イベント

第5回 東アジア紙文化財保存修理シンポジウム

 東アジア紙文化財保存修理シンポジウムは、「漢字と紙の文化圏」における文化財修理関係者の情報共有・意見交換の場として、平成18(2006)年に第1回を北京で開催したのを皮切りに、日本・中国・韓国でこれまで4回開催してまいりました。また、平成20(2008)年度からは、ユネスコ北京事務所が中心となり、東アジアの伝統的製紙技術の現地調査・専門家会議を5年間にわたり、日中韓共同で実施してまいりました。
 今回のシンポジウムは、東アジアの紙文化財修理をとりまく人材育成、品質・伝統材料の確保などに関する諸問題に焦点をあて、これまでの日中韓共同の取り組みで得られた成果について各国の第一線の専門家が報告を行うとともに、東アジアにおける紙文化財保護に関する共通認識を示し、今後を展望する機会として開催いたします。
 またこの度は、平成19(2007)年の第2回に引き続き、九州国立博物館と国宝修理装潢師連盟の共催で開催いたします。両者はこれまで、文化財保存修理事業をはじめ、ユネスコによる紙調査、国際的な人材交流など、さまざまな事業に共同で取り組んでまいりました。今回のシンポジウムは、これまでの活動を締めくくるものであり、各国の参加者による活発な意見交換、充実した討議の展開が期待されます。
 関係者の皆様のご来聴をお待ちしております。

日時:

平成24年11月3日(土)

会場:

九州国立博物館1階ミュージアムホール

主催:

九州国立博物館
一般社団法人 国宝修理装潢師連盟

特別協力:

独立行政法人 国際交流基金
公益財団法人 文化財保護・芸術研究助成財団
ユネスコ北京事務所
韓国粧潢研究会
東アジア文化遺産保存学会

プログラム:

10:00〜10:20

開会挨拶・来賓祝辞

10:20〜11:05

基調講演
「東アジア紙文化財保存修理シンポジウム」をめぐる雑感
三輪嘉六(九州国立博物館長)

【セッション1】

11:15〜11:35

古代書籍の装幀と装丁技術
王金玉・馬灯翠(寧波市天一閣博物館)

11:35〜11:55

韓国 紙文化財の装潢
趙 恩恵(靖斎文化財保存研究所)

11:55〜12:15

日本における書跡・典籍・古文書の形式と装訂の変遷
石川登志雄(伝統文化財保存研究所)

【セッション2】

14:15〜14:35

中国書画用紙の現状について
陳 剛(復旦大学)

14:35〜14:55

保存修復用として使われている韓紙について
南 有美(韓国粧潢研究会/三星美術館Leeum)

14:55〜15:15

日本の紙漉き産地調査報告
〜東アジア地域における伝統的紙漉き産地のデータベース作成を通して〜
有吉正明(高知県立紙産業技術センター)

【セッション3】

15:20〜15:40

紙文化財保存修復における現代科学技術の応用
張 金萍・鄭 冬青(南京博物院)

15:40〜16:00

韓国紙類文化財保存の理念と実践
朴 智善(龍仁大学校)

16:00〜16:20

日本における紙文化財修理の理念と実践
坂田 雅之(国宝修理装潢師連盟)

【総括】

16:30〜16:45

ユネスコによる5ヶ年事業を振り返って
杜 暁帆(ユネスコ北京事務所)

16:45〜17:45

パネルディスカッション
コーディネーター:森田 稔(九州国立博物館副館長)

17:45〜17:50

閉会挨拶

参加申し込み:

参加のお申し込みは、一般社団法人 国宝修理装潢師連盟のホームページ上で承っております。
国宝修理装潢師連盟[別サイトリンク]