過去の展示情報

トピック展示 :文化庁購入文化財展

九州初開催!『新たな国民のたから』

展示期間:

平成20年6月25日(水)〜7月21日(月・祝)

展示場所:

文化交流展示室第9室

概要:

近年文化庁にて購入した文化財13点(国宝1件、重要文化財5件を含む)を公開。

(1)貴重な文化財の散逸を防ぐために国(文化庁)が購入した文化財を公開文化庁は文化財の指定をはじめ、保存と活用に関する様々な取り組みを行っており、その中に国民の「たからもの」である文化財の散逸、海外への流出等を防ぐため、国が文化財を購入する事業があります。購入した文化財については、国立博物館のほか、各地の博物館や美術館が開催する展覧会で広く公開するほか、日本文化を海外に紹介する文化庁主催の海外展への出品を通じて保存・活用を図っています。
 このたび九州国立博物館で、近年国(文化庁)が購入した作品の一部を皆様にご覧いただくことといたしました。

(2)「新たな国民のたから-文化庁購入文化財展-」九州初開催
本展はこれまで第1回から第4回までは東京で行われ、昨年度は奈良国立博物館で開催されました。第6回目となる今回、初めて九州国立博物館で開催する運びとなりました。

展示リスト:

展示リスト
展示作品の紹介
絹本著色孔雀明王像
重要文化財 絹本著色孔雀明王像
(けんぽんちゃくしょくくじゃくみょうおうぞう)
平安時代12世紀 縦81.2cm 横42.4cm

重要文化財 絹本著色孔雀明王像
(けんぽんちゃくしょくくじゃくみょうおうぞう)
平安時代12世紀 縦81.2cm 横42.4cm

孔雀明王は奈良時代から信仰され空海により本格化した。本像は明王に月輪内の阿字を配した特異な図様を示す。これは醍醐寺観賢ゆかりのものとみられる。平安時代に遡る孔雀明王像の優品である。

紙本著色浜松図
重要文化財 紙本著色浜松図
(しほんちゃくしょくはままつず)
室町時代15世紀 各縦159.7cm 横355.8cm

重要文化財 絹本著色孔雀明王像
(しほんちゃくしょくはままつず)
室町時代15世紀 各縦159.7cm 横355.8cm

中世の浜松図屏風は絵巻物の画中に多く登場するが、現存するものは三点にすぎない。本図はなかでも最も古様を示す。常磐の松の緑と四季の変化が美しい。

紙本金地著色並笛図
紙本金地著色並笛図
(しほんきんじちゃくしょくへいてきず)
桃山時代16世紀 縦161.8cm 横359.0cm

紙本金地著色並笛図
(しほんきんじちゃくしょくへいてきず)
桃山時代16世紀 縦161.8cm 横359.0cm

唐の玄宗皇帝と楊貴妃とが並んでひとつの横笛を演奏する。玄宗皇帝を始めとする皇帝の善行悪行を描いた主題は、大名御殿の障壁画等に好まれた。桃山時代の巨匠狩野永徳の弟宗秀の作と考えられる。

絹本淡彩宮島景八景図
重要文化財 絹本淡彩宮島景八景図
(けんぽんたんさいみやじまはっけいず)
長沢芦雪筆
江戸時代18世紀 各縦34.0cm 横47.0cm

重要文化財 絹本淡彩宮島景八景図
(けんぽんたんさいみやじまはっけいず)
長沢芦雪筆
江戸時代18世紀 各縦34.0cm 横47.0cm

長沢芦雪が41歳の時宮島を訪れて描いたもので燈明の灯る夜の社殿、大元神社の桜、高倉院御幸の滝、有の浦、鏡池の秋月、神鹿苑の秋、千畳閣の暮雪、弥山に神鳥の八図からなる。

絹本著色花鳥遊漁図
重要文化財 絹本著色花鳥遊漁図
(けんぽんちゃくしょくかちょうゆうぎょず)
長沢芦雪筆
江戸時代18世紀 縦36.7cm 横110.9cm

重要文化財 絹本著色花鳥遊漁図
(けんぽんちゃくしょくかちょうゆうぎょず)
長沢芦雪筆
江戸時代18世紀 縦36.7cm 横110.9cm

長沢芦雪のほとんど唯一の図巻作例で近世の花鳥図巻を代表する優品でもある。色とりどりに描かれた生き物たちの愛らしさ、意表をつく場面転換、季節と時刻の流れを織り込んだ構成は卓抜である。

木造阿弥陀如来立像・像内納入品
木造阿弥陀如来立像・像内納入品
(もくぞうあみだにょらいりゅうぞう・ぞうないのうにゅうひん)
文永7年(1270) 木造一躯像高79.9cm

木造阿弥陀如来立像・像内納入品
(もくぞうあみだにょらいりゅうぞう・ぞうないのうにゅうひん)
文永7年(1270) 木造一躯像高79.9cm

臨終者の許に来迎する姿の阿弥陀像。像内に未敷蓮華4箇が積上げられ、それぞれに火葬骨・小仏像・舎利・経典(文永7年の奥書)が籠められていた。像内納入品史上、注目すべき資料である。

木造阿弥陀如来立像・像内納入品
国宝 刀
金象嵌銘正宗本阿花押
(かたなきんぞうがんめいまさむねほんあかおう)
本多中務所持(名物中務正宗)
(ほんだなかつかさしょじ(めいぶつなかつかさまさむね))
鎌倉時代14世紀 刃長67.0cm 元幅2.9cm 先幅2.1cm

国宝 刀
金象嵌銘正宗本阿花押
(かたなきんぞうがんめいまさむねほんあかおう)
本多中務所持(名物中務正宗)
(ほんだなかつかさしょじ(めいぶつなかつかさまさむね))
鎌倉時代14世紀 刃長67.0cm 元幅2.9cm 先幅2.1cm

正宗は五郎入道と称し、相州伝といわれる沸の激しい乱刀の作風を完成させた刀工。本阿弥光徳が正宗と極め、中務大輔を称した本多忠勝が所持し、のち徳川家康、水戸徳川家を経て徳川将軍家に伝来した。

色々威腹巻
重要文化財 色々威腹巻
(いろいろおどしはらまき)
室町時代16世紀
胴高27.2cm 草摺高26.2cm 袖丈40.2cm 袖幅35.3cm

重要文化財 色々威腹巻
(いろいろおどしはらまき)
室町時代16世紀
胴高27.2cm 草摺高26.2cm 袖丈40.2cm 袖幅35.3cm

長沢芦雪のほとんど唯一の図巻作例で近世の花鳥図巻を代表する優品でもある。色とりどりに描かれた生き物たちの愛らしさ、意表をつく場面転換、季節と時刻の流れを織り込んだ構成は卓抜である。

花鳥蒔絵螺鈿小箪笥
花鳥蒔絵螺鈿小箪笥
(かちょうまきえらでんこだんす)
桃山時代16-17世紀
高23.9cm 縦22.5cm 横23.8cm

花鳥蒔絵螺鈿小箪笥
(かちょうまきえらでんこだんす)
桃山時代16-17世紀
高23.9cm 縦22.5cm 横23.8cm

花鳥文を蒔絵と螺鈿技法によって表した小型の箪笥である。正面扉を前倒式とし、内部に大小9口の抽斗を備える。何南蛮漆器を代表する器形の一つで、桃山時代に南蛮貿易用として数多く制作された。

伊万里色絵栗文反鉢
伊万里色絵栗文反鉢
(いまりいろえくりもんそりばち)
江戸時代17世紀 口径21.7cm 高4.3cm

伊万里色絵栗文反鉢
(いまりいろえくりもんそりばち)
江戸時代17世紀 口径21.7cm 高4.3cm

元禄頃の古伊万里型物と呼ばれる高級色絵磁器。口辺が大きく外反する特異な器形で類例は少ない。多種の文様が染付に赤・緑・黄などの上絵具を賦彩し金彩を加えた清明な色調で的確に表されている。

紙本墨書央掘魔羅経巻第四
重要文化財 紙本墨書央掘魔羅経巻第四
(しほんぼくしょおうくつまらきょうまきだいよん)
(天平十二年五月一日光明皇后御願経)
奈良時代8世紀 縦26.3cm 全長869.6cm

重要文化財 紙本墨書央掘魔羅経巻第四
(しほんぼくしょおうくつまらきょうまきだいよん)
(天平十二年五月一日光明皇后御願経)
奈良時代8世紀 縦26.3cm 全長869.6cm

凶賊であった央掘魔羅が仏に教化された説話を説いた経典。光明皇后が父母の菩提のために書写させた五月一日経の遺巻で、書風は端正にして筆力に優れている。写経生の筆になる奈良朝写経の代表的遺品である

紺紙金字大方等頂王経(神護寺経)
紺紙金字大方等頂王経(神護寺経)
(こんしきんじだいほうとうちょうおうきょう(じんごじきょう))
平安時代12世紀 縦25.8cm 全長914.1cm

紺紙金字大方等頂王経(神護寺経)
(こんしきんじだいほうとうちょうおうきょう(じんごじきょう))
平安時代12世紀 縦25.8cm 全長914.1cm

鳥羽天皇の勅願で制作され後白河法皇が神護寺に寄進した一切経の一巻。料紙は紺紙を用い、表紙には宝相華文唐草が見返には釈迦説法図が金銀泥で描かれ、経文は金字で書写されている。平安時代の紺紙金字経の優品である。

金剛界曼荼羅図
金剛界曼荼羅図
(こんごうかいまんだらず)
鎌倉時代13世紀 縦29.2cm 全長391.8cm

金剛界曼荼羅図
(こんごうかいまんだらず)
鎌倉時代13世紀 縦29.2cm 全長391.8cm

金剛界曼荼羅の九会図の順序を種子を交えて記し、諸仏の配置の諸説を図解により詳説している。巻頭に「仁和寺心蓮院」の朱印が捺されており、真言宗仁和寺流の聖教として伝来したことが知られる。