がもたらされました。それらは島人 しまびと によって大切に守り伝えられ、日本や対馬で作られた文物とともに、対馬ならではの祈りの姿を形作っています。
重要文化財 銅造如来立像
統一新羅時代 8世紀
長崎・海神神社
海神神社のご神体として祀られてきた金銅仏です。高く盛り上がった頭部や、衣が密着して体の輪郭があらわになった表現は、インドから中国を経て朝鮮半島で流行しました。
第3章「躍動する交流の島 - 中世 - 」
対馬の人々は、古くから朝鮮半島や九州と日常的な交易を行い、生活を営んできました。中世には、東アジアの海を舞台とする活発な交流の中で、高麗 こうらい ・朝鮮王朝と日本とを結ぶ窓口として、対馬の地位、重要性は高まっていきました。対馬には、このような中世東アジア交流の実態を物語る多様な文物が伝来しています。
獅子形鎮子
南宋時代 13世紀
長崎・黒瀬地区公民館
中国の南宋時代につくられ、対馬に伝わった石製のおもしです。頭をひねり、左の後ろ足で耳をかく姿はとても愛らしく、頭をなでなでしたくなります。丁寧に刻まれた毛並みにも注目です。
第4章「対馬藩の時代 - 近世 - 」
室町時代には島主として対馬を支配し、朝鮮への通交権を独占した対馬宗家 つしまそうけ は、江戸時代には対馬藩の藩主となり、引き続き朝鮮との外交・貿易に重要な役割を果たしました。釜山 ぷさん の倭館 わかん 貿易、日朝両国の漂流民対応、そして朝鮮通信使。その実務を担った対馬藩には、証 あかし となる貴重な古文書 こもんじょ が残されました。
重要文化財 元禄対馬国絵図
江戸時代 元禄13年(1700)
長崎県立対馬歴史民俗資料館
江戸幕府の命によって対馬藩が作成した国絵図です。とても大きく、縦3.7m×横1.7mもあります。藍色の海を背景に、対馬全島をくっきりと、細部まで丁寧に描いた美しい絵図です。
展示構成と主な展示作品
第1章「対馬国のなりたち - 原始・古代 - 」
| 指定 | 作品名 | 所蔵 | 時代 |
|---|---|---|---|
| 重文 | 佐賀貝塚出土品 | 対馬市教育委員会蔵 | 縄文時代 |
| 重文 | 佐保シゲノダン遺跡出土品 | 国立歴史民俗博物館蔵 | 弥生時代 |
| 豊玉町佐保唐崎遺跡出土品 | 文化庁蔵 | 弥生時代 | |
| 豊玉町佐保ソウダイ遺跡出土品 | 東京国立博物館蔵 | 弥生時代 | |
| 上県町佐護クビル出土銅鍑 | 東京国立博物館蔵 | 弥生時代 | |
| 豊玉町大綱出土銅矛 | 東京国立博物館蔵 | 弥生時代 | |
| 金田城跡出土品 | 対馬市教育委員会蔵 | 奈良時代 |
第2章「島の祈り - 宗教美術 - 」
| 指定 | 作品名 | 所蔵 | 時代 |
|---|---|---|---|
| 重文 | 銅造如来立像 | 海神神社蔵 | 統一新羅時代 |
| 銅造菩薩坐像 | 多久頭魂神社蔵 | 高麗時代 | |
| 銅造地蔵菩薩遊戯坐像 | 九州国立博物館蔵 | 高麗時代 | |
| 木造菩薩立像 | 東京国立博物館蔵 | 平安時代 | |
| 重文 | 金鼓 | 多久頭魂神社蔵 | 高麗時代 |
| 重文 | 旧清玄寺梵鐘 | 対馬市教育委員会蔵 | 室町時代 |
| 旧佐護観音堂梵鐘 | 奈良国立博物館蔵 | 室町時代 |
第3章「躍動する交流の島 - 中世 - 」
| 指定 | 作品名 | 所蔵 | 時代 |
|---|---|---|---|
| 長崎県 | 青磁牡丹唐草文花瓶 | 多久頭魂神社蔵 | 元時代 |
| 対馬市 | 青磁象嵌蒲柳文梅瓶 | 海神神社蔵 | 高麗時代 |
| 重文 | 高麗版大般若経 | 長松寺蔵 | 高麗時代 |
| 長崎県 | 元版五部大乗経 | 東泉寺蔵 | 元時代 |
| 重文 | 小田家文書 | 長崎県立対馬歴史民俗資料館蔵 | 鎌倉〜安土桃山時代 |
| 重文 | 朝鮮国告身 | 個人蔵 | 朝鮮時代 |
| 重文 | 図書・木印 | 九州国立博物館蔵 | 室町時代 |
| 対馬市 | 金石城跡出土軒丸瓦・軒丸瓦 | 対馬市教育委員会蔵 | 朝鮮時代 |
第4章「対馬藩の時代 - 近世 - 」
| 指定 | 作品名 | 所蔵 | 時代 |
|---|---|---|---|
| 重文 | 元禄対馬国絵図 | 長崎県立対馬歴史民俗資料館蔵 | 江戸時代 |
| 重文 | 宗義和図書・図書箱 | 長崎県立対馬歴史民俗資料館蔵 | 朝鮮時代 |
| 正徳元年朝鮮通信使行列絵巻 | 福岡市博物館蔵 | 江戸時代 | |
| 重文 | 朝鮮通交大紀 | 長崎県立対馬歴史民俗資料館蔵 | 江戸時代 |
| 重文 | 毎日記 | 長崎県立対馬歴史民俗資料館蔵 | 江戸時代 |
| 重文 | 江戸幕府老中奉書 | 九州国立博物館蔵 | 江戸時代 |
| 徳川家宣国書写 | 九州国立博物館蔵 | 江戸時代 |
関連イベント:ミュージアムトーク「特別展示 対馬」
「対馬 遺宝に見る交流の足跡」
日時:
平成29年8月13日(日)13時00分から30分程度
会場:
九州国立博物館4階 文化交流展示室 第11室
聴講料:
無料(ただし文化交流展の観覧料は必要)
担当学芸員:
一瀬 智(九州国立博物館)
「考古資料にみる対馬の歴史」
日時:
平成29年8月20日(日)13時00分から30分程度
会場:
九州国立博物館4階 文化交流展示室 第11室
聴講料:
無料(ただし文化交流展の観覧料は必要)
担当学芸員:
尾上博一(対馬市教育委員会)
「対馬の信仰と美術」
日時:
平成29年8月27日(日)13時00分から30分程度
会場:
九州国立博物館4階 文化交流展示室 第11室
聴講料:
無料(ただし文化交流展の観覧料は必要)
担当学芸員:
大澤信(対馬市博物館建設推進室)
「対馬の古文書と宗家文書」
日時:
平成29年9月3日(日)13時00分から30分程度
会場:
九州国立博物館4階 文化交流展示室 第11室
聴講料:
無料(ただし文化交流展の観覧料は必要)
担当学芸員:
古川祐貴(長崎県立対馬歴史民俗資料館)

