岡田地区遺跡群(西海道)

筑紫野市の南東部、筑前町に接する岡田地区には、古代大宰府に関連する官道の遺跡が見つかっています。
発掘調査では、約150mにわたって路面幅約9mの8世紀中頃以降と考えられる道路状遺構が見つかりました。写真を見ても分かりますように非常に直線的で、道幅も一定を保っており、波板状圧痕と呼ばれる道路造成の痕跡も見つかっていることから、古代駅伝制の駅家うまやと駅家を結ぶ駅路と考えられます。また岡田遺跡群の場所と道路の方向から考えて、大宰府から九州各地へと放射状に伸びる「西海道」の内、大宰府から豊後方面へ通じるルートと思われます。
また、駅路に沿って、8世紀中頃〜9世紀初頭の50棟近くの掘立柱建物や井戸等が検出されており、墨書土器(墨で文字が書かれた土器)や石帯(石製のバックル)、硯などが出土しています。西海道の駅家の一つであるとも、西海道の関であったとも考えられていますが、結論は未だ出ていません。いずれにせよ、直線に走る西海道と深く関係した遺跡であることは間違いないでしょう。
(筑紫野市教育委員会『岡田地区遺跡群II』より)

写真

岡田遺跡群官道(写真提供:筑紫野市教育委員会)