過去の展示情報

特別公開 :

大分県指定文化財 木造大応国師坐像 像内納入品特別公開


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展示期間:

平成24年7月31日(火)〜9月9日(日)

展示場所:

文化交流展示室 関連第6室

概要:

 海門山円福寺(かいもんさん えんぷくじ)は、大分県豊後高田市に所在する臨済宗大徳寺派の寺院です。寺の由緒書によると建治3年(1277)に七堂伽藍が建立されたといい、南浦紹明(なんぽじょうみん=大応国師(だいおうこくし)・1235〜1308)が開山(寺の創始者)に仰がれました。
 大応国師は、鎌倉・建長寺の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう・1213〜78)や中国・南宋の虚堂智愚(きどうちぐ・1185〜1269)のもとで禅を学び、その教えは弟子の大徳寺開山・宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう=大燈国師(だいとうこくし)・1282〜1337)など、多くの禅僧に引き継がれました。また大応国師は、大宰府横岳の崇福寺(そうふくじ)に文永9年(1272)より33年間住持したことでも知られています。
 昭和63年度に行われたX線撮影調査により、木造大応国師坐像(大分県指定文化財、南北朝時代・14世紀、円福寺蔵)の頭内に納入品が含まれることが確認されましたが、これまでその詳細は不明のままでした。しかし、平成23年度より住友財団の文化財維持・修復事業助成を受けて坐像の解体修理が開始され、像内納入品もすべて取り出され修理が行われました。
 これらの納入品は、坐像の修理完了時に再び像内へ戻されます。この貴重な機会に、今日まで木造大応国師坐像を大切に守り伝えてきた円福寺の歴史や、それを支えた人々の営みについて想いをはせていただければ幸いです。

特別公開像内納入品一覧:

名称 員数 時代
般若波羅蜜多心経(日課写経) 1巻 鎌倉時代・嘉暦4年(1329)
蘭谷本英願文および金剛般若波羅蜜経・般若波羅蜜多心経 1巻 南北朝時代・建武4年(1337)
妙金・宇都宮成縄連署舎利塔奉納願文および包紙 1通・1枚 室町時代・享徳3年(1454)
五輪塔・蓮実形舎利容器および袋・包紙 一括 南北朝〜室町時代・14〜15世紀
豊後州国崎郡来縄郷志手村海門山円福禅寺略記 1通 江戸時代・元禄4年(1691)
舎利奉納記 1枚 江戸時代・元禄4年(1691)
京七条大仏師康純修理記 1枚 江戸時代・元禄4年(1691)
奉納品包紙 2枚のうち1枚 江戸時代・元禄4年(1691)
特別公開像内納入品の紹介
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大分県指定文化財 木造大応国師坐像 像内納入品

大分県指定文化財 木造大応国師坐像 像内納入品

大分県指定文化財 木造大応国師坐像 像内納入品