重要文化財「花鳥蒔絵螺鈿聖龕」（かちょうまきえらでんせいがん）
安土桃山～江戸時代　16~17世紀
九州国立博物館

この時期に登場する重要文化財「花鳥蒔絵螺鈿聖龕」。金銀の蒔絵ときらびやかに飾った聖龕。いわゆる大航海時代に日本を訪れたキリスト教の宣教師たちが特注したものと考えられる。背面も素晴らしい螺鈿が施されている。

展示中～12月22日（日）
展示場所：4階文化交流展示室　5テーマ

釈迦（しゃか）が亡くなって時が経つと、釈迦の説いた教えのみが残り、どれだけ修行しても悟りを得られなくなる時代、「末法」が到来すると考えられた。末法の到来を人々は嘆き悲しんだが、釈迦が亡くなって56億7千万年後、弥勒（みろく）が次の仏となり衆生を救うことや、現在弥勒のいる兜率天（とそつてん）に行くことを、人々は心のよりどころとした。

展示中～12月22日（日）
展示場所：4階文化交流展示室　３テーマ

「法華経」
鎌倉時代　13～14世紀
九州国立博物館

法華経は釈迦が説いたとされ、広く親しまれてきた経典（きょうてん）。経の中では、釈迦亡き後に弥勒が仏となり、人々を救うと述べる。また、法華経を読むことで現在弥勒がいる兜率天に行けるとも説く。

重要文化財「仏立像」
北魏時代　太平真君4年（443）
九州国立博物館

北魏・太平真君4年（443）の銘文が台座に刻まれた銅製の像。高陽蠡吾（こうようれいご）（※現在の中国河北省博野県）の菀申（えんしん）が、弥勒が兜率天からこの世に下りてくること、その説法を聞くことを願い、造立したとする。

「弥勒下生経変相図」（みろくげしょうきょうへんそうず）
高麗時代　13～14世紀
京都・知恩院

釈迦が亡くなったのち、56億7千万年後に兜率天（とそつてん）から下りてくるとされたのが弥勒である。本作は仏となった弥勒の説法（龍華三会）の様子を描いており、出家する王族が剃髪（ていはつ）する場面も見られる。

煎茶は、江戸時代初期に中国から黄檗（おうばく）宗とともにその茶礼として日本に伝わり、黄檗宗の僧侶・月海元昭（別名「売茶翁」ばいさおう）よって全国に広まった。文人文化が花開いた江戸時代後期から幕末に、煎茶も人気の絶頂期を迎え、同時期に様々な煎茶道具が作られた。

展示中～1月19日（日）
展示場所：4階文化交流展示室　5テーマ

「色絵草花浮文煎茶碗」（いろえそうかうきもんせんちゃわん）
江戸時代　19世紀
東京国立博物館

黄檗宗の広まりとともに、日本に浸透していった中国文化に煎茶道がある。本作品は、江戸時代後期の京焼の作家、青木木米（1767-1833）作の煎茶碗。鮮やかな色彩にも中国の影響が見られる。

「黄釉荒磯浮文急須」（おうゆうあらいそうきもんきゅうす）
江戸時代　19世紀
東京国立博物館

中国の文化に心酔して陶工を志した青木木米は、当時流行した煎茶趣味に応じて、数多くの急須や煎茶碗などの煎茶道具を焼いた。特に、本作品のように、交趾（こうち）焼などの中国陶磁の写しを得意とした。