過去の展示情報
進化する博物館II 〜みる、きく、ふれる、神々の青銅器へのいざない〜

展示風景
展示期間:
平成22年2月9日(火)〜3月28日(日)
展示場所:
文化交流展示室 関連第3室内(第2室側半分)
概要:
博物館は、日々、進化しています。文化財を守り伝えることが博物館の社会的な使命ですが、文化財が持っている美しさの「秘密」や技術の「すごさ」を明らかにし、ご鑑賞いただくことも重要な役割となっています。
当館では平成19年10月2日〜20日に「進化する博物館〜迫真のアンコール遺跡 尊顔とバイヨン寺院展〜」を開催し、デジタルミュージアムを支えるさまざまなテクノロジーを紹介してきました。本企画は、その第二弾として可視化(ビジュアリゼーション)に重点を置きました。
この展示を通してご来館いただいた方々に、陳列品をガラス越しに見るだけでない、「みる」、「きく」、「ふれる」をキーワードに「五感で楽しむ博物館」の実現を目指します。特に、日本ではなかなか見ることができない中国古代青銅器の優品を、三次元計測技術を駆使して再現した複製資料に実際に触れてみる体験は、技術のすごさや美しさの秘密を実感することができるでしょう。また、装飾古墳のVRコンテンツを立体画像として出力することも、文化財としては、はじめての試みです。進化する博物館の今を魅せるこのトピック展示を、心ゆくまでお楽しみください。
*3月1日(月)に展示替えを行い、3次元モデルとなった作品が大きく変わります。
ぜひ、2月中(2月28日まで)にご来場下さい。
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虎卣(こゆう) 虎が後足と前足とで立ち上がり、前足で人を抱えている形を表現した卣。虎の頭部が蓋で、鹿の立体像がつまみに当たる。虎の背中には大きな饕餮文があり、その鼻が象鼻上に伸びて尻尾へと続く。神虎が邪鬼を食べるという思想や虎が人間を守護するという見方など、さまざまな解釈がなされている。 |
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【三次元計測技術で再現した複製資料】 会場内で、実際に触れることが出来ます。 |
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象文兕觥(ぞうもんじこう) 楕円形をした器で、身には注ぎ口側と表裏中央に稜飾が付いている。蓋から圏足まで浮き彫り状の文様で覆われており、蓋は注ぎ口側に怪獣の顔、取っ手側にミミズクの顔が描かれている。それ以外の部分にも、鳥・龍・象・兎などがあちこちに配されている。 |
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【三次元計測技術で再現した複製資料】 会場内で、実際に触れることが出来ます。 |
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鴟鴞卣(しきょうゆう) 蓋と身で、ちょうどミミズクが背中合わせになった様子を表現した卣。胴部には大きな翼が描かれており、その隙間には小鳥と小蛇が配列されている。文様の彫りが深く、鋳上がりもすばらしい。 |
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ヒョウ氏編鐘(ひょうしへんしょう) 14個がセットになった編鐘。本来は14個で構成されていた。逆U字形の鈕が付き、蟠螭文と羽状文とで飾られている。全てに銘文が鋳込まれており、戦国時代初頭の史実を反映した貴重な記録として知られている。伝洛陽金村出土。 |
担当研究員のコメント
泉屋博古館が所蔵する中国古代青銅器(住友コレクション)について、最新技術を駆使した「五感で楽しむ博物館」の展示を行います。
河野一隆(企画課文化交流展室長)