ろじ[路知]
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ろじ[路知]連載:赤米今昔物語 〜赤米に魅せられて〜 第七回

安本 義正

赤米活用の今日事情(2)〜食文化の創造に羽ばたく赤米〜

 農林水産省が進めていた「スーパーライス計画」でも様々な形質をもつ米が開発されており、今後の食文化も多様化していくものと思われますが、赤米も一役買って貰いたいものです。すでに赤米を用いた料理や加工食品が開発されています。現在活用されている赤米はほとんど粳米なので、白米に比べて粘りがなく、ご飯に炊くとパサパサしており、雑炊、ピラフやパエリヤなどに適しているようです。奈良市内のホテルなどは「天平の宴」として出していますし、各地の旅館でもお吸い物に入れたり、ご飯として出しているところもあります。
 赤米を粒のまま利用するものとして筆者がお勧めなのは、京都市内のおはぎの専門店で出している赤米・紫米のおはぎです。餡の外側を赤米のご飯で包むもので、色合いといい味といい申し分ありません。



赤米・紫米のおはぎ

 その他寿司に用いたり、赤米の小鯛包みを出しているところもあります。京都市内の京料理店では、懐石料理やお弁当と共に「赤米雑炊」を出しています。筆者も何回も食していますが、とても美味しいと思います。
 赤米を粉にして利用するものとしては、赤米の麺やそば、赤米ちまき、饅頭、おかき、パン、など各地で様々な製品が開発されています。大阪のカステラ専門店で出されている「赤米カステラ」はしっとりした歯触りで、とても美味しいと思います。料理研究家の奥村彪生氏の赤米ケーキの作り方をもとに筆者の妻がケーキを試作してみました。山芋を入れると粘りがあり発色も良さそうですが、手軽な山芋パウダーでも良いと思います。赤米ケーキの作り方を紹介しておきますので、読者の皆さんもぜひ作ってみてください。
 パウンドケーキ型1個分の材料は、赤米の粉75グラム、山芋パウダー10グラム、砂糖75グラム、ハチミツ大さじ1杯、ミルク大さじ3杯、サラダ油大さじ1.5杯、卵3個です。

1. 卵を卵白と卵黄に分け、卵白をボウルに入れ、泡立て器でよく泡立てます。
2. 砂糖を加えて、卵白とよくまぜます。
3. 卵黄も入れ、泡立て器でまぜます。
4. ハチミツ、ミルク、サラダ油を加え、泡立て器でよくまぜます。
5. 赤米の粉と山芋パウダーを少しずつ加え、泡立て器でまぜます。
6. 紙を敷いたパウンドケーキ型に流し入れ、オーブンにて160〜170度の温度で約20〜30分間焼いて出来上がりです。



赤米ケーキ

 市販されているもので人気があるのは、赤米で造ったお酒です。今では10数社が赤米酒を出しています。お祝い等の贈り物として人気があるようです。色合いは各社でかなり異なりますが、薄茶色から赤ワイン色まで様々です。冷やしてグラスで飲むと雰囲気も良いと思います。



赤米酒

 赤米ワインや黒米ビールを出しているところもあります。筆者が訪れた中国では、黒米を用いて「紫米酒」が売られており、老若男女や子どもまで、滋養強壮・虚弱体質に効果があり、理想的な滋養品とされています。



中国の赤米酒

 ネパ−ルでは、酒としてではなく、薬代わりとしても赤米が用いられていました。インドネシア・バリ島では乳幼児の離乳食として用いていると、タクシーの運転手さんが教えてくれました。
 以上、赤米の食品としての用途は広いと思います。小麦と同じように、粉として利用すれば様々な赤米食品が開発され、赤米食文化が創造されれば、赤米も自らの復活を心から喜ぶのではないでしょうか。

《次回は5月上旬掲載》