過去の展示情報

トピック展示 :

大野城と四王寺


展示期間:

平成20年10月15日(水)〜平成21年1月18日(日)

展示場所:

文化交流展示室基本展示第IIIテーマ

概要:

 大宰府政庁跡の背後に広がる四王寺(大野)山は古代には二面の顔を持っていました。

 一つは大宰府防衛網の一翼を担った大野城を配する「城の山」、もう一つは「四天王寺」が造営され、また数多くの経塚が営まれて人々の信仰の対象となった「祈りの山」です。

 歴史上様々な場面で重要な位置を占めた四王寺山について、大野城跡からの出土遺物と四王寺山経塚の遺物、また関連する書籍を交えて今回の展示でご紹介します。

展示作品の紹介
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鉄製軸受金具

鉄製軸受金具 1点 大野城北石垣城門跡出土
高 34cm 鋳鉄製 飛鳥時代・7世紀
福岡県教育委員会

鉄製軸受金具 1点 大野城北石垣城門跡出土
高 34cm 鋳鉄製 飛鳥時代・7世紀
福岡県教育委員会

大野城北石垣城門跡から出土した、鋳鉄製の軸受金具。回転する門扉の軸となるもので礎石の軸摺穴に取り付けられたままの状態で発見された。本来はこの上に組になる鉄製の金具が取り付くものと考えられる。これまで中国大陸や朝鮮半島の山城で出土例が見受けられたが日本の古代山城では初めて出土した。大野城が百済からの亡命官人の指揮の下築城されたとする「日本書紀」の記述を裏付ける資料と言える。

刻書木柱

刻書木柱 1点 大野城太宰府口城門跡出土
高 約100cm 木製 飛鳥時代・7世紀
福岡・九州歴史資料館

刻書木柱 1点 大野城太宰府口城門跡出土
高 約100cm 木製 飛鳥時代・7世紀
福岡・九州歴史資料館

大野城太宰府口城門跡から出土した城門の建築部材。掘立柱式であったと考えられている第I期城門の部材で材質はコウヤマキ。遺されていた柱根に「□(孚?)石部」と線刻による刻書が認められた。部民制を示す文字史料としても貴重である。年輪年代測定によれば本資料の伐採年代は648年とされ、大野城創建時(665年)に近い時期であることが判っている。