過去の展示情報

トピック展示 :

北と南の民俗詩 - アイヌ・琉球の人々 -

展示期間:

平成20年9月17日(水)〜10月26日(日)

展示場所:

文化交流展示室第11室

概要:

 日本列島は南北に長く、3500キロメートルにわたり海上に横たわっています。

 北の大地にはアイヌの人々が暮らし、独自の文化を培ってきました。そこは決して北の果てなどではありません。樺太や千島列島を経てシベリア大陸やアメリカ大陸へと連なる、重要な結節点の一つなのです。

 南の海に位置する琉球弧には琉球王国が栄え、固有の文化を築いてきました。琉球も中国や南方世界へとつながる海の道の途上にある大きな拠点の一つでした。

 このトピック展示では、我が国の北と南の境界領域であった地に生きてきた、アイヌと琉球の人々の暮らしと祈りについて紹介します。

展示リスト:

主な展示作品
展示作品の紹介
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蝦夷島奇観

蝦夷島奇観
秦檍丸著・筆 江戸時代 文化4年(1807)
東京国立博物館所蔵

蝦夷島奇観
秦檍丸著・筆 江戸時代 文化4年(1807)
東京国立博物館所蔵

秦檍丸(はたのあおぎまろ)(1760〜1808)は伊勢国宇治山田の生まれで、幕府の役人となって蝦夷地に渡りました。檍丸は、和人の圧力によってアイヌの人々の伝統的な生活や慣習が失われていくのを惜しみ、この書を著しました。熊の魂を神の国に送り返すイヨマンテ(熊祭り)と狐や鮭を捕る狩猟の場面を紹介します。

タマハビル

タマハビル
奄美大島・大和家資料 琉球・第二尚氏時代 19世紀
東京国立博物館所蔵

タマハビル
奄美大島・大和家資料 琉球・第二尚氏時代 19世紀
東京国立博物館所蔵

琉球には国や村落の安泰、豊穣を神々に祈る神女が古くから存在していました。タマハビルは神女の祭具のひとつです。色とりどりの硝子玉で編まれ、端には三角形の裂地「ハビル」がついています。ハビルとは蝶々のこと。琉球では蝶を精霊・魂として信仰する風習があり、神女はこのタマハビルを背中に掛けて儀式を行いました。