過去の展示情報

トピック展示 :

平戸 − 海外に開かれた港市 −
平戸オランダ商館開館記念


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展示期間:

平成23年7月6日(水)〜8月15日(月)

展示場所:

文化交流展示室 関連第11室

概要:

 日本の西端にあたる平戸は、日中間の航路の要衝として、8世紀の遣唐使船の時代から長い歴史を刻んできました。とりわけ16世紀から17世紀前半の時代には、中国人私貿易商人(いわゆる倭寇)の拠点やポルトガル船の来航地として発展し、オランダやイギリスの商館が設置されるなど、世界に開かれた自由な港市としての繁栄を謳歌します。
 平戸には、このような海外との長い交流の歴史の中で諸国からもたらされた様々な文物や文化が、数多く残されています。幕府の命令でオランダ商館が長崎に移転した後も、松浦清山に代表される歴代平戸藩主は、過去海外貿易に携わった歴史を忘れず、いわゆる「ハイカラ大名」として、海外の文物や情報を積極的に収集していました。
 本展では、そうした平戸の長く多彩な海外交流の歴史を紹介いたします。松浦史料博物館の収蔵品や、生月島のかくれキリシタン信仰物など、これまであまり紹介された事のなかった史料も多数展示しております。
 今年、平成23年9月20日(火)には、平戸和蘭商館の1639年築造倉庫を復元・開館いたします。  この機会に平戸に足をお運びいただき、海外交流の時代の風を感じていただければ幸いです。

展示品目録:

展示作品の紹介
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磁器(オランダ商館跡出土品)

磁器(オランダ商館跡出土品)
中国明時代 17世紀
平戸市
平戸オランダ商館跡からは、1610年代の中国景徳鎮漳州窯製の磁器片が大量に出土した。東アジア海域の貿易に関与したオランダ東インド会社の活動を窺わせる。

磁器(オランダ商館跡出土品)
中国明時代 17世紀
平戸市
平戸オランダ商館跡からは、1610年代の中国景徳鎮漳州窯製の磁器片が大量に出土した。東アジア海域の貿易に関与したオランダ東インド会社の活動を窺わせる。

白地幾何学鋸歯紋更紗陣羽織

白地幾何学鋸歯紋更紗陣羽織
(しらじきかがくきょしもんさらさじんばおり)
江戸時代 17世紀
松浦史料博物館
山鹿素行(やまがそこう)(1622〜85)着用の陣羽織として松浦家に伝存するもので、インド産更紗の紋様と類似する。更紗は当時、重要な貿易品だった。

白地幾何学鋸歯紋更紗陣羽織
(しらじきかがくきょしもんさらさじんばおり)
江戸時代 17世紀
松浦史料博物館
山鹿素行(やまがそこう)(1622〜85)着用の陣羽織として松浦家に伝存するもので、インド産更紗の紋様と類似する。更紗は当時、重要な貿易品だった。

コルネリアのジャガタラ文

コルネリアのジャガタラ文
インドネシア共和国 17世紀 
平戸市
鎖国政策の一環としてジャカルタに追放された混血児などが、日本の肉親知人にあてた手紙をジャガタラ文という。コルネリアという女性が平戸の母に書いたもの。

コルネリアのジャガタラ文
インドネシア共和国 17世紀 
平戸市
鎖国政策の一環としてジャカルタに追放された混血児などが、日本の肉親知人にあてた手紙をジャガタラ文という。コルネリアという女性が平戸の母に書いたもの。

顕花植物図譜(蘭語)

顕花植物図譜(蘭語)
(けんかしょくぶつずふ(らんご))
オランダネーデルランド連邦共和国 18世紀
松浦史料博物館
ドイツ語の原書の蘭訳で、植物をアルファベット順に、解説文と精密な図譜を用いて紹介している。

顕花植物図譜(蘭語)
(けんかしょくぶつずふ(らんご))
オランダネーデルランド連邦共和国 18世紀
松浦史料博物館
ドイツ語の原書の蘭訳で、植物をアルファベット順に、解説文と精密な図譜を用いて紹介している。

小方儀(彎窠羅鍼)

小方儀(彎窠羅鍼)
(しょうほうぎ(わんからしん))
江戸時代 19世紀
松浦史料博物館
方位測定の器具で「杖先羅針」とも呼ばれる。野外で測量を行う際に地点間の方位(角度)を読むための磁石で、どんな場所で用いても水平が保てるようになっている。

小方儀(彎窠羅鍼)
(しょうほうぎ(わんからしん))
江戸時代 19世紀
松浦史料博物館
方位測定の器具で「杖先羅針」とも呼ばれる。野外で測量を行う際に地点間の方位(角度)を読むための磁石で、どんな場所で用いても水平が保てるようになっている。

ザビエルのメダイ(正和2垣内御前様)

ザビエルのメダイ(正和2垣内御前様)
(しょうわにかきうちごぜんさま)
安土桃山時代〜江戸時代 16〜17世紀
平戸市生月町博物館島の館
楕円形メダイの片面にザビエル、別の面にイグナチウスロヨラの姿がある。

ザビエルのメダイ(正和2垣内御前様)
(しょうわにかきうちごぜんさま)
安土桃山時代〜江戸時代 16〜17世紀
平戸市生月町博物館島の館
楕円形メダイの片面にザビエル、別の面にイグナチウスロヨラの姿がある。

担当者のコメント

平戸の特徴である海外交流史にまつわる資料、なかでも松浦家伝来のコレクションや、これまであまり目にする機会のなかった「かくれキリシタン」関連の資料を、はじめて一同に展示します。

前田秀人(平戸市教育委員会文化遺産課)


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