特集展示
太宰府博覧会と鎮西博物館 ―明治時代の博物館構想-
ようこそ、九博のはじまりへ
明治6年(1873)より3度にわたり開催された「太宰府博覧会」。社寺や個人の所蔵する古器旧物(文化財)や物産、器械など数多く展示され、大きな人気を博しました。
この博覧会から約20年後、太宰府の地に常設の展示施設「鎮西博物館」の建設が計画され、政府から設置許可も下りたものの、残念ながら実現には至りませんでした。
本展では、太宰府博覧会に出品された宝物や鎮西博物館に関する資料を通じて、当時の博覧会の様子や人々が思い描いた博物館についてご紹介します。
主な展示作品

太宰府博覧会出品目録(だざいふはくらんかいしゅっぴんもくろく)(第1回)(部分)
明治6年(1873)
福岡・太宰府天満宮
太宰府博覧会では太宰府神社(現太宰府天満宮)の宝物のほか、個人の所蔵品も出品されました。なかには「なぜ、こんなものが?」という珍品も!

孔子(こうし)および二弟子像(にでしぞう)
中国・明時代もしくは江戸時代・17世紀
福岡・太宰府天満宮
第1・2・3回の太宰府博覧会で「三聖像」として出品された孔子とその門弟二人の像。目録の口絵にも掲載されました。

鎮西博物館歴史参考之備品(ちんぜいはくぶつかんれきしさんこうのびひん)
明治29年(1896)
福岡市博物館
鎮西博物館で展示予定だった品々を細やかな描写で紹介。いずれも博物館建設計画の中心人物であった江藤正澄(えとうまさずみ)による収集品で、その博識ぶりと情熱がうかがえます。

袋形提瓶(ふくろがたさげべ)
古墳時代・6世紀
三重・神宮徴古館
「鎮西博物館歴史参考之備品」にも紹介されているユニークな形の土器。革を綴じ合わせたような表現だけでなく、花のような装飾も見どころです。