九州国立博物館開館20周年記念 特集展示
煌 めきの古伊万里 ─ 小郡 C.C.コレクション
特集展示
煌めきの古伊万里─ 小郡C.C.コレクション
小郡C.C.コレクションは、17世紀半ばから約100年にわたって、ヨーロッパに輸出されて宮殿を飾った、豪華絢爛な古伊万里を中心とする日本陶磁コレクションです。本展は、同コレクションの中から、選りすぐりの名品を一堂に公開します。多彩な魅力に溢れ、ヨーロッパの王侯貴族や国内の富裕層の心を惹きつけた古伊万里。その最も煌めいた100年間を、作品を通じてご覧いただきます。
尚、本展では、古伊万里を学術的に紹介する解説とともに、20代~30代女性の視点から、作品の魅力をやわらかく発信するデュアル解説を試みます。
小郡C.C.コレクションとは
小郡C.C.コレクションは、九州有数のゴルフ場経営で知られる小郡カンツリー倶楽部(福岡県小郡市)が、美術館を設立する目的で収集した200件を超える日本陶磁コレクションです。ヨーロッパ向けの製品を中心に、国内向けの古伊万里や、明治から大正期の有田焼、薩摩焼など、貴重な作品の数々で構成されています。
同社のお申出により、2012年以降51件が九州国立博物館に寄託となり、2018年に176件が寄贈されました。
主な展示作品

色絵花盆鳳凰図皿
伊万里(有田) 1700~1730年代
花を籠や壺に盛ったデザインを「花盆図」という。金襴手 様式磁器のなかで最もよく描かれたデザインで、ヨーロッパ市場でライバルだった中国磁器にも描かれた。金襴手で本作品のように5枚セットで遺 ることは珍しい。

色絵菊牡丹花盆図大蓋物
伊万里(有田) 1700~1730年代
ヨーロッパには、東洋の磁器に金属の飾りや蓋を取り付けたものが、数多く見られる。ヨーロッパでは、一つの様式に基づいて宮殿や城館の空間を設 えるため、金具のデザインも、同時期の建築や家具の飾りに共通している。本作品は、ポプリ壺として伝わるもので、伊万里焼の鉢と蓋の間に取り付けた透かしの金メッキ飾りの間から、香りが出るように設計されている。

色絵獅子牡丹図有蓋大壺
伊万里(有田) 1690~1720年代
壺の胴部に獅子牡丹図をあらわした華やかな壺。金彩 を牡丹の花や獅子の鬣 ・尾などに多用する。天蓋 形の蓋と壺の肩には、花々を描いた色絵の枠と呉須 ・金彩の枠とを交互に配し、それがまるでレース襟 のように見える。

染付日本地図大皿「本朝天保年製 」銘
伊万里(有田) 1830〜1844年
行基 式と呼ばれる、中世から江戸時代中期以前の日本で用いられていた日本地図をあらわした皿。地図皿は、平賀源内 (1728-80)が指導して作られたとされる源内焼で、宝暦 年間(1751-64)には生産されている。伊万里焼では、裏面に「本朝天保年製」の染付銘 があり、天保 年間(1830〜1844)に焼かれたことが知られる。「小人国」「女護国 」といった架空の国もあらわされている。大皿のほか、角皿の例も見られる。

色絵扇面散瓔珞文輪花鉢
薩摩 喬耕山 19世紀
薩摩焼は、慶長 年間(1596-1615)に開窯し、黒釉茶入を始め様々な製品を生産した。幕末には、白釉陶胎の素地 に、色絵と金泥で緻密な上絵付けを施 した薩摩金襴手が誕生した。華やかでエキゾチックな製品は、パリ万博やウィーン万博に出品され高い評価を得た。以降、欧米に積極的に輸出されるようになり、薩摩で生産される金襴手以外に、素地のみを薩摩で生産し、上絵付を東京・横浜・名古屋・関西地域の港町で行う金襴手製品や、京都で模倣された「京薩摩」が作られるようになった。本作品は、裏側に島津家の家紋と「喬耕山」銘があり、「本薩摩」と呼ばれる、薩摩で作られた製品である。本展では「京薩摩」も展示する。
この展覧会の楽しみ方
\芸術鑑賞だ!なんて気負わなくて大丈夫。肩の力を抜いて楽しもう!/
この展覧会では、私たちが✨煌めきの古伊万里✨の世界を案内します。

キーワードは「ひとめぼれ💕」
展示室の中で、作品と一緒に私たちの「ひとめぼれ」ポイントも紹介しています。 ぜひ、探してみてくださいね。 そして、皆さんがあなただけの「ひとめぼれ」に出会えたなら、私たちはとても嬉しいです。
展示室に置いてある2種類のスナップ写真を見つけよう。
ひとめぼれスナップ
こいこい&まりりん&きらめきお姉さんの「ひとめぼれ」ポイントを紹介します。

ちょこっと一言
おや?作品が何かおしゃべり中みたい。ちょっとのぞいてみましょう。

SNS投稿、大歓迎!
ひとめぼれの作品をシェアしよう!

特集展示「煌めきの古伊万里―小郡C.C.コレクション」
特製ステッカープレゼントキャンペーン

開催期間:
令和7年4月8日(火)~7月6日(日)
参加料:
無料(ただし、文化交流展示室内での撮影には観覧料が必要です。)
参加方法:
①本展でひとめぼれした作品とフォトスポット、各1枚ずつ計2枚の写真を撮影する。
② Instagram、X(旧Twitter)もしくは専用応募フォームから投稿する。
Instagram、X(旧Twitter)の場合は、九博公式アカウントをフォローし、ポスト本文に
#きらめきの古伊万里を記載してください。
③ 4階案内所で、Instagram、X(旧Twitter)の場合は投稿画面を、専用応募フォームの場合は受付完了メールを提示するとステッカーがもらえます。
ステッカー配布場所:
4階案内所
留意事項 :
・ステッカーの配布は、上記配布場所にて投稿をご提示でおひとり様1日1回限りです。
・本展でひとめぼれした作品とフォトスポットの写真を撮影し、Instagram、X(旧Twitter)もしくは専用応募フォームから投稿することが必須条件です。
・窓口が込み合う可能性がございます。事前に携帯電話の画面を表示させたうえで、窓口にお越しください。
お問い合わせ先 :
九州国立博物館広報課 092-929-3272
関連イベント
申し込み不要、先着280名
きゅーはく☆とっておき講座
「小郡C.C.コレクションを通して見る、古伊万里の海外輸出」
講師:大橋康二氏(佐賀県立九州陶磁文化館名誉顧問)
登壇者:大橋康二氏、伊藤嘉章氏(愛知県陶磁美術館総長/町田市立博物館長)、酒井田千明(当館主任研究員)
開場13時00分 講演・鼎談13時30分~15時30分