新春展示

新春展示「太宰府天満宮の地宝」
天神さまの杜に抱かれた九州国立博物館は、平成27年(2015)10月に開館10周年を迎えました。これを記念する本展では、九州国立博物館が築かれた地を足元から見つめ直すべく、太宰府天満宮にゆかりの多彩な考古資料や関連資料をご紹介します
展示期間:
平成28年1月1日(金・祝)〜2月28日(日)
展示場所:
文化交流展示室 1室
担当者からのコメント:
地宝とは地下に埋もれた宝であり、また地元の宝という意味でもあります。それらを後世に伝えていくにはどうすればよいでしょうか。私は、人から人へと語り継がれることが大切で、それには物語が必要だと考えました。そこで今回の展示では、8つの展示品に短い昔話風の文章を添えました。展示品を見ながら、それを口の中でぶつぶつ言ってみてください。あるいは展示を一緒に見に来た方に話してみてください。そうすることで、1つ1つの展示品がより印象深いものになることでしょう。


第1章 安楽寺の甍と太宰府の古代・中世

裏に古代の職人の足跡がある


文様塼

重要文化財 文様塼

太宰府市観世出土
奈良時代・8世紀
太宰府天満宮所蔵

道真の墓所の名をしるす


平瓦 銘安楽寺

平瓦 銘安楽寺

太宰府天満宮出土
平安時代・10世紀
太宰府天満宮所蔵

大宰府政庁の修繕に使われた道真の墓所ゆかりの瓦


平瓦 銘安楽之寺

平瓦 銘安楽之寺

大宰府政庁跡出土
平安時代・10世紀
九州歴史資料館所蔵

こぶりだけど高品質。密教の修法に使った六器


瓦器碗

瓦器碗

1985年太宰府天満宮出土
平安時代・11世紀
太宰府市教育委員会所蔵

平安時代後期の天満宮のすがたをいまに伝える


飾金具

飾金具

1985年太宰府天満宮出土
平安時代・11〜12世紀
太宰府天満宮所蔵

高貴な太刀にともなう花先形の金具


鞘尻金具

鞘尻金具

鎌倉〜室町時代
14〜15世紀
太宰府天満宮所蔵


第2章 弥生の祭器と太宰府天満宮の近世

安楽寺の東南から青銅器が出土したことを記す


百練抄

百練抄

鎌倉時代編、江戸時代写・17世紀
九州国立博物館所蔵

青柳種信がスケッチした銅戈


太宰府聖廟神宝銅鉾図

太宰府聖廟神宝銅鉾図

青柳種信 筆
江戸時代・19世紀
福岡市博物館所蔵
【展示期間】1月1日〜2月7日

天満宮神宝銅鉾図

天満宮神宝銅鉾図

青柳種信 筆
江戸時代・19世紀
福岡市博物館所蔵
【展示期間】2月9日〜2月28日

知る人ぞ知る。後藤碩田の銅戈の拓本


尚古延寿

尚古延寿

後藤碩田 筆
江戸時代・19世紀
大分県立先哲史料館所蔵

江戸時代に太宰府の片野山で発見


中広形銅戈

中広形銅戈

伝1784年太宰府市片野山出土
弥生時代・1世紀
太宰府天満宮所蔵


第3章 宝ここに集えば - 近現代の太宰府天満宮 -

半島系の鉄斧などいろいろ


成屋形古墳出土品

成屋形古墳出土品

1963年太宰府市成屋形古墳群出土
古墳時代・5世紀
太宰府天満宮所蔵

縞模様の研ぎ分けが美しい


中広形銅矛

中広形銅矛

福岡県甘木市下渕出土
弥生時代・1世紀
太宰府天満宮所蔵

道真の子くままろの墓で採取された瓦


平瓦

平瓦

1971年菊武賢太郎氏寄贈 隈麿墓出土
平安時代・9‐10世紀
太宰府天満宮所蔵


第4章 天神さまの杜から九博へ

天満宮アクセスの建設で世に現れた地宝


古瀬戸骨蔵器

古瀬戸骨蔵器

2002年太宰府市浦ノ田遺跡(天満宮アクセス)出土
鎌倉時代頃・13〜14世紀
九州歴史資料館所蔵


図録:太宰府天満宮の地宝

太宰府天満宮の地宝

税込価格:1,512円
編集:九州国立博物館
発行:忘羊社
装幀:俣野裕三(MATANO OFFICE)
印刷、製本:大同印刷株式会社
発行日:平成27年1月1日
A5判並製/96ページ/オールカラー
九州国立博物館が築かれた地にはどのような歴史が刻まれてきたのでしょう。本書では、九州国立博物館が築かれた太宰府、そして太宰府天満宮にまつわる知られざる考古資料をご紹介します。太宰府散策にもおすすめの一冊です。

序章 古都・太宰府と共に
1章 安楽寺の甍(いらか)と太宰府の古代・中世
2章 弥生の祭器と太宰府天満宮の中世
3章 宝ここに集えば——近現代の太宰府店天満宮
4章 天神さまの杜から九博へ
紀行 九博の�爐犬發圈辞畍Φ羂�が案内する——太宰府地宝めぐり

ミュージアムトーク「太宰府天満宮の地宝」

日時:
平成28年1月5日(火)15時00分〜15時30分
場所:
九州国立博物館4階文化交流展示室関連第10室
担当:
市元塁(九州国立博物館主任研究員)
聴講料:
無料(ただし文化交流展の観覧料は必要)