武蔵寺の自然梵字板碑

板碑とは、追善や供養を目的に作られた石製の卒塔婆のことです。鎌倉〜室町時代にかけて盛んに建てられました。
武蔵寺の自然石梵字板碑は、武蔵寺の山門をくぐった右側にあります。花崗岩を粗加工した高さ265cmの大型の板碑で、表には薬師如来を示す梵字「バイ」が刻まれています。建立時期は貞和3年(1347年・北朝の年号)です。由緒伝来についてははっきりしませんが、武蔵寺の創建者である藤原虎麿(虎麿長者)の碑といわれおり、武蔵寺に伝わる紙本著色武蔵寺縁起第五幅にも、この板碑と思われる石塔が描かれています。この板碑は筑紫野市内では最古級であり、武蔵寺をはじめ地域の歴史をたどる上で重要であるため、筑紫野市の有形文化財に指定されています。
(筑紫野市歴史博物館『筑紫野の指定文化財』より)

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武蔵寺自然石梵字板碑

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武蔵寺縁起絵巻に描かれた石塔(武蔵寺蔵 写真提供:筑紫野市歴史博物館)