展示期間:
平成29年9月13日(水)〜11月5日(日)
展示場所:
文化交流展示室基本展示室(一部)および第5・6・7室
主催:
九州国立博物館、国東半島宇佐地域・六郷満山開山1300年誘客キャンぺーン実行委員会、大分県立歴史博物館
特別協力:
六郷満山会
協力:
西日本新聞社
概要:
大分県国東半島の山間に点在する数多くの寺院や行場を総称して「六郷満山 ろくごうまんざん 」といいます。六郷満山では、伝説的聖僧・仁聞 にんもん によって始められた山岳信仰と宇佐神宮を発祥とする八幡信仰が融合した独特な山岳仏教文化が花開 き、いまに受け継がれています。
平成30年(2018)、六郷満山は開山1300年を迎えます。これを記念し、六郷満山の歴史と文化を物語る信仰遺産をご紹介します。
出品目録:

展示の紹介


第一章 古代宇佐の仏教文化

遠く異国より海を渡り、豊国に伝来した仏教文化。
豊国の仏教文化は、大和の都や筑紫の大宰府の信仰と技術が融合しながら、形づくられていった。古代寺院を彩った華麗な瓦や岩窟に眠る古仏は、この地の仏教文化の成立過程を語る証人である。仏堂や塔は古くに朽ち果て、いまは礎石や瓦片などの痕跡を遺すのみであるが、それらのわずかな痕跡をつなぎ合わせたとき、往時の大伽藍が姿を表す。古代宇佐の地を舞台として、宇佐弥勒寺を中心に六郷満山への確かな胎動が始まっていた。
第1章:古代宇佐の仏教文化 塼仏

塼仏せんぶつ

飛鳥時代 7世紀 虚空蔵寺跡出土
宇佐市教育委員会

第二章 六郷満山の祈り

猛々しく切り立った岩山の麓ではじまった六郷満山の祈り。
古代宇佐の仏僧は修行の場を求めて、国東半島の険しい山々、深い谷間へと移り住んでいった。国宝・富貴寺大堂を代表とする洗練された仏堂、それらに納められた仏の造形からは、彼らの敬虔な祈りの姿が垣間見える。末法の世に移ろい行く中、六郷満山は隆盛を極めていく。仏法守護の聖地である国東半島には、仏法を後の世に伝える経塚が各地で造営された。
第2章:六郷満山の祈り僧形八幡神坐像

大分県指定有形文化財

阿弥陀如来坐像あみだにょらいざぞう および 観音菩薩かんのんぼさつ勢至菩薩立像せいしぼさつりゅうぞう

平安時代 12世紀
豊後高田市・富貴寺

第2章:六郷満山の祈り 銅筥板

重要文化財

銅筥板どうばこばん

平安時代 保延七年(1141)
豊後高田市・長安寺

 第2章:六郷満山の祈り 如意輪観音懸仏

大分県指定有形文化財

如意輪観音懸仏にょいりんかんのんかけぼとけ

鎌倉時代 13世紀
国東市・神宮寺

第2章:六郷満山の祈り 矜羯羅童子立像

重要文化財

矜羯羅童子立像こんがらどうじりゅうぞう

平安時代 11世紀
豊後高田市・真木大堂

第2章:六郷満山の祈り 制吒迦童子立像

重要文化財

制吒迦童子立像せいたかどうじりゅうぞう

平安時代 11世紀
豊後高田市・真木大堂

第三章 国東の神と仏と鬼

古来、神と仏と鬼が共に在り、信仰を集めてきた六郷満山。
宇佐神宮の影響のもと、天台寺院が数多く開かれたこの地には、神仏習合によって生み出された多くの神像や仏像が伝えられている。それらの造形の多彩さは、飛鳥時代以来培われてきた伝統文化と都からもたらされた最新の文化が接触し、刺激となり、融合した結果、ほかの地域にはない独自の文化が形成されたことに由来する。いまもなおつづく修正鬼会は、その生き証人ともいえる神と仏と鬼が集う祭儀である。
第3章:国東の神と仏と鬼 僧形八幡神坐像

重要文化財

僧形八幡神坐像そうぎょうはちまんしんざぞう

平安時代 10〜11世紀
杵築市・八幡奈多宮

第3章:国東の神と仏と鬼 修正鬼会面

大分県指定有形文化財

修正鬼会面しゅうじょうおにえめん

江戸時代 慶長15年(1610)
国東市・千燈寺

第3章:国東の神と仏と鬼 鬼大師坐像

鬼大師坐像おにだいしざぞう

江戸時代 17〜18世紀
国東市・文殊仙寺

第3章:国東の神と仏と鬼 蔵王権現立像 残欠

日出町指定有形文化財

蔵王権現立像ざおうごんげんりゅうぞう 残欠ざんけつ

平安時代 12世紀
日出町・法花寺区

第四章 国東の石造文化

自然豊かな国東半島で育まれた力強く、素朴な石造物。
両子山で産出する角閃安山岩、あるいは田染荘周辺にひろがる阿蘇溶結凝灰岩は、柔らかく彫刻に適した石材である。これらの豊富な石材を背景に、六郷満山では石を刻むことにより、様々な姿で信仰心が形となって現出した。絶壁に刻まれた磨崖仏、夥しい数の石仏と石塔、そして寺社を守護する仁王像は、宇佐国東の石造文化の象徴である。苔むした石仏や石塔は、六郷満山の繁栄ぶりを伝えながら、今は緑豊かな山野と美しい里山の中にたたずんでいる。
第4章:国東の石造文化 仁王立像

仁王立像におうりゅうぞう

江戸時代 天保14年(1843)
大分県立歴史博物館


特別展示「六郷満山 開山一三〇〇年記念 大分県国東宇佐 六郷満山展〜神と仏と鬼の郷〜」

大分県国東宇佐 六郷満山展〜神と仏と鬼の郷〜
税込価格:1,500円
編集・発行:九州国立博物館
デザイン:マツダヒロチカデザイン事務所
印刷・製本:株式会社西日本新聞印刷
発行日:平成29年9月13日
A4判、112頁

関連イベント:

国東岩戸寺修正鬼会

特別展示「国東宇佐 六郷満山展」開催に伴い、神秘の郷国東の「岩戸寺修正鬼会」が実際にご覧いただけます。

日時:
平成29年9月30日(土)18時00分〜19時00分
場所:
九州国立博物館入口(太宰府天満宮 曲水の庭前の広場)
観覧料:
無料

国東宇佐伝統行事特別公演

日時:
平成29年10月1日(日)10時00分〜15時00分
場所:
九州国立博物館1階ミュージアムホール
公演内容:
【午前】
予定10時10分〜10時40分 ①豊後みさき太鼓(豊後高田市)
予定10時50分〜11時20分 ②岩戸寺修正鬼会(国東市)
【午後】
予定13時00分〜13時30分 ③院内龍神太鼓・童龍太鼓(宇佐市)
予定13時40分〜14時10分 ④山香盆踊り(杵築市)
予定14時20分〜14時50分 ⑤津嶋神楽(日出町)
*それぞれの公演時間は30分を予定しておりますが、演目によって若干前後することもあります。あらかじめご了承ください。
お問い合わせ先:
国東半島・宇佐地域六郷満山開山1300年誘客キャンペーン実行委員会
電話0978−72−5007
国東宇佐伝統行事特別公演

同時開催

特別展 開山1300年記念「聖なる山‐ 六郷満山と仁聞」

会期:
平成29年10月20日(金)〜12月3日(日)
会場:
大分県立歴史博物館 【 ホームページ