過去の展示情報

トピック展示 :

彫漆 漆に刻む文様の美

展示期間:

平成23年6月14日(火)〜7月31日(日)

展示場所:

文化交流展示室 関連第9室

概要:

 彫漆とは、盆や合子など器物の表面に、漆を何度も塗り重ねて厚い層をつくり、その漆層に文様を彫りあらわす漆芸技法です。漆は、朱、黒、黄、緑といったさまざまな彩漆(いろうるし)を用いますが、日本では、表面に朱(あか)い漆が塗られているものを堆朱(ついしゅ)、黒い漆が塗られているものを堆黒(ついこく)と呼びます。
 本トピック展示では、東京国立博物館および九州国立博物館の所蔵品を中心に、彫漆器の優品、32件を展示いたします。漆層の美しさ、彫技の素晴らしさをご覧ください。

主な展示品:

名称 時代・年代 所蔵
こうせきへきふついしゅばん
後赤壁賦堆朱盤
中国・宋時代
13世紀
九州国立博物館
ろうかくじんぶつついこくばん
楼閣人物堆黒盤
中国・宋時代
13世紀
東京国立博物館
れんげついこくちょうほうばん
蓮花堆黒長方盤
中国・宋時代
13世紀
九州国立博物館
展示作品の紹介
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後赤壁賦堆朱盤

後赤壁賦堆朱盤(こうせきへきふついしゅばん)
中国・宋時代
13世紀
九州国立博物館

後赤壁賦堆朱盤(こうせきへきふついしゅばん)
中国・宋時代
13世紀
九州国立博物館

北宋の詩人・蘇軾(そしょく)の詠んだ詩「後赤壁賦」をあらわした大型の盤。宋時代の彫漆を代表する名品である。

蓮花堆黒長方盤

蓮花堆黒長方盤(れんげついこくちょうほうばん)
中国・宋時代
13世紀
九州国立博物館

蓮花堆黒長方盤(れんげついこくちょうほうばん)
中国・宋時代
13世紀
九州国立博物館

蓮花を中心に花々をあらわした小さな盤。文様の黒と地色の朱漆(しゅうるし)とのコントラストが華やかで美しい。

担当研究員のコメント

今回のトピック展示では、東京国立博物館と当館の所蔵品を中心に、貴重な優品を一同に集めました。
高い芸術性と、洗練された美しさをもつ彫漆器。
この機会にぜひご覧いただき、その魅力に触れていただければ幸いです。

川畑憲子(学芸部企画課研究員)


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