展示情報
![]() |
平成26年2月25日(火)〜4月6日(日)
平成26年4月8日(火)〜5月18日(日)
270年に及ぶ安定を謳(うた)った江戸時代は、日本の美術が最も多面的に展開し、独創に富んだ絵画がつくりだされた時代でもありました。安土桃山時代の遺風を伝える障屏画(しょうへいが)や、長崎を通じてもたらされた外来の文化に刺激を受けた斬新な絵画など、その豊かで多彩な表現世界は、今なお我々を魅了してやみません。
本展では、17世紀から19世紀の絵画を中心に、当館がこれまで収集してきた作品をご紹介します。近世絵画に映し出された瑞々しい好奇心と、生き生きとした描写をお楽しみください。
前期は「屏風絵の世界」、後期は「外国との交流文化」をテーマに展示作品を入れ替えます。
ぜひ二度、足をお運びください。
唐船・南蛮船図屏風
とうせん なんばんせんずびょうぶ
狩野孝信筆 安土桃山〜江戸時代・17世紀
右隻に、日本に到着した黒い南蛮船と賑やかな港町、左隻には中国の港に入港する白い唐船と積荷の陸揚げ、貴人の邸宅が描かれています。近年、発見された作品で、百点近く伝わる南蛮屏風のなかでも出色の描写と完成度を誇ります。
南蛮船駿河湾来航図屏風
なんばんせんするがわんらいこうずびょうぶ
江戸時代・17世紀
三保の松原や清見寺(せいけんじ)、清見が関など、駿河湾を舞台としたと考えられる、珍しい南蛮屏風です。慶長十二年に駿河湾で南蛮船が目撃されたという記録があり、そうした史実と関係を持つと考えられます。
重要文化財 陸奥奇勝図巻
むつきしょうずかん
池大雅筆 江戸時代・寛延二年(1749)
日本三景の松島を、透明感ある彩色と即興性を感じさせる筆遣いで表わした大雅二十代の傑作。中国の文人にならい旅を愛した大雅は、26歳の時に松島を訪れ、翌年にその光景を回想して本図を描きました。
近世絵画の楽しみかた【2】「外国との文化交流から生まれた江戸絵画」
*画像はクリックすると拡大します。
ミュージアムトーク
15時〜 15時30分
帝鑑図屏風
ていかんずびょうぶ
狩野派 江戸時代・17世紀
右に鑑(かがみ)とすべき聖君の6つの物語、左は戒めとすべき暗君の愚行が描かれています。中国の帝王学の書『帝鑑図説』を手本としており、日本でも豊臣秀頼などの為政者たちに好まれました。本作品は、バイエルン王国ルプレヒト皇太子の旧蔵品です。
化物絵巻
ばけものえまき
狩野宗信筆 江戸時代・17世紀
化物たちが人間に化けたり脅かしたりしています。僧に化けた狐が、葉でできた衣を着ていたり、蚊帳(かや)の中から化猫(ばけねこ)を見る老女の背後に、夏らしく芙蓉の屏風が立てられていたり、さらりとした描きぶりのなかにも凝った演出が見られます。
百花図屏風
ひゃっかずびょうぶ
山本宗川筆 江戸時代・18世紀
春から秋に咲く、114種類もの草花が、驚くほどの緻密さで描かれた屏風。従来は絵にはなりにくかった雑草から、ウコンのように当時珍しかった品種、セキチク(カーネーション)のように江戸時代に輸入された植物もあります。植物図の先駆的な作例です。
近世絵画の楽しみかた【1】「屏風絵の世界へようこそ」
*画像はクリックすると拡大します。