二日市宿・湯町(二日市八幡宮)

二日市宿は、かつて日田街道沿いの福岡藩27宿の一つで、福岡藩の本陣も置かれていた大きな宿場町でした。現在は住宅化が進み、往時の趣きを感じることがほとんどできにくくなりました。
また、二日市宿の南約1kmには武蔵温泉、現在の二日市温泉があり、筑紫の最古の温泉とされています。

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二日市温泉街


二日市宿の創建と二日市八幡宮

二日市宿が最も古く文献上に現れるのは、少弐政資が筑紫満門に宛てた文明11年(1479年)の安堵状です。しかし、その名称から定期的な市が開かれてきたことや、その場所が古代大宰府条坊の右郭の東市と推定される場所にあたることから、古代大宰府政庁が置かれた時代に既に現在の「二日市」につながる市が形成されていたとも考えられています。
その二日市の鎮守様である二日市八幡宮は、『筑前国続風土記附録』に応神天皇、神功皇后、玉依姫の三神を祀るとされる古社です。かつては10月15日の秋季大祭では、神輿が繰り出す旧二日市町あげての盛大な神幸式が催されていましたが、現在は子供神輿、稚児行列が行われるのみとなっています。
また、八幡宮の境内の御神木である大銀杏は、戦国時代、天正年間の岩屋城の戦いで、島津方の兵によって伐り倒されようとされましたが、近くに住む百姓惣左衛門の老婆の決死の形相でこれを止めたために、災厄を免れたという伝説が残る木です。筑紫野市の天然記念物に指定されています。

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二日市八幡宮

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大銀杏

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稚児行列(二日市八幡宮御神幸・2004年10月15日撮影)

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二日市宿をゆく御神幸(2004年10月15日撮影)