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九博に飾り山が登場

 九州国立博物館の1階エントランスに飾り山が出現しました。天神のエルガーラ・パサージュ広場に7月1日から14日の間に公開されていた「十七番山笠・天神一丁目」の飾り山です。博多祇園山笠振興会さんのご好意により、3日間かけて設置してもらいました。
 飾り山の表には一ノ谷の合戦を描いた「義経颯爽鵯越誉(よしつねさっそうひよどりごえのほまれ)」、見送りには九州国立博物館にちなんだ『美の国 日本(開館記念特別展)』が表現されています。


完成までの流れ


山笠搬入




組み立て1ヶ月前、職員総動員で山笠の飾りを運びました




初めて触れる飾り山に感動です




重量のある台を力合わせて運びます




館長も運んでみますか?




準備は万端です。組み立てが待ち遠しいですね


山笠組み立て 1日目




まずは骨組みから始まります




山大工さん7名により、
着々と土台が組み立てられていきます





飾り山の小屋を設置しないため、
四方をワイヤーで固定しなければなりません





こんな高さで作業しています




土台が組み上がるころには夕方になっていました。
明日は本格的に飾りつけが始まります



山笠組み立て 2日目




人形師さん監修のもと、飾りつけられます




顔の表面に木目が見えます
顔は木彫りで作られているそうです





馬も大変リアルです




先に大物(人形)を取り付けます
川や木は後からつけます





飾りには角材がつけてあり、木枠に打ち付けて取り付けます


山笠組み立て 3日目




今日が最終日
ちょうどファミリー見学会と重なり、
エントランスは賑わっています





人形はほぼ飾り終わり、川や岩などを付けていきます




小屋を組み立てていないため、
普段見ることのできない横の
飾り部分も見ることができます





最後のパーツを差し込みます




最後に皆さんで記念撮影です。本当にお疲れさまでした

解 説(松尾孝司/西日本新聞編集委員)

「義経颯爽鵯越誉」 人形師:中村信喬氏
 寿永3(1184)年、摂津国一ノ谷(現在の神戸市)で、源義経、武蔵坊弁慶、佐原十郎義連(よしつら)らは、意表をつき断崖絶壁の鵯越を馬で一気に駆け下り、平家の本営に攻め入った。
 この「逆落し」といわれる奇襲で、平家は大混乱に陥り、平忠度(ただのり)は討たれ、総大将平宗盛らは海上を西へと壊走。源頼朝の時代の始まりを告げようとしていた。三頭の馬を配し躍動感あふれる。人形の頭や手足などは木彫りでリアル。現代の都市アートである。



地上に近いほど大きな人形が飾られています。

『美の国 日本』 人形師:井上和彦氏
 九博のオープン記念展は「美の国 日本」。アジアとの文化交流のシンボルである菅原道真や卑弥呼、記念展を彩る出雲の阿国、唐獅子たちが開館を祝っている。神武天皇の神話の時代を織り込み、時空を越えた構図が大胆で華麗、あでやかな作品となった。



「唐獅子図屏風」(宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)は、特別展『美の国 日本』にて10月16日から11月12日の期間に展示いたします。


その後・・・




 9月5日には、山笠を神格化する「ご神入れ(ごしんいれ)」が行われました。九博での展示は、特別展『美の国 日本』が閉幕する11月27日まで。高さは11メートルもあり、圧巻です。
 九州国立博物館の開館は10月16日からです。ぜひこの機会に九博へお越しになり、勇壮な飾り山とともに九州国立博物館の展示をご覧になってはいかがでしょうか。