特集展示
種子島 - 風と波が育んだ歴史 -
鉄砲伝来の地あるいはロケット打ち上げの舞台として、みなさんご存知の種子島。九州島の南にあり、黒潮が岸を洗うこの島は、実は日本列島で最も古い人々の活動の痕跡が見つかった場所のひとつなのです。以来、九州島、そして南の島々と交流を重ね、独自の文化と風習を伝えてきました。発掘調査で出土した資料や島の内外に伝わる文化財を通じて、この島の知られざる交流の歴史をご紹介します。
会期 |
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令和4年12月13日(火)~令和5年2月12日(日) |
展示場所 |
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文化交流展示室 第3室 |
観覧料 【文化交流展(平常展)】 |
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一 般 | 700円 |
大学生 | 350円 |
高校生以下・18歳未満および満70歳以上の方は無料 |
*その他詳細は こちらのページをご覧ください。
展示構成と主な展示作品
プロローグ 宇宙にいちばん近い島
世界で最も美しいロケット発射場があり、宇宙にいちばん近い島といわれる種子島。かつては九州島と陸続きでした。種子島の位置と成り立ちをご紹介します。

西之表市指定文化財 西之表象化石
新生代更新世 137万年前
鹿児島・種子島開発総合センター蔵
第1章 ヤマトとリュウキュウの間で(先史・古代)
およそ3万5千年前に種子島に降り積もった火山灰の下から、人びとの生活の跡が見つかりました。北のヤマトと南のリュウキュウ。種子島は二つの地域の境い目にあり、二つの文化の接点でした。北の文化と南の文化、双方の影響を受けながら育まれた独自の習俗をご紹介します。

重要文化財 広田遺跡出土品
古墳時代 3~4世紀
鹿児島・南種子町教育委員会蔵

木簡「多褹嶋」
平城宮跡 奈良時代 8世紀
奈良文化財研究所蔵
(実物展示期間:1月17日~1月29日)
第2章 鉄砲に出会う(中世)
新たに南海12島の領主となった肥後氏は、本拠を種子島におき、島の名を名乗るようになります。琉球などとの貿易で手に入れた貴重な品々を贈り物に、京都の公家や武家、寺社との交流を深めました。鉄砲伝来以前からの、島外との交流の様子をご紹介します。

県指定文化財 種子島家譜
江戸時代 寛政10年(1798)~文化8年(1811)
種子島時邦氏蔵

能野焼壺
江戸時代 17世紀
京都・本能寺蔵
第3章 島のくらし
鉄砲を手にし、一躍その名をとどろかせた種子島氏は、やがて強大な島津氏に屈します。種子島は薩摩藩の一部となりますが、島主はかわらず種子島氏が務めました。この時代に形づくられ、今に続く島のくらしの様子をご紹介します。

町指定文化財 牛之原牧の証文
江戸時代 文政4年(1821)
個人蔵

大隅国熊毛郡種子嶋沿海図
伊能忠敬作
江戸時代 19世紀
京都大学附属図書館
展示期間:12月13日〜2023年1月15日

特集展示
「種子島 風と波が育んだ歴史」図録
税込価格:1,600円
編集・発行:九州国立博物館
デザイン・印刷・製本:西日本新聞プロダクツ
発行日:2022年12月13日
判型:A4判、84頁
関連イベント
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