関連情報
図録
*購入方法*
(完売)
特別展
会期
平成26年4月15日(火)〜6月8日(日)
休館日
毎週月曜日(ただし5月5日(月)は開館)
開館時間
午前9時30分〜午後5時
(入館は午後4時30分まで)
出品目録
観覧料
一 般1,500円
(1,300円)
高大生1,000円
(800円)
小中生 600円
(400円)
*( )内は前売りおよび団体料金(有料の方が20名以上の場合)。
*上記料金で九州国立博物館「文化交流展(平常展)」もご覧いただけます。
*障害者手帳等をご持参の方とその介護者1名は無料です。展示室入口にて障害者手帳等(*)をご提示ください。
(*)身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証
*満65歳以上の方は前売り一般料金でご購入いただけます。券売所にて生年月日がわかるもの(健康保険証・運転免許証等)をご提示ください。
*キャンパスメンバーズの方は団体料金でご購入いただけます。券売所にて学生証、教職員証等をご提示ください。
*チケット販売窓口では下記電子マネーがご利用いただけます。
注)ご利用いただけるのは当日券のみです。団体券・割引券等にはご利用になれません。
電子マネー |
(WAON、nanaco、iD、Edy、Kitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、nimoca、はやかけん、SUGOCA) |
前売券
ローソンチケット(Lコード:82869)、チケットぴあ(Pコード:766-011)、セブン-イレブン(セブンコード:027-524)、イープラスほか主要プレイガイドで2月1日(土)から発売開始
*会期中の電子チケットは当日料金での販売となります。
*電子チケットは購入の際に各プレイガイドによって各種手数料がかかる場合があります。
音声ガイドつき観覧券
観覧券と音声ガイドがセットになった、お得なチケットです。
一般:観覧券+音声ガイド 当日1,950円(1,700円)
高大生:観覧券+音声ガイド 当日1,450円(1,200円)
小中生:観覧券+音声ガイド 当日1,050円(800円)
*( )内は前売り。
*上記料金で九州国立博物館「文化交流展(平常展)」もご覧いただけます。
音声ガイドつき観覧券 発売所
セブン―イレブンのみの発売(セブンコード:027-524)
*会期中のチケットは当日料金での販売となります。
主催者からのごあいさつ
近衞家は、「この世をば我が世とぞ思う」と詠じ、摂関政治の栄華を謳歌した藤原道長(966〜1027)で知られる藤原氏の嫡流です。本展覧会では、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産(Memory of the World)に登録されたばかりの道長の日記「御堂関白記」(国宝)のうち自筆本6巻・古写本2巻を特別公開いたします。
武家政権の時代となっても、藤原氏嫡流は摂関家の家柄を保ち、宮廷の儀式・典礼を最も体現する家として、朝廷に重きをなしました。道長の6代後孫である基実(もとざね)(1143〜66)を初代とする近衞家は、五摂家の筆頭格として、江戸時代末期に至るまで宮廷貴族の中心でありつづけたことから、同家には貴重な書跡・典籍・古文書や美術工芸の名品が数多く所蔵されました。
本展覧会では、気品漂う歴代天皇の宸筆(しんぴつ)をはじめとする書の至宝を一挙公開するほか、「寛永の三筆」の一人で薩摩とも関わりの深い近衞信尹(のぶただ)(1565〜1614)、江戸時代の代表的な文化人である近衞家凞(いえひろ)(1667〜1736)にもスポットをあてながら、公益財団法人陽明文庫(京都市右京区)が所蔵する近衞家伝来の名宝の数々をご紹介いたします。
主催者
本展のみどころ
藤原道長の自筆日記『御堂関白記』、ユネスコ世界記憶遺産登録後、九州初公開
書の殿堂、陽明文庫の名筆が勢ぞろい
近衞家を代表する文化人 信尹と家凞
一、藤原道長の自筆日記『御堂関白記』、ユネスコ世界記憶遺産登録後、九州初公開
近衞家は、摂政・関白となって天皇を補佐することができる五つの摂関家(五摂家)の筆頭として、宮廷貴族の頂点に位置する家です。その祖先は朝廷の重職をしめた藤原氏の嫡流であり、平安時代、道長の代にいたって全盛期を迎えます。その道長の日記である『御堂関白記』は千年の時を越えて伝えられた、現存する世界最古の自筆日記であり、その不朽の価値によって、2013年6月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産(Memory of the World)に登録されました。登録後、九州初公開となる本展覧会では、道長自筆本14巻のうち6巻を公開します。
二、書の殿堂、陽明文庫の名筆が勢ぞろい
貴族社会において、書は必須の教養でした。貴族達は筆跡の巧みな人を能書として尊敬し、その書を鑑賞したり、また手本として手習いをしたりしました。近衞家は歴代天皇とのゆかりが深く、このため陽明文庫には、天皇の書、すなわち「宸翰(しんかん)」が数多く伝えられています。歴代天皇はたんに朝廷の頂点にあって国政を執るばかりではなく、文化においても宮廷を主導しました。このように能書の王者でもあった歴代天皇の書、さらに小野道風、藤原佐理、藤原行成といった三蹟の筆と伝えられる書、和歌を大成した藤原定家の書など、宮廷を代表する名筆の数々を一堂にみることができます。
三、近衞家を代表する文化人 信尹と家凞
近衞家の代々の当主は、貴族社会の中心にあって、天皇とともに宮廷文化を主導してきました。このためそれぞれの時代を代表する文化人、教養人を輩出しています。近衞信尹は安土桃山時代から江戸時代にかけての激動の時代を生き抜いた近衞家の当主です。信尹は近衞家の荘園がかつて存在していた薩摩に配流され、現地で島津氏の厚遇を受けたこともあり、九州とゆかりの深い人物です。「寛永の三筆」と呼ばれる能書でもあり、伝統を学びつつも豪胆にしたためられた筆跡は、書の世界に桃山時代らしい新風を吹き込みました。家凞は博学多識で文献の蒐集家でもあり、古筆を模写・臨書したり、独自の美意識で表装したりして、保存に尽力しました。古典を研究し、新たな文芸を興した江戸時代きっての教養人です。本展覧会では、信尹と家凞によって復興され、革新された宮廷文化の精華を体感できます。
展覧会構成
*画像はクリックすると拡大します。
近衞家は藤原氏の嫡流である。藤原氏の始祖は大化改新で功を立てた中臣鎌足(614〜69)であり、その功績によって天智天皇(626〜71)から藤原の姓を賜った。鎌足の子・不比等(659〜720)は律令国家の完成に尽力し、その四子がそれぞれ南家・北家・式家・京家の祖となった。なかでも藤原北家の嫡流は、摂政・関白の地位に就いて、朝廷の実権を掌握し、その一環として宮廷で行われる様々な政務や儀式に関する絵画や記録が制作され、近衞家においても大切に伝えられた。藤原氏の氏社が奈良の春日大社であり、不比等が建立した氏寺の興福寺とともに藤原氏によって篤く信仰された。
藤原氏の氏神・春日神 鹿に乗り鹿島より来る
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重要文化財
春日鹿曼荼羅図
かすがしかまんだらず
鎌倉時代 13世紀
[展示期間:5月27日(火)〜6月8日(日)]
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重要文化財
春日鹿曼荼羅図
かすがしかまんだらず
鎌倉時代 13世紀
[展示期間:5月27日(火)〜6月8日(日)]
藤原氏の氏社である奈良・春日大社の神が常陸国鹿島(ひたちのくにかしま)より、鹿に乗り春日野に現れたという伝説を描いた絵画。榊の枝を立てた鹿、御神体とされる三笠山を描き、全体として春日神の存在を表現する。
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近衞家の始祖 大化改新の功労者
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藤原鎌足像
ふじわらのかまたりぞう
室町時代 16世紀
[展示期間:全期間]
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藤原鎌足像
ふじわらのかまたりぞう
室町時代 16世紀
[展示期間:全期間]
藤原鎌足は近衞家を含めた藤原氏の始祖。臨終の床で天智天皇から当時最高の冠位・大織冠(たいしょくかん)と藤原姓を賜った。本作品は多武峰寺(とうのみねでら)(現在の談山神社)に神として祀られた鎌足を描いた礼拝画。近衞家の歴代当主が厳護してきた。
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「御堂関白記」は藤原道長の日記であり、およそ千年前の自筆本14巻が、藤原氏の嫡流である近衞家に伝存した。現存する自筆の日記としては世界最古である。道長は3人の娘を次々に天皇の后とし、天皇の叔父や祖父として、左大臣、摂政、太政大臣を歴任して摂関政治の全盛期を築いた。国政の頂点にあって政治を主導した道長の日記は、こだわりのない大らかな筆致で、摂関政治の実態を千年の後に伝えており、不朽の価値を持っている。道長は太政大臣、摂政に就任したが、関白にはなっていない。御堂(法成寺)を建立したこととあわせ、後世、尊崇の念をこめて「御堂関白」と呼ばれた。
未来に遺すべき人類の宝 世界最古の自筆日記
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世界記憶遺産
国宝
御堂関白記
みどうかんぱくき
藤原道長筆 平安時代10〜11世紀
[展示期間:全期間(会期中入替あり)]
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世界記憶遺産
国宝
御堂関白記
みどうかんぱくき
藤原道長筆 平安時代10〜11世紀
[展示期間:全期間(会期中入替あり)]
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天皇の后となった娘が皇子を出産 道長、栄華を謳歌す
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世界記憶遺産
国宝
御堂関白記
みどうかんぱくき(寛弘六年下巻)
藤原道長筆 平安時代 寛弘6年(1009)
[展示期間:4月15日(火)〜5月11日(日)]
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世界記憶遺産
国宝
御堂関白記
みどうかんぱくき(寛弘六年下巻)
藤原道長筆 平安時代 寛弘6年(1009)
[展示期間:4月15日(火)〜5月11日(日)]
平安時代に摂関政治の全盛期を築いた藤原道長の日記。自筆の日記としては世界最古。長徳元年(995)より治安元年(1021)までの記録が断続的に伝わる。自筆本14巻、古写本12巻が現存。寛弘六年下巻には、道長の外孫である皇子敦良(後に即位して後朱雀天皇となる)の誕生について記している。
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世界記憶遺産とは
世界記憶遺産(Memory of the World)は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が主催する事業。「世界の記憶」とも呼ばれる。世界各国の貴重な歴史的記録遺産を保護し、最新のデジタル技術を駆使して世界中のあらゆる人々に永久的に公開することを目的とした事業である。ユネスコの国際諮問委員会が2年に1度、審査を行っている。2013年6月現在、フランスの「人権宣言」、オランダの「アンネの日記」など299点が登録されている。日本からは、炭鉱絵師・山本作兵衛の作品群、スペインと共同推薦した「慶長遣欧使節関係資料」、そして、藤原道長の日記「御堂関白記」の3件が登録されている。
中国にならって宮廷文化を受容し、発展させてきた日本の貴族社会において、漢詩や和歌、琵琶や笛、琴などの音楽とともに、書はきわめて重要な教養であった。書の巧みな人は能書と呼ばれ、高い評価を受けた。能書の筆跡は美しい料紙にしたためられ、冊子や巻物に仕立てられた。これらは贈り物として貴ばれ、鑑賞されたり、手習いの手本となったりした。近衞家は祖先の藤原氏の時代から天皇家とのゆかりが深く、道長の外孫である後朱雀天皇から孝明天皇にいたる歴代天皇の書を多く伝える。また三蹟の書とされる作品や藤原定家の筆跡などが伝来するのも、近衞家が貴族社会の中心であり続けたことによるものであろう。
熊野を愛した多芸多才の帝王の書
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国宝
熊野懐紙 くまのかいし 「深山紅葉・海辺冬月」
後鳥羽上皇宸筆 鎌倉時代 建仁元年(1201)
[展示期間:4月15日(火)〜5月11日(日)]
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国宝
熊野懐紙 くまのかいし 「深山紅葉・海辺冬月」
後鳥羽上皇宸筆 鎌倉時代 建仁元年(1201)
[展示期間:4月15日(火)〜5月11日(日)]
後鳥羽上皇は熊野三山に熱心に参詣し、その道中では和歌会が催された。この作品は和歌会で詠まれた歌を上皇が記したもの。あらわな筆の勢いとメリハリのきいた線が特徴の書で、後鳥羽上皇ならではの激しい性格を暗示している。
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行成の書風を伝える『倭漢朗詠集』の古写本
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国宝
倭漢抄下巻
わかんしょうげかん
平安時代 11世紀
[展示期間:全期間(会期中入替あり)]
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国宝
倭漢抄下巻
わかんしょうげかん
平安時代 11世紀
[展示期間:全期間(会期中入替あり)]
平安時代に愛唱された詩歌から朗詠に適したものを選び出した『倭漢朗詠集』下巻の写本。格調高く温雅な筆致が美麗な料紙と調和する。行成様を示すが、藤原公経(1051以前〜99)の筆とする説が有力。
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近衞家17代の信尹(のぶただ)(信輔)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての能筆家。近衞流とよばれる独自の書法を確立し、本阿弥光悦・松花堂昭乗とともに「寛永の三筆」と称される。古来、摂政家が独占してきた関白職に豊臣家が任官することへの不満を露わにした信尹は、後陽成天皇の勅勘を蒙り、薩摩配流の憂き目にあう。しかし、信尹は配流生活のなかで平静を取りもどし、近衞家流書法の基礎を固めた。武人的で奔放な性格をもつ信尹が遺した大胆な筆跡は、変転めまぐるしい時代を生きぬいた足跡ともいえる。
近衞流形成期の因縁の書
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和歌懐紙 わかかいし「侍 行幸聚楽第」
近衞信尹筆 安土桃山時代 天正20年(1592)
[展示期間:全期間]
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和歌懐紙 わかかいし「侍 行幸聚楽第」
近衞信尹筆 安土桃山時代 天正20年(1592)
[展示期間:全期間]
天正20年正月、関白豊臣秀次が主催した聚楽第での和歌会で、左大臣の近衞信尹(当時の名乗りは信輔)が自ら詠んだ和歌を揮毫(きごう)したもの。近衞流書法の成立過程を示す。この直後に左大臣を辞した信尹は、薩摩に配流される運命をたどるも、近衞流書法を確立させていくのであった。
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和歌の色紙と屏風の下絵が優雅に調和
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源氏物語和歌色紙貼交屏風
げんじものがたりわかしきしはりまぜびょうぶ
近衞信尹筆 安土桃山〜江戸時代 16〜17世紀
[展示期間:全期間]
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源氏物語和歌色紙貼交屏風
げんじものがたりわかしきしはりまぜびょうぶ
近衞信尹筆 安土桃山〜江戸時代 16〜17世紀
[展示期間:全期間]
近衞信尹が『源氏物語』の作中の和歌を揮毫した色紙61紙を、六曲一双の金屏風に貼り交ぜる。今回公開する右隻は、金地に濃彩で土坡(どは)・菊花の下絵を施した画面一面に、装飾料紙を用いて和歌を揮毫した色紙31紙を貼り込む。
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近衞家21代の家凞(いえひろ)は、江戸時代の代表的な文化人。確かな鑑識眼にもとづき、名筆アルバムである「大手鑑」を編集するなど、近衞家伝来の書跡の保存に努め、明・清代の裂(きれ)を大胆かつ斬新に用いた表具には独自の美意識が凝縮されている。多才な才能にめぐまれた家凞は、書画を得意として数多くの名品を遺し、晩年には茶の湯にも深い造詣を示した。
多才な文化人の晩年の面影
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近衞家凞像
このえいえひろぞう
九峰自端賛・寛深画 江戸時代 18世紀
[展示期間:全期間]
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近衞家凞像
このえいえひろぞう
九峰自端賛・寛深画 江戸時代 18世紀
[展示期間:全期間]
近衞家凞の晩年の出家した姿を描く肖像画で、多才な文化人の繊細な人柄を偲ばせる。本像は、家凞没後の四十九日法要の際に描かれた肖像画を、十数年後に家凞の八男で大覚寺門跡・大僧正の寛深が写したもの。
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近衞家伝来の珠玉の名筆アルバム
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国宝
大手鑑
おおてかがみ
近衞家凞編 奈良〜室町時代・8〜16世紀
[展示期間:全期間(会期中帖替あり)]
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国宝
大手鑑
おおてかがみ
近衞家凞編 奈良〜室町時代・8〜16世紀
[展示期間:全期間(会期中帖替あり)]
奈良〜室町時代の天皇・皇族・摂関や能筆家などの名筆の断片を集めた古筆手鑑のなかでも質量ともに充実した珠玉の名品。なかでも冒頭を飾る伝聖武天皇筆の「賢愚経断簡」(けんぐきょうだんかん)(大聖武)は20行にわたる破格の大きさを誇る。近衞家凞が伝家の古筆切を集成したもので、五摂家筆頭の家格に相応しい。
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余生は茶の湯に傾倒
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近衞家凞遺愛茶の湯道具
このえいえひろいあいちゃのゆどうぐ
江戸時代 17〜18世紀
[展示期間:全期間]
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近衞家凞遺愛茶の湯道具
このえいえひろいあいちゃのゆどうぐ
江戸時代 17〜18世紀
[展示期間:全期間]
茶の湯にも深い造詣を示した近衞家凞が愛用した道具。黒楽茶碗・春慶茶入のほか、家凞自作の茶杓が伝わる。正徳2年(1712)に摂政の職を辞した家凞は、翌年から享保21年(1736)に没するまでの23年間に308回もの茶会を催すほど、茶の湯をこよなく愛した。
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見る者を驚かす茶菓子入れ
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白磁無地金襴手馬上盃 はくじむじきんらんでばじょうはい「金琺瑯」きんぽうろう
中国・清時代 18世紀
[展示期間:全期間]
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白磁無地金襴手馬上盃 はくじむじきんらんでばじょうはい「金琺瑯」きんぽうろう
中国・清時代 18世紀
[展示期間:全期間]
白磁の外側一面に上絵付で金彩を施した馬上盃。関白近衞家久が正室・側室の実家である薩摩藩島津家から入手し、父家凞に贈ったもの。清代の中国陶磁であるが、家凞は「阿蘭陀(おらんだ)ノ焼物」とみなし、茶会の席で菓子入として用いてみせた。
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家凞の斬新なセンスに注目
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官服裂
かんぷくぎれ
中国・明時代 17〜18世紀
[展示期間:全期間]
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官服裂
かんぷくぎれ
中国・明時代 17〜18世紀
[展示期間:全期間]
中国・明朝の高級官僚が着した官服を引き解いて裂(きれ)にしたもの。近衞家凞は伝家の書跡や自らの書画を表装する際、伝統的に尊重されてきた宋・元代の裂ではなく、明・清代の新しいデザインの裂を好んで用いた。家凞の斬新なセンスを窺わせる一品。
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近衞家の伝来品を守り継いできた陽明文庫は、「御堂関白記」に代表される貴重な古記録・古文書や書跡の至宝だけでなく、優美な宮廷文化の一端を垣間みせる美術工芸品も所蔵する。伝家の宝刀として公家社会においても尊重されてきた刀剣類、絵画・金工・漆工の名品、貴族社会ならではの愛嬌ある御所人形など、今に伝えられる美術工芸品から、昔年の宮廷文化の余香を味わいたい。
伝家の宝刀は貴族社会にもあり
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重要文化財
太刀 銘 秀近 附 梨地菊桐紋蒔絵 糸巻太刀拵 たち めい ひでちか つけたり なしじきくきりもんまきえ いとまきたちこしらえ
平安〜鎌倉時代 12〜13世紀
[展示期間:全期間]
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重要文化財
太刀 銘 秀近 附 梨地菊桐紋蒔絵 糸巻太刀拵 たち めい ひでちか つけたり なしじきくきりもんまきえ いとまきたちこしらえ
平安〜鎌倉時代 12〜13世紀
[展示期間:全期間]
太刀の銘にみえる「秀近」は平安末〜鎌倉初期の備前刀工。外装の糸巻太刀拵は江戸時代中期の作。太刀は、貴族社会においては儀仗刀として重要な意味をもった。近衞家には刀剣の名品が多く伝存し、本品を含めて4口が重要文化財、2口が重要美術品である。
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江戸琳派の確立者・酒井抱一の意欲作
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四季花鳥図屏風
しきかちょうずびょうぶ
酒井抱一筆 江戸時代 文化13年(1816)
[展示期間:全期間]
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四季花鳥図屏風
しきかちょうずびょうぶ
酒井抱一筆 江戸時代 文化13年(1816)
[展示期間:全期間]
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四季花鳥図屏風
しきかちょうずびょうぶ
酒井抱一筆 江戸時代 文化13年(1816)
[展示期間:全期間]
筆者の酒井抱一は尾形光琳に私淑し、江戸琳派とよばれる画風を確立したことで知られる。本作は抱一56歳の作品で、光琳にならって大画面制作に着手してまもない時期のもの。華やかな金地濃彩の画面のなかに、移ろいゆく四季の花鳥を気品高く描きあげる。
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近衞家と陽明文庫
近衞家は摂政・関白等の重職を担い、宮廷の中心として政治や儀式を執り行ってきた。その遂行のためには日々の行事の記録や文書類を守り伝えることが重要であった。また歴代当主が各時代を代表する教養人であったためもあり、近衞家には奈良・平安時代から近代にいたるまでの書跡・典籍・古文書および美術工芸品約20万点が伝来した。
これらの伝世品を永く保存し、公共の利用に供するため、昭和13年(1938)、時の首相であった近衞家29代文麿(1891〜1945)は、財団法人(現在は公益財団法人)陽明文庫を発足させた。近衞家は、藤原忠通の嫡子基実が平安京の近衞大路室町にあった近衞殿を居所とし、その子孫が代々この邸宅を伝領したことから、近衞を家名とした。近衞大路は平安宮の陽明門から東に発する大路であったことから陽明大路とも呼ばれ、近衞家は陽明家とも称した。陽明文庫の名はこれに由来し、発足以来70年以上にわたり、貴重資料の整理、調査、閲覧、展示公開などの公益活動を地道に続けている。
現在所蔵する国宝は8件、重要文化財は60件、重要美術品は31件にのぼる。
主催
九州国立博物館・福岡県、西日本新聞社、TVQ九州放送、公益財団法人陽明文庫
特別協力
太宰府天満宮
共催
公益財団法人九州国立博物館振興財団
後援
文化庁、佐賀県、熊本県、長崎県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、九州・沖縄各県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、北九州市、北九州市教育委員会、太宰府市、太宰府市教育委員会、西日本リビング新聞社、cross fm、FM FUKUOKA、LOVE FM、西日本鉄道、九州旅客鉄道、一般社団法人日本自動車連盟福岡支部、NEXCO西日本九州支社、一般社団法人福岡市タクシー協会、一般社団法人福岡県タクシー協会、福岡商工会議所、太宰府市商工会、太宰府観光協会、一般社団法人日本旅行業協会、西日本文化サークル連合、西日本新聞TNC文化サークル
お問い合わせ
050-5542-8600(NTTハローダイヤル午前8時〜午後10時)