新春特別公開:国宝 初音の調度
展示期間:
平成29年1月1日(日・祝)〜1月29日(日)
展示場所:
文化交流展示室 第11室
概要:
九州国立博物館がお正月に開催する恒例の新春特別公開!徳川美術館が所蔵する大名婚礼調度の最高傑作 国宝「初音の調度」を展示いたします。国宝「初音の調度」は、徳川三代将軍家光の長女である千代姫が、寛永16年(1639)、尾張徳川家二代光友に嫁ぐ折に制作された婚礼調度です。
「初音」という名称は、この調度を飾る文様が、『源氏物語』「初音」帖に題材を得ていることに由来します。金銀を贅沢に使い、高度な蒔絵技術を尽くして描かれた豪華な源氏の世界は、終日見ていても飽きないことから「日暮らしの調度」と呼ばれました。
今回は、この「初音の調度」のうち、小櫛箱 こぐしばこ、乱箱 みだればこ、湯桶・盥 ゆとう・たらい の3件とともに、同じく『源氏物語』を題材とした「野々宮蒔絵硯箱」(サントリー美術館所蔵)や江戸時代の婚礼調度も合わせてご紹介いたします。

おもな展示作品の紹介

湯桶・盥

国宝 湯桶・盥 ゆとう・たらい

江戸時代・ 17世紀 徳川美術館蔵

湯桶は湯水を注ぐための把手のついた道具で、湯次 ゆつぎ・湯注子 ゆちゅうしとも呼ばれる。盥は大型のものは洗濯や行水に使用するが、本品のような小型のものは洗面や化粧の際に使用した。

小櫛箱

国宝 小櫛箱 こぐしばこ

江戸時代・ 17世紀 徳川美術館蔵

粗密を違えた5枚の櫛を収める被蓋造の箱。付属する2本の刷毛は、櫛歯に付着する汚れを取るためのもので、壺形の柄が付くため壺櫛払 つぼくしはらい と呼ばれる。

乱箱

国宝 乱箱 みだればこ

江戸時代・ 17世紀 徳川美術館蔵

蓋のない浅い箱で、身の回りの品や整髪・化粧道具を入れて使用した。本品には、松竹梅・鶴亀を表した柄付の鏡や、歯黒の黒色染料になる附子 ふしのこ を入れる附子箱 ふしばこ、白粉入 おしろいいれ などをともなう。


関連イベント

ミュージアムトーク 国宝「初音の調度」の魅力

日時:
平成29年1月11日(水)15時00分から30分程度
会場:
九州国立博物館4階 文化交流展示室 第11室
聴講料:
無料(ただし文化交流展の観覧料は必要)
担当学芸員:
伊藤嘉章(副館長)
*12月掲載分から都合により担当者が変更になりました。