イベント

九州国立博物館国際シンポジウム
巨大掛軸をめぐる文化交流
―祈りのかたち 日本と韓国―

催し物イメージ
チラシPDF[1.9MB]

 九州国立博物館は、「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」という新しい視点をもった博物館であり、わが国における文化交流の拠点として、アジアをはじめとする世界各国と連携して、毎年様々なテーマを設定して国際シンポジウムを開催しています。
 今回は、韓国の国立博物館等から専門家を招き、巨大な仏画をテーマにしたシンポジウムを開催することにいたしました。
 また、当日は4階文化交流展示室において、本シンポジウムのテーマである巨大な仏画に関するトピック展「巨大掛け軸をめぐる文化交流」を開催しており、その一環として、佐賀・高伝寺所蔵の大涅槃図をエントランスに展示いたします。(大涅槃図の展示は3月13日、14日のみ)
 シンポジウムに併せて、巨大な仏画の迫力、その魅力を間近で感じていただくことで、日韓における「巨大な仏画」に関する理解を深める絶好の機会です。ぜひ、ご参加ください。

趣旨:

 九州国立博物館にある文化財保存修復施設では、平成20年から2ヶ年をかけて佐賀市指定・高伝寺所蔵の大涅槃図の修理を実施しました。この涅槃図は縦15.2m、横6.1mという巨大なもので、国内最大級といえます。
 現在の日本で大きな仏画を掛けることは、京都の東福寺や本法寺、真如堂、奈良の長谷寺などにその例がありますが、そう多くはありません。これに比べて、韓国では、掛佛(クェブル)という巨大な仏画を寺院境内の野外に掛けて法会を行うことが広く行われています。このような大仏画を用いる法要は巨大なタンカを用いるチベットなどでも行われ、仏教儀礼の源流を考える上でも興味深い事例です。
 今回のシンポジウムでは、日本及び韓国における巨大な仏画の用いられ方についてご紹介すると共に佐賀・高伝寺所蔵の大涅槃図の修理をはじめとする、日韓の仏画の修理に関する最新事例を報告いたします。
 巨大仏画をとおして、日韓文化の共通点と相違点について改めて考える機会にしたいと考えます。

日時:

平成22年3月14日(日)
10時30分(開場)11時00分(開会)

会場:

九州国立博物館1階ミュージアムホール

主催:

九州国立博物館

後援:

駐福岡大韓民国総領事館、(財)九州国立博物館振興財団、福岡県教育委員会、佐賀市、佐賀市教育委員会、太宰府市、太宰府市教育委員会、九州文化財国際交流基金(以上予定)

対象:

一般 300名(参加費無料 要申し込み)

申し込み方法:

〔1〕郵便番号〔2〕住所〔3〕氏名(ふりがな)〔4〕年齢〔5〕電話番号等を明記のうえハガキ・FAX・Eメールのいずれかでお申し込みください。先着順で300名に入場整理券を郵送します。定員になり次第締め切ります。(お申し込みいただいた方の情報は厳重に管理し、本シンポジウムに関する連絡以外の用途には使用いたしません)

申し込み先・お問い合わせ先:

「国際シンポジウム事務局」
〒810-0001
福岡市中央区天神2-8-34 住友生命福岡ビル(株)西広内
電話092-717-1681
(平日10:00〜18:00(12:00〜13:00除く))
FAX092-717-1682
Eメール kyuhaku@nishiko.co.jp

プログラム:

11:00開会行事
11:15〜11:45
(30分)
発表1「日本における巨大掛軸について」
九州国立博物館企画課特別展室長 伊藤信二
11:45〜12:15
(30分)
発表2「韓国の仏教儀式と掛佛」
韓国国立中央博物館学芸研究士 鄭明熙氏
12:15〜13:45休憩
13:45〜14:15
(30分)
発表3「高伝寺所蔵大涅槃図の修理について」
国宝修理装潢師連盟九州支部技師長 君嶋隆幸氏
14:15〜14:45
(30分)
発表4「韓国における掛佛の装こうと修理について」
韓国・龍仁大学校教授 朴智善氏
15:00〜16:00
(60分)
討議
コーディネーター;

九州国立博物館博物館科学課保存修復室長 藤田励夫

パネリスト;

九州国立博物館企画課特別展室長 伊藤信二
韓国国立中央博物館学芸研究士 鄭明熙氏
国宝修理装こう師連盟九州支部技師長 君嶋隆幸氏
韓国・龍仁大学校教授 朴智善氏

16:00〜16:30
(30分)
質疑応答
16:35 閉会挨拶