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イメージ 福岡県江蘇省友好提携15周年記念展覧会
イメージ 「徐湖平(じょこへい)中国画展」を開催
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 「日本文化の形成をアジア史的観点からとらえる」というコンセプトを持つ九州国立博物館は、アジア諸国との文化交流を推進する拠点としての役割を果たすため、海外の博物館等との共同研究、研究者の派遣・受け入れ、研究成果や情報の交換等の事業に取り組んでいくこととしています。
 その一環として、本年3月には当館と南京博物院は文化財の調査研究および展示・博物館科学等の協力関係を推進するため、相互信頼と尊重に基づく学術文化交流協定を締結しました。
 また、南京博物院のある江蘇省と福岡県は、平成4年以来両国において様々な交流事業を実施しており、今年で友好提携15周年を迎えます。
 この度、福岡県と江蘇省の友好提携15周年を記念して、南京博物院と当館との交流に多大なご尽力をいただいた同院の前院長であり、有名な画家である徐湖平氏の書画展覧会を当館で開催することになりました。
 この展覧会を機に、更なる交流事業を展開し、より深い両博物館の友好関係を築いてまいります。
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○  会期
平成19年9月1日(土)〜9月16日(日)
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○  場所
九州国立博物館特別展室第3室
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○  主催
九州国立博物館
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○  後援
中華人民共和国江蘇省国際文化交流中心、南京博物院、中華人民共和国駐福岡総領事館、財団法人九州国立博物館振興財団、福岡県教育委員会
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○  観覧料
無料
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○  内容
中国において、国内海外十大画家として作品集なども出版している前南京博物院院長徐湖平氏の山水画など約30点を展示します。
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○  開会式について
日時
平成19年9月1日(土)午前9時20分〜
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場所
3階特別展示室前ロビー
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式次第(予定)
  • 主催者挨拶
  • 九州国立博物館副館長 光安常喜
    南京博物院前院長 徐湖平
  • 来賓挨拶
  • 中華人民共和国駐福岡総領事館総務室主任領事 王定国氏
    福岡県議会議員 藤田陽三氏
  • 来賓紹介
  • テープカット
* 開会式終了後、「筑豊交響楽団有志」により、記念演奏をしていただきます。
* 14時から徐湖平氏によるギャラリートークを行います。
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○  主な展示作品:
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秋山観瀑図
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秋山の滝を眺める高士(秋山観瀑図)
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本図のように高士が瀑布(滝)を眺める「観瀑」は、中国山水画でひろく親しまれた伝統的なテーマである。とくに唐時代を代表する詩人・李白(701〜762)が、中国江西省の名峰・盧山の滝をみて「飛流直下三千尺、疑是銀河落九天」と詠んだ詩が有名であるため、絵に描かれた高士は李白とみられることもある。
本図では画面いっぱいに描かれた岩壁から流れ落ちる滝が激しくしぶきを上げる様子が表され、まるで瀑音が聞こえてくるかのようである。秋を暗示する山肌の朱色と静かにたたずむ高士の着衣の水色が、水墨に映えて印象的である。

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魚趣図
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ひょうきんな魚(魚趣図)
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墨のみを用いた線と面で、魚がしなる動作の一瞬を捉えた作品である。少しはなれた可愛らしい両眼が、とぼけたような魚のひょうきんな姿を魅力的に表している。本図の表現は、中国の明時代末期から清時代初期にかけて活躍した八大山人(1626〜1705)の花卉雑画にならったものと思われる。ただし動物の眼を上目遣いで表すことの多い八大山人に対し、可愛らしい両眼を二つの点のみで表すことが新しい。ここに伝統的な様式を踏まえながらも、さらなる表現を追求する徐湖平画の特質をみることができる。
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秋色雁声図
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秋空に鳴く雁(秋色雁声図)
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中国絵画には、親しみのある身近な風景に花鳥のモチーフを織りまぜて描くジャンルがある。これはスケールの大きい山水画と区別して特に「小景画」と呼ばれているが、紅葉と雁の秋景を描いた本図もその系譜に属する作品である。その面白さは景観が大きく四つの色面で表されていることである。最も手前の近景である右下には紅葉の樹木が赤色で、左下には水辺の船と対岸に飛ぶ雁が墨色で、右上には遠山が青色で、左上には緑色で描かれ、画面をほぼ四分割している。モチーフの遠近関係をもよく表現した色面構成の美しさが、本図の最大の特徴である。
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大地回春
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早春の大地(大地回春)
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中国絵画の伝統的な技法として千年以上も親しまれてきた水墨画の最大の特徴は、墨面に作り出される無限のグラデーションである。この特徴を生かした技法「発墨」は自由自在に墨をはね散らかしモチーフを輪郭線を用いずに描く表現であるが、本図の濃淡も同じ技法によって生み出されている。とくに墨面のムラムラは大地に秘められた生命力を表すことに成功しており、また中央に散らされた若草色は凍てつく冬の大地から萌え出でる若葉の力強さを感じさせる。墨線を用いず墨面と色面によって達成された抽象的な世界が印象深い山水図である。
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我亦有亭深谷里
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私は谷奥の東屋にいます(我亦有亭深谷里)
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人里はなれた静かな山水では、鳥のなきごえや木々のざわめきだけが聞こえる。濃墨で表された険しい谷奥の小さな東屋には高士が一人、彼は徐湖平その人であろうか。改革開放で経済発展が進む現代中国にあって日頃の彼は市中に生きるが、願わくば絵の中だけでも自然とともにありたいという願望が本図を生み出したのかもしれない。世塵にまみれても私は清らかな山水とともあるという哲学的なメッセージが聞こえる。画面の上辺には赤色の帯、これが表すものは夕陽であろうか、彼の心中であろうか。
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徐湖平氏について
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1945年1月生まれ、本籍は湖南省平江。
南京博物院前院長、研究員、『東南文化』編集主幹、南京大学・上海復旦大学・南京師範大学客員教授、東南大学大学院教授。1997年より絵画制作を始めた。古画に学び、優れた画家の表現を模倣しつつ自らの創作活動に励んだ。その作風は「写実」および「写意」、「具象」から「抽象」までと多彩で、作者の感情をじかに表現したものとされる。その創作理念と作品は近年、高く評価されている。

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