博物館からのお知らせ

博物館から:

国宝「奈良県藤ノ木古墳出土品」の毀損について

平成22年7月9日 九州国立博物館

 当館で開催します特別展「馬 アジアを駆けた二千年」(開催期間:平成22年7月13日(火)から9月5日(日))において展示を予定しておりました国(文化庁)所有の国宝「奈良県藤ノ木古墳出土品」(奈良県立橿原考古学研究所 附属博物館 保管)のうち、1箇が、特別展に係る輸送中に毀損しましたので、ご報告します。
 また、この件につきまして関係者の皆様方に心からお詫び申し上げます。

1.毀損した文化財の名称および員数

国宝 奈良県藤ノ木古墳出土品のうち

鉄地金銅張 鐘形杏葉(つりがねがたぎょうよう)(*)

13箇のうち1箇

(報告書『斑鳩 藤ノ木古墳 第一次調査報告書』P170 図114-1、PL.67-227)

*馬具の一種で、馬の胸または尻の部分に革から吊り下げて飾る金具

2.指定年月日

平成16年6月6日

3.所有者

国(文化庁)

奈良県立橿原考古学研究所 附属博物館保管

4.毀損の箇所及び状況

(1)毀損の箇所

上記の杏葉を革から吊り下げるために付属する鉤(かぎ)金具(かなぐ)部分

(2)毀損の状況

鉄銹による膨れの部位が輸送中に剥離、毀損したものと考えられます。

5.当面の処置

文化庁に対して毀損経緯書を提出した上で、当該作品については、展示を取りやめます。

また、修理については関係者と十分に協議しながら実施します。