新年を迎えた文化交流展室でひときわ注目の的になっている展示品が、「サンチャゴの鐘」。
　今までの福岡・承天寺の高麗鐘に代わって1月1日から公開を開始している。鐘の側面には、「ホスピタル・サンチャゴ・1612」という銘文があり、安土・桃山時代の製造ということも興味がそそられる。さらに、特別展「細川家の至宝」の展示室にも九曜紋を表したそっくりの鐘が展示されていることも、話題の一つになっているようだ。
　このサンチャゴ病院とは、もとは長崎にあったが1620年に破壊されたという。いかなる経緯で、鐘だけが大分・竹田市の中川神社へと伝わったのかははっきりしていない。地元では、この鐘を復元して鳴らす計画が持ち上がっている。どんな音なのか聞いてみたいのはやまやまだが、それまで展示室での想像をふくらませることにしよう。
　400年間、奇跡的に伝えられてきた鐘に会って、妙音を想像していただきたい。

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