展示情報
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18世紀から20世紀初頭にかけて収集されたアイヌの人たちの生活文化を語る資料
がロシア科学アカデミー・ピョートル大帝記念人類学民族学博物館(通称:クン
ストカメラ)に多数収蔵されています。
これらの資料は、千島列島でヴォズネセンスキーが収集した千島アイヌの資料、
サハリン(樺太)でピウスツキが収集した樺太アイヌの資料、また、ピウスツ
キとシェロシェフスキが1903年に白老と平取で収集した北海道アイヌの資料など、
収集者や収集年、収集地が判明していることと、日本に現存しないものが多く
あることなどから、大変貴重な資料といえます。
本展は、同館が所蔵しているコレクションの中から約140点を展示公開するもの
で、日本では初公開となります。
また、日本ではその所在が知られていなかった幕末の絵師・平沢屏山による
アイヌ絵3点もあわせて公開いたします。
これらのアイヌ資料をとおして、かつて千島列島、サハリン(樺太)、北海道に
広く居住していたアイヌの人たちの歴史と生活文化をご紹介いたします。
*作品はすべてロシア科学アカデミー・ピョートル大帝記念人類学民族学博物館の所蔵品です。
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テンキ(籠〔テンキ草製〕)
テンキ草(ハマニンニク)の茎を使って作った容器です。テンキ草の茎を束ねて芯とし、その上に茎を巻きつけて作り上げています。同じような籠はカムチャツカからアラスカにかけて住んでいる先住諸民族の間でもつくられました。 |
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「雪中酒宴図」平沢屏山画
幕末から明治にかけて活躍した平沢屏山の作品です。2012年の調査で初めて日本に存在が確認されました。透かし(ウォーターマーク)の入ったイギリス製の洋紙に描かれています。 |
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カヤ(魚皮製の儀式用着物)
サケの皮を縫い合わせて作った女性用の着物です。背びれの部分を切り抜き、別の皮をアップリケのように当てています。衽や裾には木綿布やアザラシの皮を縫いつけています。 |
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イクパスイ/イクニッ(神に祈りを捧げる篦)
酒をカムイの世界に届け、アイヌの言い分を伝える役割をする道具です。この木のヘラの先端に酒をつけて祈ると、カムイの世界では酒や供物が何倍にもなって届けられるといいます。 |
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チプイヌフ(クマの耳当て〔儀礼用〕)
クマ送りの儀式の時にクマを飾りつけるためのものです。クマの姿を借りてアイヌの世界に来たカムイを、カムイの世界に送り返してやるのがクマ送りの儀式です。 |
担当者からのひとこと
今回紹介する資料は、18世紀から20世紀初めに収集されており、かつ収集年、収集地、収集者が判明している点で、当時のアイヌの人々の生活をじかに知ることができるたいへん貴重なものです。現在日本には残っていないものもあります。丁寧に見ていくと、千島・サハリン・北海道のそれぞれの色や文様の特色もみえてくるかもしれません。この機会にアイヌの人々の手業をご覧ください。アイヌ文様刺しゅう体験ワークショップ
(A)午前の部10時30分〜12時30分
(B)午後の部14時30分〜16時30分
(B)午後の部(14時30分〜16時30分)20名
*いただいた個人情報はワークショップ以外の目的には使用しません。
〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2
電話092-929-3294
FAX092-929-3980
講演会「アイヌコレクション-はるかなる時空の民族文化」
13時00分〜14時30分
ミュージアムトーク
〔2〕平成26年2月4日(火)15時00分〜15時30分