隈・西小田遺跡

筑紫野市から小郡市にかけての地域には、集落や墳墓など、弥生時代の遺跡が密集して分布しています。筑紫野市南端部、小郡津古丘陵につながる隈・西小田地区には、弥生時代の大規模な墳墓群が見つかっています。
隈・西小田地区遺跡群は、弥生時代から古墳時代にかけての遺跡群で、各調査地点で弥生時代の甕棺と呼ばれる大型の土器に、遺体を納めて埋葬した墳墓群が出土しています。
数百基を数える甕棺の多くからは、何も出土しないか、人骨が出土するにとどまりますが、その中のほんのわずかな甕棺からは、中国前漢代の青銅鏡や青銅武器、玉類、ゴホウラ等の貝輪などのような、当時非常に貴重であった副葬品が出土します。おそらく集落内の有力者の墓であると考えられます。
隈・西小田地区遺跡群も各調査地点から、有力者と考えられる墓が見つかっています。
(筑紫野市歴史博物館『ちくしの散歩17 筑紫野のクニグニ』より)

写真

隈・西小田地区遺跡13地点23号甕棺(写真提供:筑紫野市教育委員会)